Simply Dead

映画の感想文。

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『A Dirty Shame』(2004)

『A Dirty Shame』(2004)

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 最高。円熟期に入って久しいジョン・ウォーターズ監督作品だからハズレはないと思っていたが、予想以上の傑作だった!

※以下文中、下品な表現がありますのでご注意ください。


〈おはなし〉
 ボルチモアに暮らす平凡な主婦シルヴィア(トレイシー・ウルマン)は、セックス嫌いの潔癖性。夫ヴォーン(クリス・アイザック)のつまらない下ネタジョークも許せないし、近ごろ町にはびこる乱れた風潮も気に食わない。娘のカプリス(セルマ・ブレア)はこともあろうに爆乳ストリッパーとして人気を博し、現在は強制的に自宅軟禁中だ。

 ところがある日、シルヴィアは頭を強打したショックでセックス中毒者に変身。マン○の乾く暇もないド淫乱ビッチと化した彼女は、方々で騒動を巻き起こしながら、セックスヒーリングの達人レイ・レイ(ジョニー・ノックスヴィル)のもとへと走る。そこで知らされた衝撃の真実とは?

 時折しも、シルヴィアの母親で町いちばんの保守派であるビッグ・エセル(スザンヌ・シェファード)のかけ声で、変態ゼッタイ反対運動が始まろうとしていた。はたして事件の顛末やいかに!?

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 88分というタイトな尺の中、大変くだらない話をシンプルに高純度に押し進めていくウォーターズの演出は、まさにラジカルな円熟の極み! ひたすら下品なギャグのつるべ打ちに爆笑しつつ、揺るぎないアナーキズムにうち震えること必至の傑作である。いちいち画面に「H-O-R-N-Y」だの「V-A-G-I-N-A」だのとサブリミナル的なテロップを挿入するなど、お遊びも徹底している。下ネタ満載の選曲も相変わらず冴えまくりだ。

 過激派も保守派もエクストリームな人しか出てこない、とにかくそこら中イロキチガイとマジメキチガイだらけの世界。それが我が町、ボルチモア! このテンションの高さと勢いのよさは近年のウォーターズ作品でも随一であり、『ピンク・フラミンゴ』(1972)や『フィメール・トラブル』(1974)といった初期作品のパワーを取り戻したかのようで、凄く嬉しかった。クローネンバーグの『シーバース』(1976)もびっくりのクライマックスには、鳥肌モノの感動が待ち受けている。なおかつ本作は、親子の和解を描いた良質のホームコメディでもある。

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 まるでディヴァインを想定して描かれたようなヒロインを、全米TVスターとしても知られるベテラン喜劇女優トレイシー・ウルマンが演じているのが凄い。しかも真面目に、全力で!「あたしの生ガキを探して」だの、「今とってもクリトリスが危機(クライシス)なんです」だの、「神の使徒だなんてとんでもない、私はただの頭を打ったセックス狂よ!」だの、奇跡のような台詞のオンパレード。もしディヴァインが演じていたなら、本作は良くも悪くもディヴァイン映画にしかならなかっただろうが、ウルマンはプロの女優としてこの難役を瓢々と演じきっている。素晴らしい。

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 他にも『ジャッカス』でおなじみの問題児ジョニー・ノックスヴィルの満を持しての登板、特殊メイクで念願の(?)ウルトラ巨乳を装着したセルマ・ブレアの快演もポイント高し。もちろんミンク・ストールやパトリシア・ハーストといった常連組の演技も楽しめる。劇中に登場するヘンタイさんたちのキャラクターも、選りすぐりの精鋭揃いだ(特に3匹の熊! 新宿2丁目界隈で話題を独占することは間違いない)。

 日本では公開がほぼ見送り状態だそうだが、なんて愚かな! 本作は過激だからといって悪影響を及ぼしたり、反感を買ったりするような内容では全くない(まあ害を与えたとしても知ったこっちゃねえよ)。呆れるほど下品でバカで豪快に笑える、とびきりシャープな娯楽作である。ぜひ劇場公開してほしい。Let's go sexing!!

※追記:2008年5月30日にハピネットからDVD発売決定!

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・Amazon.co.jp
DVD『ア・ダーティ・シェイム』US公開バージョン

・DVD Fantasium
『A Dirty Shame』DVD(US盤)

監督・脚本/ジョン・ウォーターズ
撮影/スティーヴ・ゲイナー
衣装/ヴァン・スミス
キャスティング/パット・モラン
編集/ジェフリー・ウルフ
音楽/ジョージ・Sクリントン
出演/トレイシー・ウルマン、セルマ・ブレア、ジョニー・ノックスヴィル、クリス・アイザック、スザンヌ・シェファード、ミンク・ストール、ジャッキー・ホフマン、アラン・ウェンドル、三匹の熊さん

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