Simply Dead

映画の感想文。

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『ハーヴィ・クランペット』(2003)他

アダム・エリオット監督作品
『ハーヴィ・クランペット』他


 東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の「オーストラリア映画祭」で、クレイアニメ作家アダム・エリオットの諸作品群をまとめて観る機会に恵まれました。といっても、この日まで監督の映画は1本も観ておらず、さらにオーストラリア出身ということも知らなかったんですが……それを本気で後悔するほど、素晴らしかったです。

▼短編『兄』
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 1996?98年に作られた連作『おじさん』『いとこ』『兄』は、風変わりな親戚や家族の生きざまを、クレイアニメで描いた作品。フリーキーでユーモラスなキャラクターが登場し、語り手の客観的視点から、彼らの生活や奇行、その死までが淡々と綴られていきます。モノクローム調のくすんだ画面は、「記憶の映像化」と呼ぶべき質感。そして全ての作品には、故人への愛情、アウトサイダーへの強い共感が溢れています。

▼オスカー受賞作『ハーヴィ・クランペット』
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 アカデミー賞を獲得した『ハーヴィ・クランペット』(2003)は、ある一人のポーランド移民ハーヴィがおくる波乱に満ちた人生を、ユーモアたっぷりに描いた27分の作品。生まれつき脳に軽度の障害をもち、両親は凍死、戦禍を逃れるためオーストラリアに移り住み、地味な職を転々、天啓を受けてヌーディスト兼動物解放運動家になり、落雷を受けて磁石人間と化し、それが縁で看護婦と結婚……さらにさらに、という男の一代記がテンポ良く語られていきます(ナレーターはジェフリー・ラッシュ)。

 やはりキャラクターのとぼけた表情が素晴らしく、笑っちゃうような不幸も、小さな幸せも、常にビックリまなこで受け入れる主人公ハーヴィがとても魅力的です。ちょっと『ザ・シンプソンズ』のホーマーにも似てます。

 人生の過酷な部分に、おかしみや深みを見つけていこうとする作者の視線には、ある種の諦観と温かみが滲んでいて、誠実な感じがしました。人生を悲喜劇として捉える作家にとっては、大事なことです。

▼アダム・エリオット監督
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『ハーヴィー・クランペット』DVD

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