原題:American Friends(1991)
▼イギリス版VHS

『空飛ぶモンティ・パイソン』メンバーの中で、みんなから「いちばんイイ奴」と認められているマイケル・ペリンが、原作・脚本・主演を務めた作品。思わずパイソン的なコメディを想像してしまいますが、いたってオーソドックスなラブストーリーです。
日本ではデラ・コーポレーション配給でひっそり公開されたきり、ビデオもDVDも出てません。こないだ米盤の中古LDを発見して、ようやく観ることができました。英語力に乏しいので、イギリス英語独特の言い回しとかニュアンスの全ては理解できませんでしたが、ドラマの内容自体はシンプルで、面白かったです。
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〈おはなし〉
1864年の夏。オックスフォード大学の教授で副学長のアシュビー(マイケル・ペリン)は、休暇で訪れたスイスのアルプスで、アメリカからヨーロッパ旅行に来ていた17歳の少女エレノア(トリニ・アルヴァラード)と、その後見人のハートレイ夫人(コニー・ブース)に出会う。
大学内の決まりで独身を通してきたアシュビーだったが、若く美しく積極的なエレノアに惹かれ、エレノアもまた同じ想いを彼に抱いていた。村での祭の夜、ふたりはくちづけを交わす。しかし翌日の朝、学長危篤の報せを受け、アシュビーは急遽イギリスへ帰ることに。
スイスでは何もなかった、と自分に言い聞かせるアシュビー。次期学長選に備えて、色恋にうつつを抜かしている場合ではなかった。が、しばらくして、大学にエレノアとハートレイ夫人が訪ねてきた。動揺からエレノアを避け、ハートレイ夫人の方に視線を逃すアシュビー。そんな態度にエレノアは傷付き、さらにハートレイ夫人にもあらぬ誤解を与えてしまう。
学長選のライバルである若き教授サイム(アルフレッド・モリーナ)は、突然の来訪者であるエレノアたちに興味を持ち、自分の隠れ家である屋敷を宿として提供する。サイムに誘惑されたエレノアは、衝動的に身を任せてしまうが……。
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▼アメリカ版VHS

世間知らずの中年大学教授が、異国で出会った美少女と恋に落ちる……などというインテリオヤジの夢想を、自分の脚本・主演で映画にするなんて一体どういう神経?と思ってたら、実はペリンの曾祖父である元オックスフォード大教授、エドワード・ペリンの実話(結婚話)を元にしているんだそうです。そんなこととは露知らず観てたもので、映画のラストで「実話です」という字幕が出た瞬間、びっくりして泣いてしまいました。それにしてもなー、とは思いますが、マイケル・ペリンの人柄が許させてしまうところはあります。ジョルジュ・ドルリューの美しい音楽も効果大。
でも一番の功労者は、ヒロインを演じるトリニ・アルヴァラード。もうホント可愛くて、見ているだけで幸せ。いまいち伸びなかった女優さんですが、こういうちょっとした佳作にちょいちょい出ていて、印象に残ってます。『さまよう魂たち』(1996)とか、『タイムズスクエア』(1980)とか。

その保護者であるハートレイ夫人を演じたのは、『モンティ・パイソン』出演者の1人でもあるコニー・ブース。ジョン・クリースの元奥さんで、傑作シットコム『フォルティ・タワーズ』(1975〜1979)の脚本家兼レギュラーキャストも務めた才人。現在はイギリスで心理療法士をやっているとか。この映画では、主人公に惹かれながらも敢えて身を引く女性を、上品さと気丈さを漂わせながら見事に演じています。20年来の付き合いである彼女を、すごくいい役でキャスティングするペリンの心意気も感動的。
その他、『スパイダーマン2』(2005)のアルフレッド・モリーナ、『狙撃者』(1971)のアラン・アームストロング(どこにでも出てきますね、この人)、『Dandelion Dead』(1992)のロジャー・ロイド・パックなど、芸達者たちが脇を固めています。
なんていうことのない、つつましい映画ですが、たまにはこういう作品で和むのもいいと思います。ジョン・クリースとコニー・ブース共演の短編映画『Romance with a Double Bass』(1974)も、同じく和み系の佳作。機会があればぜひ。
製作/パトリック・カサヴェッティ、スティーヴ・アボット
監督/トリストラム・パウエル
原作/マイケル・ペリン
脚本/マイケル・ペリン、トリストラム・パウエル
撮影/フィリップ・ボナム=カーター
音楽/ジョルジュ・ドルリュー
出演/マイケル・ペリン、トリニ・アルヴァラード、コニー・ブース、アルフレッド・モリーナ、アラン・アームストロング、デヴィッド・コールダー、サイモン・ジョーンズ、ロバート・エディソン
▼日本公開時のチラシ


