Simply Dead

映画の感想文。

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『カーズ』(2006)

『カーズ』
原題:Cars(2006)

cars_poster.jpg

 これも『レイヤー・ケーキ』と同じ日に観ましたが、こっちはものすごい傑作! 「人間の頭部からはこんなに水が噴き出すのか」と思うくらい泣かされました。ほとんど涙のカツアゲ状態。今ちょっと思い出してもヤバイくらい。

 監督のジョン・ラセターは父親がカーディーラーだったそうで、幼い頃から車とアニメが大好きで今に至る、という人。だから車の見せ方にはハンパなくこだわってます。美しく光沢を放つボディ、カーレース・シーンの迫力、自然の中を走り抜ける爽快感……ホント好きなんだなーって感じ。『クリスティーン』とか撮ったらどうなるんだろう? と思いました。
 でも映像的なこだわり以上に、演出の語り口がことごとく巧いです。そもそも脚本を6人がかりで書いてるだけあって(マカロニウエスタンかい)、気合いの入れ方が違います。今回、ピクサーの長編としては初めて余計な人間キャラが出てこない、というのも爽快感の原因のひとつかも。

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 やんちゃで自信過剰で、だけど寂しがり屋で、人を惹きつけずにはおかない主人公マックィーンの声を、オーウェン・ウィルソンが演じるという配役が絶妙! 観てる途中で「あれ?」と気づいたんですが、そこからはオーウェン本人にしか見えませんでした(上写真)。心の師となる市長役、ポール・ニューマンの好演も嬉しい限り。『ロード・トゥ・パーディション』(2002)なんかよりずっと生気に溢れた演技が聴けます。

 「道に迷った主人公が、地図にない町にたどり着く」というあらすじを聞いた時は、思わず『2000人の狂人』(1964)を思い出しましたが、そこで幽霊ネタに振ったりしないのがラセターの誠実さ。スモールタウンの郷愁、どこまでも広がる自然、ヒーローの復活といった「アメリカン・スピリット」へのストレートな想いが随所で謳われ、それだけでもう目が潤みます。
 たとえば“9.11”後に公開されたサム・ライミ監督の『スパイダーマン』(2002)で、「自分たちが愛するもの、守るべきもの」を真摯に省みる眼差しを見た時、やっぱり号泣させられたのと同じように。スパイク・リー監督の『25時』(2002)も同様に、呪詛と共にあったのはやはりホームタウンへの狂おしい愛情でした。
 「私たちの愛するものは、まだ生きている」と伝える映画でもあります。
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onemanband.jpg

 併映の短編『ワンマン・バンド/One Man Band』(2005)も、登場する女の子のムッとした表情が素晴らしく魅力的な逸品です。今までの併映作品でいちばん短い気もする快作。


製作/ダーラ・K・アンダーソン
監督/ジョン・ラセター
監督補/ジョー・ランフト
原案/ジョン・ラセター、ジョー・ランフト、ヨルゲン・クルビエン
脚本/ジョン・ラセター、ジョー・ランフト、ダン・フォーゲルマン、キール・マレー、フィル・ローリン
音楽/ランディ・ニューマン
声の出演/オーウェン・ウィルソン、ポール・ニューマン、ボニー・ハント、ラリー・ザ・ケーブル・ガイ、チーチ・マリン、トニー・シャルーブ、グイド・クアローニ、ジョージ・カーリン

・Amazon.co.jp
『カーズ』DVD

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