Simply Dead

映画の感想文。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『闇を裂く一発』(1968)

『闇を裂く一発』(1968)

 『野良犬』(1949)『用心棒』(1961)の菊島隆三が脚本を手がけた、大映製作の刑事サスペンス。邦画ファン・ミステリ映画ファンの間では隠れた傑作として評価が高く、ずっと観たいと思っていた。新文芸坐の「和田誠が『もう一度観たいのになかなかチャンスがない』と言っている日本映画」という特集で上映されたので、ようやくスクリーンで対面。期待に違わぬ快作だった。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
〈おはなし〉
 うだるような真夏の射撃場で、メキシコ五輪を目指して特訓に励む3人の若者たち。警察官でもある彼らは、ある日、ライフル魔逮捕のため捜査にかりだされることになる。ピストル射撃の名手・本多(峰岸隆之介)はベテラン刑事の江森(露口茂)と組み、ホシの足取りを追う。初めは考え方から何から噛み合わなかった2人だったが、捜査を通じて徐々に理解し合っていく。そこに犯人を目撃したという情報が……。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 キャラクター描写・配置の巧さ、筋運びの鮮やかさは、さすが菊島隆三という感じ。村野鐡太郎監督のタイトな演出も快い。後年は『月山』(1979)『遠野物語』(1982)といった文芸作を多く発表しているが、大映時代にはこんなシャープな娯楽作も放っていた。良質の洋画刑事ドラマのようなムードも漂わせており、その筋の人たちの間で語り草になっているのも頷ける。山下毅雄による『第三の男』っぽいギターの音楽もいい。

 キャスティングも見事。若き日の峰岸隆之介(現・峰岸徹)が、いかにも生意気そうなスポーツ一本槍の主人公を好演。叩き上げの刑事を味わい深く演じる露口茂とのバディムービーとしてもよく出来ている。今や名バイプレイヤーとして知られる平泉征が、主人公と同じ五輪強化選手の役で、松岡修造みたいなトレーニングバカの青年を演じているのが可笑しかった。

 クライマックスは野球場が舞台。犯人がスコアボード裏に立てこもるという趣向で、雰囲気のあるセットと歓声のSEが、息詰まる臨場感をうまく醸成している。ムスッとした年配のボード係を演じる今福正雄もいい味だしていた。

 台詞の中に金嬉老の名が登場したり、「次はミュンヘン五輪がありますから」といった台詞にヒリヒリした時代性を感じる。かなり傷んだプリントだったのが残念だけど、とても面白かった。今度は綺麗な状態で観てみたい。


監督/村野鐡太郎
脚本/菊島隆三
撮影/上原明
音楽/山下毅雄
美術/間野重雄
録音/飛田喜美雄
照明/久保江平八
出演/峰岸隆之介、露口茂、加藤武、高橋悦史、平泉征、青山良彦、高原駿雄、浜田ゆう子、赤座美代子、佐藤允
スポンサーサイト

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • 2006/12/12(火) 00:46:43 |
  • |
  • #
  • [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://simplydead.blog66.fc2.com/tb.php/96-1cb12e21
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。