Simply Dead

映画の感想文。

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『ガンマン無頼 地獄人別帖』(1971)

『ガンマン無頼 地獄人別帖』
原題:La Vendetta e Un Piatto Che Si Serve Freddo(1971)

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 レナード・マン主演の異色マカロニウエスタン。人類みな兄弟を謳って穏やかに暮らす一家が、ある日インディアンの大群に襲われ虐殺される。唯一生き残った少年はやがて一匹狼のガンマンとなり、インディアンと見れば誰彼かまわず殺して頭皮を剥ぐ復讐の鬼と化した。が、事件には意外な真相が……という、オチがバレバレのどうしようもなく救いのない話。いくら主人公が途中で事実を知って改心したところで、罪咎のないインディアンを殺しまくってるんだから最後は死ぬしかないだろう、と思うのだけど、特に悪びれない態度で最後まで生き延びてしまうので、凄くヤな感じ。彼に命を助けられ、恋してしまうインディアン娘に「俺は昔の俺とは違うゼ」とか言い捨てて去っていくラストは、お願いだから矢が飛んできてこのバカに刺さってくださいと念じずにはいられない。

 レナード・マンが憂いを湛えた寡黙なキャラクターをナルシスティックに演じれば演じるほど、異常さが漂う。ほとんど刷り込みのようにインディアンを殺さずにはいられないというキャラクター設定は面白いけど、いまいちその狂気を活かせていないうらみがある。実際、映画は単なる復讐ウエスタンの勘違いバリエーションにしかなっていない。

 原案・脚本・監督のウィリアム・レッドフォードは、『鉄人長官』(1977)のパスクァーレ・スクイティエリの偽名で、これがデビュー作。もっと徹底的に非情な演出を貫ければあるいは傑作になったかもしれないが、中盤からコメディリリーフの世話焼きオヤジ(ステファン・ザカリアス)が出てきてストーリーの牽引役になったりするので、半端な印象は拭えない。しかも、コミカルな場面の方が明らかに演出が活気づいてたりする。とはいえ冒頭の一家襲撃シーンでは、いきなり女の子の腹に矢がドスッと刺さったりするのでビックリする。主人公が戦利品(インディアンの頭皮)をかつらとして売りさばいているという設定は、ほとんどホラー映画だ。でも、そこまで残酷シーンが売りになっているかというと、そうでもないのでまた微妙。クライマックスに繰り広げられるアクションも、繋ぎがヘッタクソで何が起こっているのか分からない。

 セコい悪役で出演のクラウス・キンスキーも見せ場なし。悪い意味での異色作。ちなみにフランコ・ネロ主演の『ガンマン無頼』(1966)とは無関係。

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DVD『ガンマン無頼 地獄人別帖』
DVD「マカロニウエスタンDVD-BOX 哀愁篇」


監督・原案/ウィリアム・レッドフォード(パスクァーレ・スクイティエリ)
脚本/ウィリアム・レッドフォード、モニカ・フェルト
撮影/アンジェロ・ロッティ
音楽/ピエロ・ウミリアーニ
出演/レナード・マン、アイヴァン・ラシモフ、クラウス・キンスキー、エリザベス・エヴァースフィールド、ステファン・ザカリアス、エンツォ・フィエルモンテ
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