Simply Dead

映画の感想文。

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『パプリカ』(2006)

『パプリカ』(2006)

 試写で観てきました。ティント・ブラスの名作じゃなくて、今敏監督・筒井康隆原作の長編アニメの方です。

 肥大する狂気を扱っていながら、回収できる範囲内で物語が収まってしまうのは、これまでの今監督の作品と同じ。いわゆる分かりやすいレベルにとどまっています。作画もストーリーテリングも超ハイクオリティですが、とんでもない飛躍や破綻はありません。 やっぱり弾けないんですね、今回も……という印象。『東京ゴッドファーザーズ』(2003)や『妄想代理人』(2004)といった近年の快作群と比べると、若干パワーダウンの感もあります。

 とはいえ、初監督作『PERFECT BLUE』(1998)以来の、ひたすらタイトで完成度の高いサイコスリラーでまとめてきたかといえば、わりとサスペンス色はあっさりしていて、ディテールやオフビート感を愉しむ作品になってるのが意外でした。クールでスタイリッシュな作品を予想すると面食らうかも。

 後半になるとくだらないギャグも増えて、ぐんぐん回転数が上昇してくるのが素直に楽しいです。特に、悩める中年刑事が活躍し始める辺りからは一気呵成。「おっさんをなめるな!」という監督のシンパシーがこれまで以上に大爆発してます。ラブストーリーのスパイスも効いてました。

 大塚明夫が渋くておバカな刑事役を好演。過食症の天才科学者を演じる古谷徹の軽妙な味にも、忘れがたいものがあります。原作者と監督がそれぞれ演じるバーのマスター&ウェイターに至っては、もはやアニメを超越した存在感。しかも監督、筒井先生を差しおいて、いちばんイイ台詞を自分でかっさらってます。ホントずるい! 爆笑しました。

 しかし残念だったのは、日常が揺らぎ、現実と夢がいつの間にか取って代わられるスリルが感じられなかったこと。そして何より、あまりにエロが少なかったこと。夢の世界の話なんだから、もうちょっと……。

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『パプリカ』DVD
『パプリカ』デラックス・ボックスDVD(2枚組)


監督/今敏
原作/筒井康隆
脚本/水上清資、今敏
キャラクターデザイン・作画監督/安藤雅司
美術監督/池信孝
音楽/平沢進
音響監督/三間雅文
アニメーション制作/マッドハウス
声の出演/林原めぐみ、古谷徹、堀勝之祐、大塚明夫、江守徹、山寺宏一、田中秀幸

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