Simply Dead

映画の感想文。

『セカンド・サイト』第4部“盲目者の王国”(2000)

『セカンド・サイト』第4部“盲目者の王国”
原題:Second Sight -Kingdom of the Blind-(2000)

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 視力をほとんど失いながら、周囲を欺いて捜査活動を続ける特捜班部長のエリート警部、ロス・タナーの最後の事件を描いたシリーズ完結編(エピソード9?10)。今回は一人の黒人青年の死を発端に、地域社会に根付く排他主義と、町ぐるみの組織犯罪に直面することになる。

 地域住民のための多目的センターを立ち上げた黒人青年が、何者かに惨殺された。施設も放火され、地域内の人種間の緊張は高まっていく。ロスは被害者の恋人だった白人女性を訪ね、そこで彼女の父キング氏と出会う。今では年老いた盲人となった彼は、かつて町にその名を轟かせたギャングの大物であった。盲人でありながら泰然自若としたの生き様に圧倒されるロスだったが、彼の真の顔が明らかになった時、ロスは最大のピンチに陥っていた。

 脚本はナイアル・レナードとポーラ・ミルヌの共作。最終回にして重い題材に挑み、ハードな社会派スリラーに仕立てている。タイトルは文字通り、影の実力者である盲人が統べる町という意味と、差別意識と服従心に冒された盲者たちの国、という皮肉のこもったダブルミーニング。老獪な悪役キングを異様な迫力で演じるのは、ピーター・ヴォーン。『未来世紀ブラジル』(1985)や『Dandelion Dead』(1992)にも出演している英国の代表的名優である。この人がここまで強烈なインパクトの悪役を演じるのも、ちょっと珍しいのではないか。

 ロスは視力の悪化を悟られ、家族まで危険にさらされ、まさに最悪の危機を迎える。後半、盲人同士の頭脳戦の様相を呈してくるクライマックスは、完結編ならではの緊迫感に満ちていて面白い。それでも少し食い足りないというか、解決法があっさりしすぎている感もあるが、テレビドラマならこんなものかという気もする。

 主人公ロスにとっては決して楽観的とは言えないラストの後味もいい。シリーズ通してのまとまりもよく、全体的に面白いドラマだった(設定はマンガだけど)。今このタイミングで日本版がリリースされた理由は全然分かんないけど、とりあえずメーカーさんには感謝したい。

・Amazon.co.jp
DVD-BOX『セカンド・サイト』(5枚組)


監督/ジョナス・グリマス
脚本/ナイアル・レナード、ポーラ・ミルヌ
撮影/エリック・ギレスピー
編集/ニック・マクフィー
音楽/ジョン・ラン
出演/クライヴ・オーウェン、ピーター・ヴォーン、ニコラス・ピノック、グレゴリー・ピット、ジェームズ・ホール、ベンジャミン・ハリス、レベッカ・イーガン、ルパート・ホリデイ=エヴァンス、フランク・ハーパー、アレクサンダー・モートン、マーク・ベイズリー
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