Simply Dead

映画の感想文。

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『ドカベン』(1977)

『ドカベン』(1977)

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 金沢21世紀美術館で開催された「映画の極意Vol.5 ~鈴木則文 エンタテインメントの極意~」に行ってきました。時間の都合で3本しか観れませんでしたが、毎回お客さんがみっちり入っていて素晴らしかったです。金沢の映画ファンは意識が高いのかなー。そして、ゲストで来場されていた鈴木監督ご本人が、全ての上映作品を観客と一緒にご覧になっていたのが感動的でした。

 それぞれ異彩を放つ傑作揃いのラインナップに、満場の観客がハートを撃ち抜かれていましたが、中でも反応が大きかったのがこの実写版『ドカベン』。会場中を衝撃と爆笑の渦に叩き込んでいました。

 主人公ドカベンが本屋の看板から飛び出してくるオープニングからしてすでに感涙ものですが、本編はそれ以上にテンション高く、実写の限界どころか原作マンガさえも逸脱した異空間が繰り広げられます。マンガならではの表現も特撮で果敢にチャレンジ。画面にオプチカル合成がかかる瞬間、これほどワクワクする映画が他にあったでしょうか?(明らかにフィルムの色調が変わるので、何かと思ったらロケットの発射カウントが出て、川谷拓三が窓からブン投げられて空を飛んだりします)

 鈴木作品と言えば、ヒロインへの思い入れ。基本的には男の子たちのドラマである『ドカベン』でも、女の子はみんな可愛く撮られています。夏子はんを演じるマッハ文朱のキュートさは特筆もの。そして、きわめて健全な妹萌え!

 イイ顔すぎる主役3人の初々しさからも目が離せません。みんな全国公募で選ばれたそうですが、中でも岩鬼役の高品正広が素晴らしい! ドカベンを演じる橋本三智弘も、何とも愛らしい素朴さを漂わせています(永島敏行の初演技はこの際不問に……でも、いい味だしてるのは間違いないです)。ここで見逃してはいけないのが、素人にもきっちり「身体で」演技させていること。台詞の言い回しよりも、やはりフォームなのです。ダンス的というか。

 圧巻はラスト。盛り上がり方がハンパないです。酔いどれ徳川監督役で、いきなり原作者の水島新司が登場し、全盛期の神代辰巳を彷彿とさせるルックスで観客ドン引き! そしてグラウンドに乗り込むやいなや、怒濤の勢いでノックを打ち込む水島先生の姿はまさに鬼! そんな鬼ノックを容赦なく食らいながら、素人野球部員たちがだんだん本物のフォームを獲得していく様を、たった1シークェンスの短いカットの積み重ねで見せてしまうのです。そこに実際の高校野球の記録映像がカットバックされ、ドラマティックな感動をもたらします。まだ練習してるだけなのに! これこそ映画史に残る名モンタージュ!

 今回初めてフィルムで観て、「やれることは全てやりきっている」という充足感を、さらに強く感じました。監督曰く、

「東映東京には巨匠がたくさんいて、こっちはお子様ランチ作ってるとか言われないよう、頑張って作ったよ」

 ……グッときました。

・Amazon.co.jp
『ドカベン』DVD


監督/鈴木則文
原作/水島新司
脚本/掛札昌裕
撮影/出先哲也
美術/藤田博
編集/田中修
音楽/菊池俊輔
出演: 橋本三智弘、高品正広、永島敏行、マッハ文朱、山本由香利、渡辺麻由美、吉田義夫、中村俊男、川谷拓三、小松方正、水島新司

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コメント

永島敏行と橋本三智弘の棒読み台詞合戦最高でしたね。
あの礼儀正しい山田太郎少年は自分への戒めになりました!

  • 2006/07/20(木) 16:40:03 |
  • URL |
  • c0cky #-
  • [ 編集]

どうも! 金沢ではお世話になりました!
永島敏行の台詞は、抑揚がどこに行くのか非常にスリリングですよね。山田少年は、あの朴訥とした表情でチームメイトに硬球ボコスカ当てていく厳しさがステキでした(笑)。

  • 2006/07/20(木) 17:52:31 |
  • URL |
  • グランバダ #-
  • [ 編集]

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