Simply Dead

映画の感想文。

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『ジョーカー野郎』(1966)

『ジョーカー野郎』
原題:The Jokers(1966)

 反抗心と暇をもてあます「怒れる若者世代」のボンボン兄弟2人が、英国女王の冠を盗み出そうとするコミカルアクション。監督・原案はこれが日本初公開作となったイギリスの新鋭マイケル・ウィナー。後年の作品群でも発揮されるひねたユーモア・センスと、題材を問わずテンポよく押していく演出スタイルは、本作で大きく開花している。リアルタイムでスウィンギング・ロンドンを活写した映像も見どころ(でも少し小馬鹿にした態度なのがウィナー流)。音楽もオープニングから凄くかっこいい。マイク・ホッジス監督の『狙撃者』(1971)などによって、イギリス映画にもリアルな犯罪/暴力描写が浸透していく直前の時代に作られた、いたって軽妙で罪のないクライムコメディだ。

 映画史上最も似てない兄弟に扮するのは、『These are the Damned』(1963)のオリヴァー・リードと、『ナック』(1965)のマイケル・クロフォード。旬の役者を揃え、ほとんどアクロバティックなまでに全編めいっぱい動かしまくっている。まあ話自体は大したことないけど、シーン運びの快調さと、役者の躍動を見ているうちに目が離せなくなってしまう。

 体制も上流階級もたっぷりコケにしてみせるが、主人公も所詮はボンボンなので、痛快ではあっても痛切さはなく、気楽なもの。逆に、上流社会で身をもてあます若者の空虚さと悲しみがほんのりと漂う。安易なモラルのよりどころを設けず、主人公たちを突き放して遊ばせるマイケル・ウィナーは、やっぱりひねくれ者だと思う。彼の原案に基づいて脚本を書いたのは、イアン・ラ・フレネとディック・クレメント。同じくウィナー監督の『脱走山脈』(1968)や、最近では『スティル・クレイジー』(1998)、『マウス・タウン/ロディとリタの大冒険』(2006)なども手がけるベテラン脚本家コンビだ。

 これも権利関係が複雑なのか、海外・日本ともソフト未発売のまま。何年か前にWOWOWで、ノーカット字幕つきで放映されたことはある。TV放映だけならできる映画って、結構多いみたい。


監督・原案/マイケル・ウィナー
脚本/イアン・ラ・フレネ、ディック・クレメント
撮影/ケネス・ホッジス
編集/バーナード・グリブル
音楽/ジョニー・ピアソン
タイトルソング/ピーター・アンド・ゴードン
出演/マイケル・クロフォード、オリヴァー・リード、ハリー・アンドリュース、ジェームズ・ドナルド、ガブリエラ・リクーディ、ダニエル・マッセイ、ロッテ・タープ、エドワード・フォックス、フランク・フィンレイ

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