Simply Dead

映画の感想文。

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『ザ・アンタッチャブル/暗黒街のハスラー』(1968)

『ザ・アンタッチャブル/暗黒街のハスラー』
原題:The Big Switch
別題:Strip Poker(1968)

bigswitch.jpg

 70年代英国エクスプロイテーション映画界において、『House of Whipcord』や『Frightmare』(共に1974)といった異様な怪作群を残した異才、ピート・ウォーカー監督によるギャングスリラー映画。かのマウントライト社が買い付け、日本でも昔ソニーからビデオが出てました。

 24時間でシナリオを書き、1週間で撮影したという低予算映画。ウォーカーの初期の映画は本当につまんないんですけど、これは比較的マシな方です。

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〈おはなし〉
 ロンドン。広告会社に勤め、スポーツカーを乗り回す伊達男ジョン・カーター(セバスチャン・ブレイクス)は、ある夜クラブで魅力的な女サマンサ(エリカ・ラファエル)と出会い、彼女のアパートに行く。が、近くへ煙草を買いに出た間、彼女はバスルームで何者かに殺されていた。面倒を避けるため、逃げるカーター。

 その翌日、彼は会社をクビになる。家に帰ればギャングの一団が勝手に上がりこみ、ストリップ・ポーカーに興じていた。カーターは身に覚えのない借金の返済を迫られ、袋叩きにされてしまう。

 女友達に誘われ、自棄な気分でクラブに赴いたカーターは、そこで店のマネージャー(デレク・エイルワード)から奇妙な仕事を依頼される。元モデルだったという女カレン(ヴァージニア・ウェザレル)と一緒に、ブライトンにいる男を訪ねてくれというのだ。金も入るし、しばらく町からも姿を消せる。どう考えても仕組まれた成り行きだった。

 ブライトンに着いたカーターとカレンは、いきなり軟禁され、無理やり顔写真を撮られる。その頃、国外逃亡したギャングが町に帰ってくるという情報が。はたして彼らの目的は……?
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 お話も演出もまったく陳腐な作品ですが、編集と音楽でがんばって見せています。少なくとも同時期の『結婚詐欺防止法教えます/中年ハイスクールPART1(原題:School for Sex)』(1969)なんかよりは普通に面白い。ただし、あんまりテンポよく切ってしまうと映画が45分くらいになってしまうので、長いところは本当に長いです。車が道路に出て行くところのモタモタした段取りを、無理やり音楽で盛り上げてたりするんで笑います。

 クライマックスは雪のそぼ降るブライトンビーチ(ウォーカー監督の故郷)での銃撃戦。これがね……なんか素敵なんです。ロングショットの寂しい感じとか、さびれた遊園地での鬼ごっことか。銃を撃ったギャングが凍った地面で普通にすっ転んだりして、アクション的にも新鮮な感じ(だいぶ贔屓目に見てますけど)。エンディングは、警察に逮捕されたギャングたちがボードウォークを歩いていくカットで終わるんですが、全員転ばないようにソロソロ歩きになってて(笑)、かなりキュート。

 日本版ビデオはイギリスで公開された68分のバージョン。アメリカではさらに暴力シーンやヌードのフッテージを13分ほど追加した『Strip Poker』という改題バージョンが公開されたそうです。主人公が借金取りに来たギャングたち(ポーカーで裸に剥かれていたお姉ちゃん含む)に、タバコの火を押し付けられるという場面は『Strip Poker』だけにある場面で、スチルも残ってます。ウォーカー本人は「オゲレツで、暴力的で、セクシーで、まったく何の意味も為さないシーンだ」と言ってますが。

 ヒロインを演じたヴァージニア・ウェザレルは、『時計じかけのオレンジ』(1971)で主人公アレックスの“更正治療”の成果を示すため、ステージに現れるトップレスの女性を演じていた女優。ほとんど「おっぱい役」みたいな印象でしたが。ウォーカーが次に手がけた犯罪スリラー『バイオレンス・マン』(1970)にも引き続き出演。後のインタビューでは「ピートは本当に愛すべき人物よ。『ザ・アンタッチャブル?』の撮影はすごく低予算で、とっても楽しかった。彼がいま映画を撮れないのは本当に残念ね」と語っています。

 メインサイト「dead simple」にも書きましたが、70年頃、映画プロデューサーのマイケル・クリンガーが道で知人のウォーカーとばったり出くわし、出来上がったばかりの『バイオレンス・マン』の試写を一緒に見て、「こりゃひでえ代物だな」と歯に衣着せず斬り捨てながら、今度作るギャング映画の参考のために『ザ・アンタッチャブル?』のプリントを借りていった、というイイ話が残ってます。そして翌年、『狙撃者』(1971)が公開。ウォーカーは『ザ・アンタッチャブル?』の主人公と、『狙撃者』の主人公(ジャック・カーター)の名前が実は同じなんだよねー、と後で言ったりしてますが、ただの偶然だと思います。


製作・監督・脚本/ピート・ウォーカー
撮影/ブライアン・トゥファーノ
演出監修・編集補佐/ピーター・オーステン・ハント
編集/ネハマ・ミルナー
音楽/ハリー・サウス
出演/セバスチャン・ブレイクス、ヴァージニア・ウェザレル、ジャック・アレン、デレク・エイルワード、エリカ・ラファエル、ダグラス・ブラックウェル

・Amazon.co.jp
本『Making Mischief: The Cult Films of Pete Walker』(洋書)
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