原題:Derailed(2005)

傑作『ルール・オブ・デス』や『ブラザー・ハート』でおなじみ、クライヴ・オーウェン主演のハリウッド製スリラー。劇場未公開も納得の凡作ですが、オーウェンのファンなので一応。
『ルール・オブ・デス』で騙される男を死ぬほどかっこよく演じたのとは対照的に、今回の役柄はどこまでも普通の男。でも、その異様な眼力は相変わらず。行動を起こしていく後半、凶暴性が垣間見えてくるあたり、やっぱりよかったです。
にしても、先がバレバレの展開はまァいいとして、男を破滅に導くヒロイン役が『フレンズ』のジェニファー・アニストンってのは……もう予想を全く裏切らない、完璧なミスキャスト。何をやってもコミカルにしかならず、「逆にリアル」とかでもないです、残念ながら。ちょっとノワールっぽい照明を当てられても、ほとんどギャグにしか見えません。相手役のオーウェンの方が百倍くらい魔性を放ってます。『グッド・ガール』(2002)とか『リストラマン』(1998)の彼女が素晴らしかったのは、シリアスに演じれば演じるほど笑えたからであって、こういう役はホントに向かない。
主人公の勤める会社でメールマンをしている前科持ちの気のいい男を、なぜかウータン・クランのRZAが演じていて、出演者の誰よりも巧みな芝居を披露。貫禄だなぁと思いました。で、美人局のチンピラを演ってるのがヴァンサン・カッセル。これ『バースデイ・ガール』(2002)と同じキャラじゃ……? その相棒役はこれまたラッパーのXzibit。
監督は『Ondskan(aka. Evil)』(2003)がアカデミー外国語映画賞にノミネートされた、スウェーデン出身のミカエル・ハフストーム。完全な雇われ仕事。エドワード・シェアマーの音楽がまた素晴らしくダサくて、興を殺ぎます。
監督/ミカエル・ハフストーム
製作総指揮/ジョナサン・ゴードン、ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン
原作/ジェームズ・シーゲル
脚本/スチュアート・ビーティ
撮影/ピーター・ビジウ
編集/ピーター・ボイル
音楽/エドワード・シェアマー
出演/クライヴ・オーウェン、ジェニファー・アニストン、ヴァンサン・カッセル、メリッサ・ジョージ、RZA、ジャンカルロ・エスポジート、トム・コンティ

