
前作『ブラザー・ハート』(2003)から4年、もうマイク・ホッジス監督の新作は観られないのかな……と思っていましたが、なにげに企画進行中であることが分かりました。
待望の新作タイトルは、トーマス・マン原作の『マリオと魔術師/Mario and The Magician』。脚本は、赤狩りでハリウッドを追われた過去を持つ反骨の映画作家、エイブラハム・ポロンスキーの遺稿。主人公マリオ役には、『ブラザー・ハート』に出演したジョナサン・リス・マイヤーズを予定。(クライヴ・オーウェンはエージェントの締め付けがキツいのか、ハリウッド製の大作・話題作ばかり出ていて、小規模のイギリス映画に出る余裕はなさそうです)
製作はマイク・カプラン。北米での映画配給・マーケティングの仕事に長年たずさわる彼は、『ルール・オブ・デス/カジノの死角』(1998)のアメリカ公開を成功させ、『ブラザー・ハート』ではプロデューサーを務めた人物です。その他、リンゼイ・アンダーソン監督の『八月の鯨』(1989)、ロバート・アルトマン監督の『ショート・カッツ』(1994)の製作も手掛けています。
▼左からエイブラハム・ポロンスキー、マイク・カプラン、マイク・ホッジス。『ルール・オブ・デス/カジノの死角』の米国プレミア上映にて

『マリオと魔術師』は、イタリアの保養地トレを訪れた魔術師チポラが興行を打ち、異様なショーを繰り広げたあげく凄惨な結末を迎えるという物語。観客の心を巧みに操る魔術師の悪魔的な姿を描いたこの小説は、「ファシズムの心理学」とも評されています。邦訳もあり。ちなみにチポラといえば、マイク・ホッジス監督の最高傑作『Pulp』(1972)に登場したファシスト政党のリーダーの名前でもあります。1994年にはドイツで映画化。監督は『メフィスト』(1981)などで知られる俳優のクラウス・マリア・ブランダウアーで、ジュリアン・サンズも出演しています。
以上の情報は、マイク・カプランが監督したリンゼイ・アンダーソンのドキュメンタリー『Never Apologize』(2007)の公式サイトに載っていました。こちらの映画もかなり面白そう。アンダーソン作品の看板俳優だったマルコム・マクダウェルが、当時の思い出を舞台上でスタンダップコメディ風に語る場面が楽しそうです(一部は公式サイトで見れます)。
マイク・ホッジス版『マリオと魔術師』、なんとか実現してほしいですね。がんばれ75歳!
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本『マリオと魔術師』
DVD『ブラザー・ハート』

