Simply Dead

映画の感想文。

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『跟蹤』(2007)

『跟蹤』(2007)
英語題:Eye in the Sky

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 ジョニー・トー監督の『鎗火』(1999)、『PTU』(2003)などで脚本を手がけてきたヤウ・ナイホイの長編監督デビュー作。一般市民に紛れて容疑者を追跡・監視する覆面捜査チームを題材にした、『PTU』の系譜に連なるリアル系刑事ドラマの佳作だ。ジョニー・トーは製作を担当し、キャストも『エレクション』(2005)のサイモン・ヤムとレオン・カーファイを始め、トー作品の常連俳優が多数参加している。

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 主人公はケイト・ツイ演じる新人女性捜査官。彼女の教育係となるチームリーダーを、サイモン・ヤムがボテッ腹の冴えない中年オヤジというルックスで好演。誰にも正体を悟られることなく、追尾対象と周囲の状況をくまなく観察する「空の眼」であれ、というポリシーを持つ影の捜査員たちが、レオン・カーファイ率いる窃盗団をじりじりと追い詰めていく。映画はその過程をスリリングに描きながら、ユーモラスな人情ドラマの要素も盛り込み、ヒロインの成長と挫折も映し出していく。

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 『PTU』のように殺伐としたリアリズム一辺倒の内容ではないので、一般的な娯楽作として安心して観られる、マイルドな仕上がり。ごく今風のストレートな演出はそつがなさすぎて物足りなくもあるが、決して悪くはない。あくまで佳作として観れば、役者のアンサンブルだけで十分に楽しめる。ただ個人的には、『24 -twenty four-』の影響まるだしのカメラワークとか、話に絡まない無意味な監視カメラ風の画面効果とか、イラッとする部分も少なくなかった。こんな時、トーの叔父貴なら……とつい考えてしまう、素人っぽさの目立つ映画ではある。

 しかし、みんなのお父さん的な風情でベテラン覆面捜査官を演じるサイモン・ヤムは実にいい。ケイト・ツイの瑞々しい熱演にも注目。レオン・カーファイも『エレクション』ほど強烈なインパクトは与えないが、静かな怖さがよかった。

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 本作の主人公たちはひたすら隠密行動に徹するばかりなので、派手な追っかけを繰り広げたり、逮捕の瞬間に立ち会うこともない。そのあたりの地味なリアリティが面白かった。

※追記:2009年1月31日より、『天使の眼、野獣の街』のタイトルで、シネマライズにて公開決定。

・Amazon.co.jp
DVD『天使の眼、野獣の街』
製作/ジョニー・トー、ツイ・シウミン
監督/ヤウ・ナイホイ
脚本/ヤウ・ナイホイ、オー・キンイー
撮影/チョン・タンリョン
編集/デイヴィッド・リチャードソン
出演/サイモン・ヤム、ケイト・ツイ、レオン・カーファイ、ラム・シュ、マギー・シウ、チュン・シウファイ
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