Simply Dead

映画の感想文。

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『ひばりのおしゃれ狂女』(1961)

『ひばりのおしゃれ狂女』(1961)

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 美空ひばり演じる町娘が父の仇を討つため狂人を装い、「シャレキチ(おしゃれなキチガイの略)」などと呼ばれながら権力に立ち向かう歌謡時代劇。タイトルに比べて中身がつまらない映画の典型。今なら絶対できないような突き抜けた展開があるわけでもなく(まあ普通にビデオも出てるし)、かといって『まぼろしの市街戦』みたいなユーモアもなく、単におそろしく凡庸な娯楽時代劇の1本でしかない。美空ひばり主演の東映時代劇には『江戸っ子判官とふり袖小僧』(1959)とか名作も多いけど、これは平均以下の部類。

 とにかくホンが悪い。ヒロイン像がつまらなすぎる。美空ひばりの狂女っぷりも放埒さと説得力に欠けていて、ちょっと頭の回る女の子の探偵ゴッコみたいなノリで、上品ぶってていけない。せっかく魅力的な設定なのに「実は健気でお淑やかな町娘キャラ」とか心底どうでもいい。演出も平板で、彼女が実は正気だったと分かるシーンもまったく盛り上がらない。狂女のふりをつき通す女の執心も鬼気も描かれず、復讐心をたぎらせるあまり狂気が偽装でなくなっていく、みたいな話にも当然ならない。まあ美空ひばりがそんな映画に出るわけないけど。

 話が話だけに「やっぱりキチガイとはいえ苦労するんだなぁ」とか、ところどころキックのある台詞はあるけれど、それだけで最後まで楽しむのは正直しんどい出来。別に山岸涼子の『天人唐草』みたいな傑作を期待してたわけじゃないけど……もう少し面白くしてくれ、と嘆息せずにはいられなかった。

 あと、人が全然死なないのがいちばんダメ。復讐劇なんだから。


監督/佐々木康
脚本/村松道平
原作/本田美禅
撮影/わし尾元也
美術/吉村晟
音楽/米山正夫
出演/美空ひばり、高田浩吉、水島道太郎、青山京子、安井昌二、菅貫太郎、尾上鯉之助、花房錦一、松風利栄子、大邦一公、北竜二、吉田義夫、徳大寺伸

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