原題:You, Me and Dupree(2006)

〈おはなし〉
ハワイで豪勢な式を挙げ、甘い新婚生活をスタートさせたカール(マット・ディロン)とモリー(ケイト・ハドソン)。そこへ、結婚式に出席したせいで仕事も家も失ったカールの親友デュプリー(オーウェン・ウィルソン)が転がり込んできた。自由奔放すぎる居候のおかげで2人の暮らしはメチャクチャに。さらにカールは勤め先の社長である義父(マイケル・ダグラス)からプレッシャーをかけられ、だんだんとノイローゼに陥っていく。一方、始めはギクシャクしていたモリーとデュプリーの仲がいつしか急接近。新婚生活の行方は……?
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オーウェン・ウィルソンほど人気のわりに凡作の目立つハリウッドスターもいない。それはもちろんデビュー作『アンソニーのハッピー・モーテル』(1996)以来、ウェス・アンダーソン作品で脚本家・俳優として素晴らしい天才ぶりを発揮しているからなのだけど、それ以外の出演作となると、大半が冴えない出来のコメディばかり。粗末なシナリオのせいでその魅力がほとんど有効利用されないまま、微妙なお調子者キャラとして消費されてしまっている。『シャンハイ・ヌーン』(2000)然り『スタスキー&ハッチ』(2004)然り、全米では大ヒットした『ウエディング・クラッシャーズ』(2005)も例外ではない。よかったのは『ズーランダー』(2001)と『カーズ』(2006)だけ。人なつっこい連続殺人者を好演した『クアドロフォニア』(1999)が成功していれば、オファーの幅も広がったのかもしれないけれど……。
本人もそれに自覚的だったのか、本作『トラブル・マリッジ』ではプロデューサーも兼ねて、自分の魅力を思う存分に発揮している。「悪気はないけどメーワクばかりかける、でも憎めないヤツ」という、『アンソニーのハッピー・モーテル』からさんざんやりつくしたキャラだ。それでも他人に任せるのと自分で考えてやるのとではこうも違うのか、と思うほど本作のオーウェンは輝いている(それはそれで「自分大好き」みたいでちょっとイヤだけど)。「土砂降りの中ベンチにひとり座っているオーウェン」「すっごいキラキラした目で『ローマの休日』に見入るオーウェン」「マザーシップから啓示を受けるオーウェン」「巨漢の警備員に対決を挑むオーウェン」など、爆笑シーンの連続だ。なんなんだ一体、どこまで可愛いんだお前、みたいな瞬間が目白押し。そりゃモテるわ。

まあ、だからって傑作かというとそうでもない。脚本次第でもっと面白くできるはずなのにどこか寸足らずだし、マット・ディロンの喜劇的才能のなさも致命的だ。それでも、オーウェンのファンにとっては必見の快作であることは間違いない。やっぱりウェス・アンダーソンと一緒じゃないと駄目なのかな、と不安に思っていた者としては、ホッとする作品だった。最近あまり振るわなかったケイト・ハドソンも、本作ではとても可愛く撮れている。バカな悪友を怪演するセス・ローゲンもよかった。
監督/アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
脚本/マイケル・ルシュール
製作/メアリー・ペアレント、スコット・ステューバー、オーウェン・ウィルソン
撮影/チャールズ・ミンスキー
音楽/セオドア・シャピロ
出演/オーウェン・ウィルソン、ケイト・ハドソン、マット・ディロン、マイケル・ダグラス、セス・ローゲン
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