Simply Dead

映画の感想文。

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『証拠』(1991)

『証拠』
原題:Proof(1991)

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 フィルムセンターで開催中の「オーストラリア映画祭」で観てきました。『キルトに綴る愛』(1995)のジョスリン・ムアハウス監督の出世作で、主演は今やハリウッド俳優のヒューゴ・ウィーヴィングと、ラッセル・クロウ。佐和田敬司氏の書いた「オーストラリア映画史」を読んで以来、ずっと観たかった作品でしたが、期待以上に面白かったです。

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〈おはなし〉
 メルボルンの片隅。盲目の青年マーティン(ヒューゴ・ウィーヴィング)は、誰にも心を開かない、気むずかしい男。彼の習慣は、自分のカメラで写真を撮ることだ。決して自分で見ることはできないが、それがその場所に自分がいたことの“証拠”になるというのだ。

 ふとしたきっかけから、マーティンはレストラン従業員のアンディ(ラッセル・クロウ)と親しくなり、自分の撮った写真の説明を彼に求めるようになる。マーティンの世話をしている女性シリア(ジュヌヴィエーヴ・ピコ)がそれを知った時、彼女のとった行動とは……。

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 登場する三者それぞれのキャラクターがしっかり立っていて、とりわけ、マゾ的な内面性を持ちながらサディスティックに振る舞う女性、シリアのキャラクターが秀逸。女性監督ならではのクールかつ繊細なセンスを感じます。オーストラリア映画独特の神経症的ムードを小味に効かせた、知的でシンプルな語り口にも好感が持てました。

 若者たちの屈折した関係性のドラマですが、随所にユーモアが溢れており、全体にドライで風通しのいい印象。息苦しい密室劇に陥ったりはしません。特に、男2人で車を走らせている時にパトカーに追突してしまい、難を逃れようと「目が……目が見えない!」と言ってごまかすくだりは最高に可笑しいです。

 ヒューゴ・ウィーヴィングはひねくれ者の感じがいかにもハマってるし、ラッセル・クロウも気のいい青年役を好演。前述のシリアを演じたジュヌヴィエーヴ・ピコの妙演も強く印象に残ります。本作は1991年のAFI(オーストラリア・フィルム・インスティテュート)で、作品賞・監督賞・主演男優賞(ウィーヴィング)・助演男優賞(クロウ)・編集賞を受賞。

 ちなみに第2班監督を務めたポール・J・ホーガンは、監督の夫で、『ミュリエルの結婚』(1994)や『ベスト・フレンズ・ウェディング』(1997)などの監督としても知られてます。キャシー・ベイツ主演の『夢見る頃を過ぎても』(2002)では、夫妻で脚本を共著していました。


監督・脚本/ジョスリン・ムアハウス
撮影/マーティン・マッグラス
編集/ケン・サロウズ
音楽/ノット・ドラウニング・ウェイヴィング
出演/ヒューゴ・ウィーヴィング、ジュヌヴィエーヴ・ピコ、ラッセル・クロウ、ヘザー・ミッチェル
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