Simply Dead

映画の感想文。

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『ディセント』(2005)

『ディセント』
原題:The Descent(2005)

2006_descent.jpg

 とっても面白かった。ホラー映画ファン必見の快作と断言していい。監督はこれが2作目となるイギリスの俊英、ニール・マーシャル。前作『ドッグ・ソルジャー』(2002)もなかなかの佳作だったけれど、『ディセント』はそれをさらに上回る完成度。同じパテ・ディストリビューション提供の『0:34』(2004)と並んで、いやそれ以上に、イギリス製ホラーのクオリティアップを感じさせる作品。

 冒険好きの女性グループ6人が、前人未踏の洞窟内に迷い込み、未曾有の恐怖にさらされる。暗闇・閉所といった視覚表現の難しい恐怖を、シネマスコープの大画面で巧みに描ききった演出がまず見事。あんまり暗い画面が続くと、客としてはついつい眠くなってしまうものだけど、本作ではわずかなライティングを巧みに使い、緊張感を途切れさせることなく、画面への集中力を維持させる。闇を味方につけているとでもいうか、ちょっと並はずれた上手さだ。後半における極限状況の血みどろシーンでは、軽いユーモアまでかましてみせる。

 主人公サラは夫と娘を失い、人生に絶望した女性。そんな彼女がいかにして生への執着に目覚め、恐怖との戦いに転ずるか? シチュエーションに頼らず、ドラマとしても非常に面白く出来ているのが本作の魅力。薄っぺらい集団劇になりがちなホラー映画に、女性だけしか登場させないことで、深みのあるドラマ性が加味されている。それでいてドロドロした嫌みがないのは、やはり監督の素質だろう。微妙な緊張感を孕んだ人間関係をシンプルに見せていく語り口はとても秀逸だ。沈痛なプロローグからは想像もできない、アクション派マーシャルの面目躍如といった壮絶なクライマックスも、女同士の因縁のドラマと密接に結びついた見せ場である点が素晴らしい。

mendoza.jpg

 6人のリーダー的存在であり、惨事の元凶である冒険家ジュノのキャラクター造形が見事。演じるナタリー・メンドーサ(上写真)は、ルーシー・リューとアシュレイ・ジャッドを足して割ったようなエキゾティックな顔立ちの美人(あと一歩でアンジェリーナ・ジョリー)で、ぴったり役にはまっていた。キャスティング全体にも味があって素晴らしく、画一的な顔選びしかできないハリウッドではこうはいかないだろう。

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killingtime.jpg

 あと、初めて知ったんですけど、この監督って『キリング・タイム』(1996)の脚本にも参加してたんですね。ジャック・オディアールが脚本を書いた1987年のフランス映画じゃなくて、バハラット・ナルーリ監督のイギリス映画の方。イタリアから北イングランドにやってきた女殺し屋が、言葉の全く通じない見知らぬ土地で、標的が現れるまで「暇をつぶす(=Killing Time)」緊迫の数時間をクールに描いた快作。

 なんかまた観たくなってきたので、こんど書きます。


監督・脚本/ニール・マーシャル
撮影/サム・マッカーディ
編集/ジョン・ハリス
音楽/デヴィッド・ジュリアン
出演/シャウナ・マクドナルド、ナタリー・メンドーサ、アレックス・リード、サスキア・マルダー、マイアンナ・バリング、ノラ=ジェーン・ヌーン

・Amazon.co.jp
『ディセント』DVD
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ディセント

《ディセント》 2005年 イギリス映画 - 原題 - THE DESCENT

  • 2006/08/16(水) 21:31:02 |
  • Diarydiary!

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