Simply Dead

映画の感想文。

『Doomsday』(2008)

『Doomsday』(2008)

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 呆れた。観る前から評判は聞いていたけど、もう本当にただ『ニューヨーク1997』と『マッドマックス2』(共に1981)の合体を女主人公でやってみたかっただけ、としか言いようのない映画だった。マジで、他の形容がなんにも思いつかない。これぞ中学生の妄想映画の決定版! と太鼓判を押したくなるほど、なんの新しさもヒネリもない映画である(オープニング・タイトルの字体までカーペンター調)。まあ、元ネタの2本を観てない新しい世代の観客にとってはメチャメチャ楽しいのかもしれないけど、オレ観ちゃってるしなあ……と、ひとつも胸ときめかないまま画面を見つめるだけに終わり、まるで何かに敗北した気分であった。

 ニール・マーシャル監督は前作『ディセント』(2005)でなかなか腰の据わった、粘りのある演出家に化けたな、と思っていたのだけど、今作では『ドッグ・ソルジャーズ』(2002)の頃に戻ってしまったか、あるいはそれよりさらに青くさくなってるかもしれない。カット割りがいちいち細かすぎて、演出もスピーディーなのは結構だが一本調子なのでグングン飽きてくる。つい観ながら「カーペンター先生ならもっと粘るゼ」などと思ってしまう。そのあたりの“今風な作り”が、オタク全開の内容のわりには琴線に響かない原因というか、心ないリメイク作品のような印象を与えてしまうのだろうか。そのくせ登場人物も映像も、全然かっこいいと思えないし。かなり大きな予算もかけられているだろうが、やってることは焼き直しでしかない。しかも低予算をアイディアでカバーした名作群の。

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 いや、でもきっと大半のB級映画ファンは、この作品を好意的に迎えるだろう。その心意気とパワーを買って。僕はいつも細かいことを気にしがちだから、たまたま受けつけなかっただけだ。今にして思えば、思考が麻痺してくる後半からはそれなりに楽しめるし、クライマックスのカーチェイスもなかなかの迫力である。ちょっと憎めない作品のような気もしてきた。

 でもやっぱり、オクラ入りしても全然困らない映画だよな、とは思う。

・DVD Fantasium
DVD『Doomsday』劇場公開版&アンレイテッド版(米国盤・リージョン1)

監督・脚本/ニール・マーシャル
撮影/サム・マカーディ
プロダクションデザイン/サイモン・ボウルズ
編集/アンドリュー・マクリッチー、ニール・マーシャル
音楽/タイラー・ベイツ
出演/ローナ・ミトラ、クレイグ・コンウェイ、ボブ・ホスキンス、デイヴィッド・オハラ、エイドリアン・レスター、ショーン・パートウィー、リー・アンヌ・リーベンバーグ、ノラ・ジェーン・ヌーン、マルコム・マクダウェル
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