原題:jarhead(2005)

湾岸戦争に出征したものの、一度たりとも敵兵を倒すことなく帰還した海兵隊員の“退屈な”従軍経験を描いたアメリカ映画。砂漠のド真ん中で生ぬるい日々を過ごす現代っ子たちの焦燥と狂気を映し出そうとしたわりには、掘り下げ不足というか、リアリティの追求にしてもカリカチュアライズにしても、どっちつかずに終わった印象。アンチクライマックスな物語なら、もっとヴィヴィッドに「気分」を描くやり方もあったと思うんですけど……。同じ監督のデビュー作『アメリカン・ビューティ』(2005)並の軽さしかなく、観客サービスに足を取られた感じ。いいところもあるんですが。
などと思いながらDVDの特典映像を観たら、ほとんどが本編に残した方が良かった削除フッテージの山。特に主人公の妄想シーンを切ったのが残念。ありがちになろうとなんだろうと、現実を見失う主人公の主観を入れるだけで、印象はかなり変わったはずなのに。編集段階で方向性を変えた映画は、やっぱり半端な仕上がりにしかならないんだなあ、と思いました。
主演のジェイク・ギレンホールは相変わらずの好演。相棒役のピーター・サースガードは、しどころのない役柄のせいでやや冴えませんが、本来は素晴らしい役者です。コーエン兄弟作品でおなじみの撮影監督ロジャー・ディーキンスによる美しい映像は、一見の価値あり。
監督/サム・メンデス
原作/アンソニー・スウォフォード
脚本/ウィリアム・D・ブロイルズ・Jr.
撮影/ロジャー・ディーキンス
プロダクションデザイン/デニス・ガスナー
編集/ウォルター・マーチ
音楽/トーマス・ニューマン
音楽スーパーバイザー/ランドル・ポスター
出演/ジェイク・ギレンホール、ピーター・サースガード、ジェイミー・フォックス、ルーカス・ブラック、クリス・クーパー
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