Simply Dead

映画の感想文。

『爆走!』(1972)

『爆走!』
原題:Fear is The Key(1972)

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 ミステリ小説の映像化を得意とするプロデューサーのエリオット・カストナーが、人気作家アリステア・マクリーンの『恐怖の関門』を映画化したB級アクションスリラー。監督はカストナーと『ロンドン大捜査線』(1971)で組んだマイケル・タックナーで、演出はいたって平板。ロバート・キャリントンの脚色も凡庸。

 主演は『バニシング・ポイント』(1971)のバリー・ニューマンと、絶叫顔がよく似合う『影なき淫獣』(1973)のスージー・ケンドール。 敵役は『殺しの分け前/ポイント・ブランク』(1967)のジョン・ヴァーノン。若き日のベン・キングズレーがその配下を演じている(声が高い)。『悪魔のシスター』(1973)で刑事役を演じたドルフ・スウィートが賞金稼ぎを好演。音楽は『狙撃者』(1971)のロイ・バッドが担当し、素晴らしいアクションスコアを提供している。

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〈おはなし〉
 潜水艇技師タルボット(バリー・ニューマン)は、ルイジアナの田舎酒場でつまらないイザコザを起こし、逮捕されてしまう。裁判で警官殺しの余罪が発覚した彼は、法廷の傍聴席にいた若い娘セーラ(スージー・ケンドール)を人質に取り、すかさず逃走を開始。激しいカーチェイスの末、警察の追跡を振り切ったタルボットだったが、元刑事の賞金稼ぎ・ジャブロンスキー(ドルフ・スウィート)の不意打ちを食らい、形勢逆転。セーラの父である石油成金ルースヴェンの屋敷に連れて行かれたタルボットは、そこで待っていたギャングのヴィランド(ジョン・ヴァーノン)一味に、あるサルベージの仕事を強要される。だが、全ては綿密に練られた計画だった。はたしてタルボットの目的とは?
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 まず、主人公がヒロインを誘拐し、とっ捕まったふりをして組織に潜入するという段取りが、あまりにひねりすぎていて説得力がない。賞金首として偶然連れてこられた男に「ちょうどよかった、君のスキルが必要だ」とか言う悪人の思考回路が謎だし、そんな都合のいい展開を敵に期待する主人公のアタマもどうかしている。もっと他にやりようがあるんじゃないか、という疑問が終始まとわりつく話だった(小説ならどんでん返しの連続で読み進められたりするから、まだいいんだろうけど)。

 この映画の見どころは、開巻10分ほどしてスタートする長い長いカーチェイスシーン。せっかく『バニシング・ポイント』のバリー・ニューマンを連れてきたんだから、カーチェイスしなきゃ損だと言わんばかりに、15分ぐらい延々とスポーツカーとパトカーの激しいデッドヒートが展開する。しかも、終わったと思ったらまた始まるというパターンが3回ぐらい続くので、ちょっと呆れる。舞台はルイジアナの湿地帯やら土手やら田舎道なので、『フレンチ・コネクション』(1971)みたいな迫力はない。でも、ロイ・バッドの素晴らしくかっこいい音楽のおかげで、ものすごく盛り上がることは確か。まあ、それって映画の作りとしてどうなの? という気も激しくするけど……。

 ちなみに本作のサウンドトラックCDは、世界でもプレミア扱いされている貴重な名盤。確かにサントラだけあれば十分、という映画ではある。

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DVD『爆走!』(英国盤・PAL)

製作/アラン・ラッド・Jr.、ジェイ・カンター
製作総指揮/エリオット・カストナー
監督/マイケル・タックナー
脚本/ロバート・キャリントン
原作/アリステア・マクリーン
撮影/アレックス・トムソン
編集/レイ・ラヴジョイ
音楽/ロイ・バッド
出演/バリー・ニューマン、スージー・ケンドール、ジョン・ヴァーノン、ベン・キングズレー、ドルフ・スウィート

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