Simply Dead

映画の感想文。

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『ドッグ・バイト・ドッグ』(2006)

『ドッグ・バイト・ドッグ』
原題:狗咬狗(2006)

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 東京国際映画祭2006コンペティション出品作。日本の配給会社アートポートが製作した香港映画で、主演はエディソン・チャンとサム・リー。監督はソイ・チェン。

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〈おはなし〉
 とあるレストランで残忍な殺人事件が発生。刑事ワイ(サム・リー)は現場付近で怪しい人物を発見する。カンボジアから香港へ密航してきた殺し屋パン(エディソン・チャン)だ。幼い頃から賭けボクシングの選手として育てられた彼は、何の躊躇もなく人を殺す凶暴な男。ワイは多くの犠牲を出しながら、何とかパンを捕りおさえるが、護送中に逃げられてしまう。

 追撃をかわしながら、あてどなく逃げ回るパン。そのさなか、彼はゴミ集積場に暮らす少女ユー(ペイ・ペイ)と出会う。自分と同じように孤独で不幸な彼女を、パンは一緒に連れていくことに。

 一方、上司の命令を無視し、執拗にパンを追い続けるワイ。だが、いつもあと少しのところで彼を取り逃がし、同僚たちは次々と眼前で殺されていく。怒りに燃えたワイは、もはや刑事としての職務を忘れ、執念の鬼と化していく……。

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 主人公がカンボジア人というあたりが新味だが、基本的には『ワンナイト・イン・モンコック』(2004)などと同じ話。ただし暗殺の任務にまつわるサスペンスは一切なく、ひたすら殺し屋と刑事が繰り広げる血みどろの戦いが描かれる。

 エディソン・チャンがイメージを一新し、暴力のみで生きてきた主人公を台詞なしで力演。凶犬の身のこなしというか、狂気と怒りをたぎらせた敏捷な体の動きからは目が離せない。対するサム・リーはやや力不足だが、クライマックスの変貌ぶりは大したもの。薄幸のヒロインを健気に演じるペイ・ペイは、日本でも清純派アイドルとして通用しそうな可愛らしい美少女。

 凄絶なバイオレンス描写が目玉となっているが、思慮のなさが読みとれてしまうタイプの突発的暴力が延々続くだけなので、そのうち食傷気味になってくる。それに、話を前に転がしていくのが今どき「殺し屋と無垢な少女の逃避行」だったりするので、かなり集中力を削がれる。終盤、カンボジアに舞台を移してからの展開はダメ押し的で面白かったけど、そこまでが長い。もう少しスマートさがあれば快作になったかもしれないが、この監督はそういう青臭さと荒々しさが持ち味だから仕方ない。

 暴力シーンは徹底してるくせに、肝心のラストで急に嘘くさくなるのが残念。そこがいちばん大事な血を見せるシーンだろ! と思ってしまった。さらに、同監督の前作『愛・作戦』(2004)と同じく、わざわざ字幕で“魂のメッセージ”を出すセンスにも腰が抜けた。

 『愛・作戦』は一昨年の映画祭でたまたま観て、本作より面白かったぐらいだが、やっぱりラストの字幕でずっこけた。その時は苦し紛れの策なのかと思ったけど、本気だったか……。


監督/ソイ・チェン
製作/松下順一
プロデューサー/米山 紳、サム・レオン
脚本/セット・カムイェン、マット・チョウ
撮影/フォン・ユン・マン
美術/シルバー・チャン
編集/アンジー・ラム
出演/エディソン・チャン、サム・リー、ペイ・ペイ、ラム・シュー


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