Simply Dead

映画の感想文。

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『クブラドール』(2006)

『クブラドール』
原題:Kubrador(2006)

kubrador.jpg

 東京国際映画祭“アジアの風”部門出品のフィリピン映画。違法行為の横行するスラム街で生活する女性の姿を、リアリズム・タッチで追ったドラマ。

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〈おはなし〉
 スラム街に夫と暮らす中年女性アメリタ(ジーナ・パレーニョ)は、フエテンと呼ばれる違法ナンバー賭博の注文聞きで生計を立てている。毎日お得意さんを訪問して回る彼女は、町でもおなじみの顔だ。日常に起こる様々な出来事を数字の組み合わせで解釈し、それをギャンブルに役立ててもいる。一方で信仰に厚く、寄付金集めにも精を出すが、その敬虔さには戦場で死んだ息子の影がつきまとっていた……。

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 町の人々から親しみや信頼を得ながら、警察の目に怯え、不安定な生活を送る主人公のキャラクターが興味深い。様々な矛盾を抱えながら、たくましく生きていくより他に術はない。知人の息子の葬式で、嘆き悲しむ家族を親身になって慰めた後、「涙と老人……そうだわ」といって数字の組み合わせを考えてしまう姿が可笑しかった。

 スラム街でオールロケを敢行し、手持ちのデジタルビデオカメラによる撮影が、町の空気を生々しく伝えている。しかし、フィクションにしては無頓着な撮り方とか、味のない色調とか、いろいろ気になる点はあった。それでも、こうした作品はアジア各国で今後もどんどん増えていくはず。機動性とコストパフォーマンスに優れたデジタルカメラの登場が果たす役割は、とても大きなものになると思う。

 前述のカメラワークにしてもそうだが、なんとなく映画文法的に未熟な感はある。劇中、主人公の死んだ息子の幻影が時折現れるが、かえって視点がぶれるだけで、やや余計な気がした。題材や本筋のドラマはとても面白いだけに、気になる。


監督/ジェフリー・ジェトゥリアン
脚本/ラルストン・ホベール
撮影/ロベルト・イニケス
編集/ジェイ・ハリリ
美術/レオ・アバヤ
出演/ジーナ・パレーニョ、フォンス・デザ、ニコ・アントニオ、ラン・デル・ロサリオ
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