Simply Dead

映画の感想文。

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『Mr.ボディガード/学園生活は命がけ!』(2008)

『Mr.ボディガード/学園生活は命がけ!』
原題:Drillbit Taylor(2008)

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 高校入学直後からイジメの標的にされてしまった冴えない少年3人組が、ボディガードを雇ってイジメっ子をやっつけようとする。が、応募してきたのは自称元特殊部隊のボンクラ宿無し青年、ドリルビット・テイラーだった……。一時期のジョージ・ルーカス並みにプロデュース作を次々送り出している“アメリカン・コメディの旗手”ジャド・アパトウ製作による1本。原案・脚本は『スーパーバッド/童貞ウォーズ』(2007)のセス・ローゲンと、アニメ『ビーバス&バットヘッド』のシナリオなどを手がけたクリストファー・ブラウン。監督は『リトル・ニッキー』(2000)のスティーヴン・ブリルが務めた。

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 子どもたちに適当なケンカ指南をするうち、自身も少しずつ人間的に成長していくヘタレ主人公ドリルビットを、オーウェン・ウィルソンが好演。子ども相手に対等の目線で大真面目に議論できる稀有な少年性(大人げないとも言う)を持った俳優といえば、現在ハリウッドで彼に右に出る者はいないだろう。まあ、ファンとしてはどうしても「自殺未遂直前に撮影された1本」というイメージで観てしまう作品だけど。

 映画自体は正直、可もなく不可もなくという仕上がり。セス・ローゲンとアパトウという絶好調コンビにしては若干ハジケ足りない印象だし、オーウェンの芝居にもいつものヤンチャな元気がない気がする。まあ、これまでオーウェンが純粋に役者として出演したコメディ(製作に直接関わっていないもの)の中では、かなり上出来の部類だと思うけど。盟友ウェス・アンダーソンの監督作、または本人のプロデュース以外で、彼のよさを的確に活かした珍しい作品ではある(『カーズ』は別格)。

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 実質的な主人公である少年コンビがとてもいいので、そこでもかなり助けられている。ヤセっぽちとデブという分かりやすいカップリングのうち、前者担当のウェイド役=ネイト・ハートリーは、『ファンタズム』(1979)のマイケル・ボールドウィンと小栗旬を足して割ってヒョロッとさせたような美男子。後者担当のライアン役=トロイ・ジェンテイルはずいぶん芝居慣れした感じで、即興ラップ対決の場面も難なくこなす芸達者。あとで調べたら『ナチョ・リブレ/覆面の神様』と『テネイシャスD/運命のピックをさがせ!』(共に2006)でジャック・ブラックの少年時代を立て続けに演じた子だった。

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 個人的には、キャスティング面での驚きがいっぱいあって、それだけで飽きずに観られた。まず、端正な顔立ちのイジメっ子フィルキンスを演じているのが、アレックス・フロスト。『エレファント』(2003)では銃撃犯、そして『The Lost』(2005)では狂った不良の腰巾着を演じていた彼が、こんなファミリー向けのメジャー作品でけっこう凶暴な芝居を披露していることに、ちょっと感動を覚えた。同時に、コメディ映画のベタな憎まれ役をきっちりプロとして演じている姿にも、妙な安心感を抱いてしまった。

 そして、イジメられっ子トリオの中でいちばんバカでお調子者のちびっ子エミット役を演じるのは、デイヴィッド・ドーフマン。ハリウッド・リメイク版『ザ・リング』シリーズのエイダン君である。見た目には成長したんだかしてないんだか微妙な感じだが、こんな吹っ切れたバカ演技もできるようになったんだ! と、ミュージックビデオに合わせてグニョグニョ踊る姿を見ながら思わず感慨に耽ってしまった。

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 他にも、『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(2008)の爆破係ダニー・マクブライドが主人公のホームレス仲間を怪演していたり、マイク・ジャッジ作品の常連スティーヴン・ルートが校長先生の役で出ていたり、オーウェンとは出世作『アンソニーのハッピー・モーテル』(1996)でも共演したロバート・マスグレイヴがものすごい風貌でチラリと出演していたりする。主人公ウェイドが恋するアジア系メガネっ娘、ヴァレリー・ティアンの美少女ぶりにも注目。

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 こぢんまりとはしているが、秀作『スーパーバッド』に通じる成長ドラマとしての真摯な作り、あくまで少年たちのストーリーに寄り添って余計な脱線をあまりしない演出には好感が持てた。その辺は『飛べないアヒル』シリーズの脚本・監督で頭角を現したブリルの資質が上手く作用している気がする。少なくともアダム・マッケイの監督作みたいに、DVDの特典映像みたいな単発ギャグを羅列するだけの凡作にはなっていない(マッケイの『俺たちステップブラザーズ ─義兄弟─』は最初すごく期待したんだけど、途中からいつもどおりだった……)。

 惜しむらくは日本でリリースされたDVDが、110分の無審査ノーカット版ではないということ(日本版DVDの本編は102分)。ちょっとヌルい印象があるのはそのせいかもしれない。ちなみにオーウェンの正真正銘の復帰作『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』(2008)は3月末に日本でも劇場公開。

・Amazon.co.jp
DVD『Mr.ボディガード/学園生活は命がけ!』


製作/ジャド・アパトウ、スーザン・アーノルド、ドナ・アーコフ・ロス
監督/スティーヴン・ブリル
原案/エドモンド・ダンテス、セス・ローゲン、クリストファー・ブラウン
脚本/セス・ローゲン、クリストファー・ブラウン
撮影/フレッド・マーフィー
音楽/クリストフ・ベック
出演/オーウェン・ウィルソン、ネイト・ハートリー、トロイ・ジェンテイル、デイヴィッド・ドーフマン、アレックス・フロスト、ジョシュ・ペック、ヴァレリー・ティアン、レスリー・マン、ダニー・マクブライド、スティーヴン・ルート、エレン・シュワルツ、メアリー・パット・グリーソン、チャック・リデル

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