Simply Dead

映画の感想文。

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『プリンセス・アンド・ウォリアー』(2000)

『プリンセス・アンド・ウォリアー』
原題:Der Krieger und Die Kaiserin(2000)

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 『パフューム ─ある人殺しの物語─』(2006)のトム・ティクヴァが2000年に撮った監督作が、ようやくDVDでお目見え。交通事故で出会った男女の風変わりなラブストーリーを、犯罪サスペンスの要素も絡めながら描いていく。心に深い傷を抱えた主人公の青年ボドを、ベンノ・フユルマンが好演。彼に命を救われ、一目惚れしてしまう精神病院の看護婦シシーを演じるのは、『ラン・ローラ・ラン』(1998)のフランカ・ポテンテ。

 『ラン・ローラ・ラン』が世界的に成功した後の反動なのか、前作とは違って全体的に落ち着いたスローな語り口で作られている。こういうじっくりした演出もできるんです、本当はやりたいんです、と言っているような。上映時間が130分もあるというのに、話自体はとてつもなくシンプルで、本来ならいくらでも切り詰められる内容だと思う。けど、「できるだけ時間をかけてシンプルなドラマを物語りたい」というコンセプトで作られているので、前作のようにスピーディーに短くまとめてしまったら意味がないのだろう。時間が経つにつれて主人公たちのパーソナリティが明らかになってくるという構成にしているのも、最初に手の内を明かすとすぐ終わってしまう話だからだ。

 ただ、結構長いわりに中身はこんなもんか、という印象もなくはない。スケールも実に慎ましく、印象も軽く、スタイルだけの凡作とか言われても無理はない気もする。終盤の「もうひと押し」が明らかに長すぎるし。それでもやっぱり『パフューム ─ある人殺しの物語─』でも発揮されていた、長尺を飽きさせずに見せきる巧さはこの映画でも活きている。カメラワークや色遣い、音楽や編集など、細部のコントロールが本当に好きな監督なんだなと思った。

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 面白かったけど、トム・ティクヴァはこういうウェットな人間ドラマよりも、理数系の悪趣味さみたいな独特のセンスで大風呂敷サイズのストーリーを紡いでいく方が向いていると思った。あと、この映画のフランカ・ポテンテは他のどの出演作よりも綺麗に撮られていて、ちょっと驚く。

・Amazon.co.jp
DVD『プリンセス・アンド・ウォリアー』


製作/シュテファン・アルント
監督・脚本/トム・ティクヴァ
撮影監督/フランク・グリーベ
音楽/ラインホルト・ハイル、トム・ティクヴァ
出演/フランカ・ポテンテ、ベンノ・フユルマン、ヨアヒム・クロール
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