Simply Dead

映画の感想文。

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『鬼怒川』(1971)

『鬼怒川』
原題:鬼怒川(1971)

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 「アンジェラ・マオ復活祭」上映作品。鬼怒川といっても栃木県が舞台の文芸ドラマではなく、女剣士アンジェラ・マオの奇想天外な冒険を描いた武侠アクションだ。彼女の記念すべき初主演作であり、監督は後に『女活殺拳』(1972)など多くの作品で組むことになるファン・フェン。物を投げると爆発炎上する川とか、着ぐるみの怪獣が出てきたりするハチャメチャな映画で、どちらかというと珍作の部類に入るけど、楽しい作品である。

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〈おはなし〉
 悪の集団・太隠教の陰謀により、武林の剣客たちは次々と毒刃に倒れていく。ラン・フォン(アンジェラ・マオ)は刃に倒れた父親の命を救うため、唯一の解毒剤である“黒霊芝”を求めて鬼愁谷へ向かう。

 襲い来る太隠教の刺客たちを蹴散らし、炎の水が流れる鬼怒川を越え、ようやく鬼愁谷に辿り着いたフォン。谷主の与えた試練にも死を賭して臨み、なんとか黒霊芝を持ち帰ることを許された彼女だったが、引き替えに持てる内力を全て奪われてしまう。それは武術家にとって死にも等しい仕打ちだった。

 戦う力を失ったフォンに、黒霊芝を狙う悪党たちが次々と襲いかかる。彼女は剣士レンの助けを借り、父のもとへ急ぐが……!?
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 オープニングのスピード感溢れる音楽が無茶苦茶かっこいいけど、時代劇のコードからはまるっきり外れている。本編も同様で、次々と剣客が殺されていく導入部から、展開のたたみかけがいちいち早すぎておかしい。間抜けに見えてもいいから効率的に! という感じでバタバタ人が死んでガンガン話が進んでいくので気持ちいい。

 武侠アクションの中に荒唐無稽な伝奇ファンタジーの要素も入っていて、悪く言えばチープな子ども騙し的趣向が臆面なく盛り込まれているのも見どころ。タイトルになっている鬼怒川は、水に触れるとなぜか爆発炎上してしまう(まったく訳が分からない)川で、アンジェラ・マオはその上に綱一本渡してオプチカル合成で渡ったりする。で、洞窟の池のほとりでピカピカ点滅している薬草を取ろうとすると、池の中から出来損ない感満点のかわゆーい怪獣が出てきてヒロインに襲いかかる。特に前半は一事が万事この調子なので、へらへら笑いながら観るぶんには凄く楽しい。

 薬草を手に入れると代わりに力を奪われてしまうという設定のため、アンジェラ・マオは前半の無敵ぶりから一転、後半では超ナヨナヨな女の子になってしまう。もう満足にできることといったらてくてく歩くことだけみたいな感じなので、薬草を奪おうとする悪党に襲われても半ベソでオロオロするか逃げるかするばかり(見ているうちにだんだん微笑ましくなってくる)。そういう意味ではかなりレアな状態のアンジェラ・マオが観られる貴重な作品だ。クライマックスで力を取り戻す時の演出も、柱にズバーンと手形の穴が開いたりして、まるっきりマンガで面白い。

 武術指導は「韓国の渡辺篤(『用心棒』の棺桶屋)」ことハン・インチェ。林の中での刺客たちとの戦いや、クライマックスの太隠教教主パイ・インとの死闘など、見応えあるシーンに仕上げている。

 及第点以上のアクションと、チープなユルさで楽しませてくれる小品。今回上映される10本の中でもかなり異彩を放っていると思うけど、たまにはこういう映画も観たい。

・Amazon.co.jp
DVD『鬼怒川』


製作/レイモンド・チョウ
監督/ファン・フェン
武術指導/ハン・インチェ
出演/アンジェラ・マオ、ガオ・ユアン、パイ・イン、ハン・インチェ
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