Simply Dead

映画の感想文。

『La Cabina』(1972)

『La Cabina』(1972)

〈おはなし〉
 ある日、団地の中庭に設置された電話ボックス。そこに、ひとりの中年男が閉じ込められてしまう。押しても引いても外に出られず、電話も通じない。やがて団地の人々が集まってきて、男は見世物状態に。屈強な男や警察官がドアをこじ開けようとするが、びくともしない。情けないやら恥ずかしいやらで、頭を抱える男。

 すると、電話ボックスを設置した作業員たちが再びやってきた。彼らは男ごとボックスを取り外すと、トラックの荷台に載せて何処かへと走り始める。今度は移動する晒し者と化した男。はたして彼らは自分をどこへ連れて行こうとしているのか?

 そんなとき、同じ電話ボックスを載せたトラックが近くを通り過ぎる。中には自分と似たような中年男がひとり……。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 スペインのTVで放映された34分の短編映画。電話ボックスに閉じ込められた男の悲劇を描いた、ちょっとシュールで、ペーソスに富んだスリラーコメディ。たまたまネットで見つけて観てみたら、拾い物でした。国際エミー賞のドラマ部門で賞を獲っているとか。

 閉じ込められた人物の声は聞こえないため、台詞はほとんどなし。だからスペイン語が分からなくても楽しめます。設定は絵に描いたような不条理劇ですが、乾いたコミカルさに溢れており、主人公から台詞を奪っているので、うざったい内省描写とも無縁。

 ちょっとアラン・アーキン似のホセ・ルイス・ロペス・ヴァスケスが、不運な主人公を好演してます。野次馬の晒し者にされる序盤は、ブラック・コメディの趣。箱詰めのおじさんが延々トラックで運ばれていく中盤は、サスペンスフルでありつつ、これでもかと言うくらい物悲しくて、メチャクチャおかしいです。

 気になるオチの付け方も見事。全く予想外の結末というわけではないけれど、スケール感がものすごい(笑)。『オーメン』みたいな音楽も効果絶大です。

 youtubeでも観れるみたい(こっちは英語字幕つき)↓
http://www.youtube.com/watch?v=eEfhNAufdcI


制作/テレヴィジョン・エスパニョーラ
原案・監督/アントニオ・メルチェロ
脚本/アントニオ・メルチェロ、ホセ・ルイス・ガルチ
撮影/フェデリコ・G・ララヤ
出演/ホセ・ルイス・ロペス・ヴァスケス

スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://simplydead.blog66.fc2.com/tb.php/64-1fc2ab70
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad