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Simply Dead

映画の感想文。

2022年に面白かったもの

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 2022年もいろいろありましたが、湯浅政明監督の『犬王』ではプレス、パンフ、完全生産限定版Blu-rayのブックレットと一年通して携わらせていただきました。特にパンフレットは好評で、なんと3刷まで達成。映画の力はもちろん、デザインを手がけた芥陽子さんのパワーがものすごく大きかったと思います(Blu-rayのブックレットもすごいので是非!)。年が明けても各地で『犬王』の上映は続くようで、長く愛される作品の端っこに関わることができて嬉しかったです。未完成バージョンも含めて何度も観ていますが、いちばん感動したのは12月13日に行われたファン待望の発声OK応援上映だったかもしれません。

 今年は「これを押さえとかなきゃ」みたいな発想が年末になってもなかったので、例年ほど新作を観た本数は少ないと思います(忙しかったり、単純にお金がなかったり)。夏の間は「日本昭和トンデモVHS大全」の作業で、ひたすらVHSで旧作を見まくっていたので、その楽しさをいまだに引きずってるところもあります。なので、みんなが観ているものを逆に観てなかったりしますが、とりあえず印象に残った2022年公開・放映・配信作品を思いつくまま挙げていくと以下のような感じです。「あれが入ってない!」と思われるものは、大体観てないやつです。なかには2021年以前に観たものもあります。

犬王
マッドゴッド
MEN 同じ顔の男たち
リコリス・ピザ
古見さんは、コミュ症です。《第2期》(TV)
平家物語(TV)
チェンソーマン(TV)
ぼっち・ざ・ろっく!(TV)
モブサイコ100 III(TV)
ハウス・オブ・グッチ
時代革命
さがす
なまず
恋愛の抜けたロマンス
ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(Netflix)
ハケンアニメ!
THE BATMAN-ザ・バットマン-
ベター・コール・ソウル《シーズン6》(Netflix)
異世界おじさん(TV)
エルヴィス
アネット
ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(Netflix)
TITANE/チタン
ポゼッサー
よふかしのうた(TV)
ケイコ 目を澄ませて
フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
七人樂隊
ピースメイカー(HBO Max)
シチリアを征服したクマ王国の物語
モガディシュ 脱出までの14日間
麻希のいる世界
無聲 The Silent Forest
ドント・ウォーリー・ダーリン
ゴーストバスターズ/アフターライフ
あたしゃ川尻こだまだよ ~デンジャラスライフハッカーのただれた生活~(TV)
マルケータ・ラザロヴァー
わたしは最悪。
ユンヒへ
ドライビング・バニー
ナイトメア・アリー
流浪の月
親愛なる同志たちへ
スティルウォーター
ウエスト・サイド・ストーリー
ひかり探して
奈落のマイホーム
ナルコの神(Netflix)
スプリガン(Netflix)
拾われた男(TV)
岡本太郎式特撮活劇 TAROMAN(TV)
ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ
ファイブ・デビルズ
四畳半タイムマシンブルース
人質 韓国トップスター誘拐事件
犯罪都市 THE ROUNDUP
女神の継承
ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男(TV)
殺人鬼との対談:ジョン・ウェイン・ゲイシーの場合(Netflix)
殺人鬼との対談:ジェフリー・ダーマーの場合(Netflix)
ベイビー・ブローカー
スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
炎のデス・ポリス
グリーン・ナイト
ガンパウダー・ミルクシェイク
ソー:ラブ&サンダー
三姉妹
ポプテピピック TVアニメーション作品第二シリーズ(TV)
その着せ替え人形は恋をする(TV)
夏へのトンネル、さよならの出口
サマータイムレンダ(TV)
潜水艦クルスクの生存者たち
1950 水門橋決戦
キャスティング・ディレクター ハリウッドの顔を変えた女性
とんでもカオス!:ウッドストック1999(Netflix)
ペプシよ、戦闘機はどこに?~景品キャンペーンと法廷バトル~(Netflix)
すずめの戸締まり
バズ・ライトイヤー

 『犬王』を除くと、いちばん感動したアニメーションは『古見さんは、コミュ症です。』第2期のエンディングかもしれません。演出は藤本航己。アニメーターとして近年『劇場版 呪術廻戦 0』『チェンソーマン』などでバッキバキに活躍されている方ですが、『古見さん』2期では演出家としての才能も強く感じました。

 作りとしては、主人公の古見さんと只野くんが通う高校の教室のようすを、定点カメラ映像のように見せる非常にシンプルなもの。春と冬、ふたつの季節で構成されていて、カット数としては2カットですが、大勢の登場人物が動き回る姿を同画面内で映し出すという、アニメーションとしてはかなり大変な内容です(しかも普通のモブシーンではなく、それぞれが個性とバックグラウンドをもつキャラクターとして動く)。作画はライブアクションを下敷きにしたロトスコープ風タッチで、それでいて作画枚数を抑えたリミテッドアニメ感があり、随所にデフォルメもきかせていて映像としても面白い仕上がりですが、何より良かったのは演出です。

 ふたつの季節でクラスメイトの関係性や人間性が大きく変化しているようすが、ちゃんと登場人物たちの個性をそれぞれ反映して描き込まれていて(しかも顔の表情を書略した動きだけで)、それまで古見さんたちのドラマを見守ってきたファンであればあるほど細部まで楽しく観られるように作られていることに、毎回じんわりと感動していました。個人的にちょっとしんどい時期に観ていたせいもあって、本当に生きる支えになっていた作品です。


▲『古見さんは、コミュ症です。』第2期エンディング、ノンテロップバージョン。FantasticYouth「小喋日和」に合わせてテロップが出るタイミングも芸術的かつ感動的なので、オンエア版のほうもぜひ観てほしいです。

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 で、来年以降の公開作、または公開に期待したい未公開作でオススメなのは、以下の作品群。こちらも順不同です。

別れる決心(2/17公開)
SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(1/13公開)
カンフースタントマン 龍虎武師(1/6公開)
非常宣言(1/6公開)
The Witch/魔女 -増殖-(5/26公開)
モリコーネ 映画が恋した音楽家(1/13公開)
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(3/3公開)
ワース 命の値段(2/23公開)
エッフェル塔 ~創造者の愛~(3/3公開)
オマージュ(3/10公開)
呪餐 悪魔の奴隷(2/17公開)
パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(1/20公開)
ノースマン 導かれし復讐者(1/20公開)
VORTEX
Muru
Crimes of the Future
Leila's Brothers
Dream Palace
Peafowl
The Kingdom Exodus
神探大戦
消えゆく燈火

 行ってよかった!と思った映画館は、長野県の伊那旭座、京都府の舞鶴八千代館、いまごろ初めて行った柏のキネマ旬報シアター。3年ぶりに釜山国際映画祭に参加できたのも嬉しかったです。買ってよかったと思ったソフトは、ラフカット版も収録した『光る女』ニューマスター修復版Blu-ray、ようやくソフト化された『にっぽん三銃士 おさらば東京の巻』『にっぽん三銃士 博多帯しめ一本どっこの巻』DVD、またこんな新鮮な気持ちで観られるとは思わなかった高画質が眩しい『サンゲリア』4Kレストア版Blu-rayなど。本では関川夏央と色川武大のエッセイをひたすら読んでいたのと、友人たちの単著デビュー作『必殺シリーズ秘史 50年目の告白録』『読むと元気が出るスターの名言 ハリウッドスーパースター列伝』などが面白かったです。『チェンソーマン』『古見さん』の原作で火が点いて、マンガを読む量も増えました。

 最後に。映画ファンにとっては悲しいニュースが多かった年でもありましたが、マイク・ホッジス監督逝去(1932-2022)の報はひときわこたえました。このブログも元々はホッジス監督のファンサイトから派生したもので、いまでも世界一かっこいい映画監督だと思っています。少し先になりそうですが、本サイトの記事も更新しようと思います。それも含めて、2023年も何かしらやっていきたいと思ってますので、よろしくお願いします。
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