Simply Dead

映画の感想文。

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『ガストリーワンズ』/ベッソン2本

DVDで『ガストリーワンズ』観ました。シャブロルだのロートネルだの言っといて、いきなりアンディ・ミリガン(スパイク・ミリガンじゃないですよ!)。これまで日本では幻だった初期代表作の登場です。

ミリガン作品の特徴は山ほどありますが、機材の制約がもたらした作風ってのが個人的に一番オモロイです。通常の映画撮影では、映像と音は別々に録りますが、ミリガンが使っていたのは報道用の16mmカメラで、画も音も1本のフィルムにいっぺんに録っちゃう。

映画のフィルムってのは映写機の構造上、画と音は数コマ分ずらして入れるもんですが、ミリガンのカメラはそれができないんです。カット頭から喋りだしたくても、音声はフィルム上では先行してるから、やや前の部分から切らないと映写時に聞こえない。だからどうしてるかってぇと、音がずれる分、カット頭に沈黙があるんです。そこには前カット尻の音声が乗ったり、あとから音楽を被せて繋いだり。普通にただの沈黙ってときもあります(笑)。

通常の映画編集では、前のカットの音(台詞の言葉尻とか)を次のカットにダブらせるのはテクニックとしておこなう演出ですが、アンディ・ミリガンは必要に駆られてやっとるわけです。要するに、撮影時なのに編集のことを優先して考えなきゃいけないから、神経使うわけですよ。必然的に繋ぎはおかしくなり、一種異様なリズムが生まれる。カットなんて割れば割るほどドツボにはまるから、長回しも多くなります。

『ガストリーワンズ』は、繋ぎに工夫してる感があります。後の作品ほどの不自然さは感じさせません。出ている役者も、大体みんなオフブロードウェイとかの売れない舞台俳優だから素人くさくなくて、演技もちゃんとしてるし(別のイヤな感じはあるけど)。ミリガン作品にしては驚くべきウェルメイド感は、本作の見どころです。これ以降はどんどん諦めちゃうところでもありますし。アルジェントの『シャドー』みたいなナイス流血シーンもあり。お好きな方にはお勧めです(ホラー映画が、ってよりは、ミリガンが)。

余談ですけど、『ファイト・クラブ』の一場面のように、ディズニー映画の中に1コマ分ポルノフィルムを仕込んでも、その画と音は同時に出ません(音は遅れて聞こえるはず、雷みたいに)。その辺は映画的な嘘で面白おかしく処理されてました。


監督・撮影/アンディ・ミリガン
製作/ジェローム=フレドリック
脚本/アンディ・ミリガン、ハル・シャーウッド
出演/ヴェロニカ・ラドバーン、マギー・ロジャース、ハル・ボースク、アン・リンデン

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あと久々に劇場へ行って、『アンジェラ』観ました。白黒、無名キャスト、シネスコ、簡単なプロット……それだけあっても全然シンプルな映画が撮れなくなってるリュック・ベッソン。もはやこの人に何かを期待する方が間違いです。すごくイライラしました。

そのあと、ちょっと人と会って楽しくお話していたら電車を逃してしまい、思わず『トランスポーター2』もオールナイトで。まあ、こっちの方が、なんぼかマシ。なんぼかですけど。
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