Simply Dead

映画の感想文。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

欲しいBlu-ray&DVDリスト・海外編[2012.2~]

devils_1974_ukdvd.jpg

 5か月ぶりの欲しいBlu-ray&DVDリスト・海外編です。復活したり休んだり気まぐれですが、知らない映画が増えていたのでまた適当にリストを作ってみました。海外盤なので基本的に日本語字幕はありません。Blu-rayは、日本製プレイヤーでも再生できるもの(リージョンA、またはリージョンオール)は特記なし。英国盤などのリージョンBソフトは、リージョンフリー機能のあるプレイヤーでしか再生できません。DVDもリージョン1のものは同じくリージョンフリー機が必要。リンク先は、米国盤はDVD Fantasium、英国盤はAmazon.co.uk。予告編のリンク先はYouTubeです(どんな映画かよく分からない場合もあるので、今回からつけてみました)。

sunset-limited_usbrd.jpg

●2012.2.7発売
『The Sunset Limited』(2011)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。コーマック・マッカーシーの戯曲をトミー・リー・ジョーンズ監督・主演でドラマ化。共演はサミュエル・L・ジャクソン。(HBO)[予告編]

『Story Of A Love Affair: 2-Disc Special Edition/愛と殺意』(1956)
米国盤DVD(リージョン1)。ミケランジェロ・アントニオーニ監督の長編デビュー作。(Kino)

『Project Nim/プロジェクト・ニム』(2011)
米国盤DVD(リージョン1)。『猿の惑星・創世記〈ジェネシス〉』の元ネタとして話題になったドキュメンタリー。(Lion's Gate)

『Night Train Murders/暴行列車』(1975)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。アルド・ラド監督のバイオレンス映画がブルーレイで登場。(Blue Underground)

woody_documentary_usdvd.jpg

●2012.2.14発売
『Woody Allen: A Documentary』(2011)
米国盤DVD(リージョン1)。ウディ・アレン監督の創作の秘密に迫る3時間強のドキュメンタリー。(New Video)[予告編]

『Three Outlaw Samurai: Criterion Collection/三匹の侍』(1964)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。五社英雄監督の快作時代劇がクライテリオン盤で登場。(Criterion)

『Tiny Furniture: Criterion Collection』(2010)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。大学を卒業したばかりの女の子のボンヤリした日常と惑いを描くインディペンデント映画。監督・脚本・主演はレナ・ダナム。彼女の母親であるアーティストのローリー・シモンズも母親役で出演。(Criterion)[予告編]

●2012.2.20発売
『Her Private Hell』(1967)(DVD + Blu-Ray)
英国盤Blu-ray。イギリスの怪作監督ノーマン・J・ウォーレンの長編デビュー作。(BFI Video)[予告編]

『Repo Man[Masters of Cinema]/レポマン』(1984) (Blu-ray)
英国盤Blu-ray(リージョンB)。アレックス・コックス監督のデビュー作にして最高傑作。(Eureka Entertainment Ltd)

MMMM_2011_usbrd.jpg

●2012.2.21発売
『Martha Marcy May Marlene』(2011)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。サンダンス映画祭で最優秀監督賞を獲得したサイコスリラー。主演はエリザベス・オルセン。(Fox)[予告編]

『World On A Wire: Criterion Collection/あやつり糸の世界』(1973)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督がテレビ用に撮ったSFドラマ。(Criterion)[予告編]

『Anatomy Of A Murder: Criterion Collection/或る殺人』(1959)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。オットー・プレミンジャー監督による裁判ドラマの傑作。ソウル・バスが手がけたタイトルデザインも秀逸。(Criterion)

『War Of The Arrows/最終兵器・弓』(2011)(Blu-ray/DVD)
米国盤Blu-ray。昨年、韓国で大ヒットを記録した時代劇アクション。パク・ヘイル主演。(Well Go USA)

『Blank City』(2010)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。70年代後半にニューヨークで発生したパンク・ムーヴメント「No Wave」を追ったドキュメンタリー。(Kino)[予告編]

『Zaat』(1971)(Blu-ray+DVD)
米国盤Blu-ray。史上最低の映画と謳われる低予算SFホラー。自らの身体を巨大ナマズ人間に改造した科学者の凶行を描く。(Film Chest)[予告編]

conformist_1970_ukbrd.jpg

●2012.2.27発売
『The Conformist : Dual Format Edition/暗殺の森』(1970)(DVD + Blu Ray)
英国盤Blu-ray(リージョンB)。ベルナルド・ベルトルッチ監督の最高傑作、初のBlu-ray化。(Arrow Video)

『クライング・ゲーム/The Crying Game - 20th Anniversary Edition』(1992)(Blu-ray)
英国盤Blu-ray(リージョンB)。ニール・ジョーダン監督の代表作が、製作20周年記念盤で登場。(Optimum Home Entertainment)

lang_spiders_usdvd.jpg

●2012.2.28発売
『The Spiders: Kino Classics Edition/蜘蛛』(1919)
米国盤DVD(リージョン1)。フリッツ・ラング監督の犯罪冒険映画。(Kino)

『Scarlet Street: Kino Classics Edition/緋色の街 スカーレット・ストリート』(1949) (Blu-ray)
米国盤Blu-ray。フリッツ・ラング監督がハリウッド時代に撮り上げた名作を初Blu-ray化。(Kino)

『I Melt With You』(2011)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。40代にさしかかった大学時代の友人たち4人が織り成すサスペンスドラマ。監督はマーク・ペリントン。(Magnolia Home Entertainment)[予告編]

『Nijinsky/ニジンスキー』(1980) (Blu-ray)
米国盤Blu-ray。バレエダンサー、ニジンスキーの激動の半生をハーバート・ロス監督が描いた伝記映画。(Olive Films)

『Triad Trilogy: Election, Triad Election,Triad Underworld』(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。ジョニー・トー監督の『エレクション』『エレクション/死の報復』と、ウォン・ジンポー監督の『ベルベット・レイン』をセットにした3枚組。(Tartan Video)

『バーバ・ヤーガ/Baba Yaga』 (1973)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。ウンベルト・レンツィ監督によるシュールな幻想ホラー。(Blue Underground)

『Vanya On 42nd Street: Criterion Collection/42丁目のワーニャ』(1994)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。チェホフ原作の舞台劇『ワーニャ伯父さん』の通し稽古を描く、ルイ・マル監督の遺作となった演劇ドラマ。(Criterion)

columbus-circle_usbrd.jpg

●2012.3.6発売
『Columbus Circle』(2010)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。ニューヨークの高級マンションを舞台にしたサスペンススリラー。ジョヴァンニ・リビシ、セルマ・ブレア、エイミー・スマートらが共演。(Universal)[予告編]

●2012.3.13発売
『Wizards: 35th Anniversary Edition/ウィザーズ』(1977) (Blu-ray)
米国盤Blu-ray。核戦争後の世界を舞台に魔術師たちの戦いを描く、鬼才ラルフ・バクシによるSFファンタジー。製作35周年記念盤。(Fox)

『The Last Temptation Of Christ: Criterion Collection/最後の誘惑』(1988) (Blu-ray)
米国盤Blu-ray。キリストを1人の人間として描いたマーティン・スコセッシ監督の問題作が、クライテリオンからBlu-rayで登場。(Criterion)

『Virgin Witch: Remastered Edition/悪魔のバージン』(1972)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。美人双子姉妹が悪魔崇拝のいけにえとなる、70年代ブリティッシュ・ホラー。(Redemption USA)

『Killer's Moon: Remastered Edition』(1978)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。LSDを投与された精神病患者たちが病院から脱走し、血みどろの惨劇を繰り広げる70年代ブリティッシュ・ホラー。(Redemption USA)[予告編]

●2012.3.19発売
『The Devils (Special Edition)/肉体の悪魔』(1974)
英国盤DVD(PAL・リージョン2)。先日惜しくも世を去ったケン・ラッセル監督の代表作が、待望のオフィシャルDVD化。(BFI Video)

battleroyal_usbrd.jpg

●2012.3.20発売
『バトル・ロワイアル/Battle Royale』(2000)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。深作欣二監督の大ヒット作がノーカット版でBlu-ray化。『特別篇』と『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌』をセットにした「Battle Royale: The Complete Collection」も同時発売。(Anchor Bay/Starz)

『A Lonely Place To Die』(2011)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。スコットランド高地で山登りを楽しむ5人の男女が、生き埋めにされていた少女を助けたことから謎の男たちに襲撃される英国製スリラー。(IFC)[予告編]

『Letter Never Sent: Criterion Collection/送られなかった手紙』(1959)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。工業用ダイヤを求めて苛酷な旅を続ける探検チームの愛と悲劇を描いた、ソ連のミハイル・カラトーゾフ監督による名作。(Criterion)

『The War Room: Criterion Collection/クリントンを大統領にした男』(1993)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。ビル・クリントンを大統領就任に導いた選挙運動の過程を、2人の選挙参謀の目を通して描いたドキュメンタリー。(Criterion)

『Satan's Slave: Uncut/ザ・ショッカー 女子学生を襲った呪いの超常現象』 (1976)
米国盤DVD(リージョンオール)。ブリティッシュ・ホラーの鬼才、ノーマン・J・ウォーレン監督による怪作オカルトホラー。(Scorpion Releasing)

lean-coward_usbrdbox.jpg

●2012.3.27発売
「David Lean Directs Noel Coward: Criterion Collection」(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。デイヴィッド・リーン監督が40年代に手がけた『軍旗の下に』『幸福なる種族』『陽気な幽霊』『逢びき』をセットにした4枚組ボックス。(Criterion)

『A Night To Remember: Criterion Collection/SOSタイタニック 忘れえぬ夜』(1958) (Blu-ray)
米国盤Blu-ray。1912年のタイタニック沈没事故を生々しいタッチで描いたパニック映画の古典。監督はロイ・ウォード・ベイカー。(Criterion)

『A Dangerous Method』(2011)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。デイヴィッド・クローネンバーグ監督最新作。若き精神科医ユングとその師フロイト、そしてサビーナという若い女性が織り成す心理劇。マイケル・ファスベンダー、ヴィゴ・モーテンセン、キーラ・ナイトレイ主演。(Sony Pictures)[予告編]

『Romantics Anonymous/匿名レンアイ相談所』(2010)
米国盤DVD(リージョン1)。フランス映画祭でも上映された、ブノワ・ポールヴールド主演の恋愛コメディ。監督はジャン=ピエール・アメリス。(New Video)[予告編]

『The Girl In Room 2A/戦慄!2Aの女』(1973)
米国盤DVD(リージョン1)。ダニエラ・ジョルダーノ、ラフ・ヴァローネ共演のジャーロ。(Mondo Macabro)

『Strip Nude For Your Killer』(1975)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。エドウィージュ・フェネシュ主演のジャーロが高画質で再登場。監督はアンドレア・ビアンキ。(Blue Underground)

●2012.4.2発売
『Demons/デモンズ』(1985)(Blu-Ray)
英国盤Blu-ray。ダリオ・アルジェント製作、ランベルト・バーヴァ監督による80年代テイスト満載のオカルトホラーがBlu-ray化。(Arrow Video)

chinatown_usbrd.jpg

●2012.4.3発売
『Chinatown/チャイナタウン』(1974)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。30年代ロサンゼルスを舞台にしたハードボイルド・ミステリーの秀作。特典として脚本家ロバート・タウンとデイヴィッド・フィンチャーのコメンタリーなどを収録。(Paramount)

●2012.4.10発売
「A Hollis Frampton Odyssey: Criterion Collection」(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。60~70年代に活躍した実験映像作家ホリス・フランプトンの作品集。(Criterion)

alambrista_usbrd.jpg

●2012.4.17発売
『Alambrista!: Criterion Collection』(1977)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。メキシコから不法入国して農場で働く青年の姿を描いたドラマ。監督は『アメリカン・ミー』のロバート・M・ヤング。(Criterion)

『Harold And Maude: Criterion Collection/ハロルドとモード/少年は虹を渡る』(1971) (Blu-ray)
米国盤Blu-ray。少年と老女の破天荒な恋模様を描いたハル・アシュビー監督の名作が、高画質Blu-rayで登場。(Criterion)

『Late Spring: Criterion Collection/晩春』(1949) (Blu-ray)
米国盤Blu-ray。小津安二郎が原節子と初めてコンビを組んだ名作をBlu-ray化。(Criterion)

the-organiser_usbrd.jpg

●2012.4.24発売
『The Organizer: Criterion Collection/明日に生きる』(1963)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。19世紀末のイタリアで起こった労働闘争の顛末を、マリオ・モニチェリ監督が描いた社会派ドラマ。主演はマルチェロ・マストロヤンニ。Criterion

『Cinema Verite』(2011)(Blu-ray)
米国盤Blu-ray。リアリティショーの先駆けと言われる1973年のTV番組「An American Family」の舞台裏を描いたドラマ。監督は『アメリカン・スプレンダー』のコンビ。(HBO)[予告編]

『The Killer Nun/レイプ・ショック』(1978) (Blu-ray)
米国盤Blu-ray。アニタ・エクバーグの怪演が圧倒的なイタリア製尼僧ホラーがBlu-rayで再登場。(Blue Underground)

nightbirds_ukbrd.jpg

●2012.5.21発売
『Nightbirds』(1969)(DVD + Blu-ray)
英国盤Blu-ray。ニューヨークを拠点に活動したアングラ・ホラー映画作家、アンディ・ミリガンがロンドンで撮り上げた幻の作品。なぜか『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフンがHDマスター監修に参加。特典としてミリガンの長編『The Body Beneath』も収録。(BFI Video)

スポンサーサイト

映画秘宝3月号!(ベスト&トホホ10、『ドラゴン・タトゥー』、『ハンター』)etc.

HIHO201203_cover.jpg

 本日1/21発売の「映画秘宝 2012年3月号」は、毎年恒例のベスト&トホホ10発表号。総勢100人超の選者に混じって、ぼくも参加させてもらっています。総合順位にはかすりもしないタイトル並びになってしまったのは、現時点で未公開の作品ばかり入れてしまったせいもありますが、面白かったんだからしょうがない!

 今回は2本の新作記事も担当しました。まずは、スウェーデン発の世界的ベストセラー小説をデイヴィッド・フィンチャー監督が映画化した話題作『ドラゴン・タトゥーの女』(2/10公開)の特集。ぼくは「完全ネタバレ御免!『ドラゴン・タトゥーの女』原作×スウェーデン版×フィンチャー版」という記事を書かせていただきました。すでに原作を読んだ方、スウェーデン版の映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(2009)を観た方、その両方をすでにチェックしていて、フィンチャー版はどこがどう違うのか気になって仕方ないという読者に向けて書いたテキストです。もし、フィンチャー版をまっさらの状態で楽しみたい方は、その見開きだけホチキスでとめておいてください! ホントに危険なので! 映画が公開されて「どのへんが原作や前の映画化と違うんだろう?」と思ったら、封を解いて読んでいただければと思います。多分、現時点でいちばん詳しく書いてあるはずです。

 ちなみにぼくはスウェーデン版より、原作に忠実かつスマートの脚色が光るフィンチャー版のほうが好きです(脚本はスティーヴン・ザイリアン)。ラストシーンも小説版の余韻を的確にすくっていて素晴らしい。リスベットになりきったルーニー・マーラの熱演、ダニエル・クレイグの「傷ついた男」の渋い佇まい、そして名優クリストファー・プラマーの堂々たる迫力は必見!

 もうひとつの記事は、オーストラリアの秘境タスマニアを舞台にした異色のネイチャーアクションドラマ『ハンター』(2/4公開)に主演したウィレム・デフォーのインタビュー記事。まさか人生でウィレム・デフォーにインタビューできる日が来るとは思ってもいませんでした(しかも今年の初仕事)。電話インタビューだったので短い記事ですが、とても優しい口調で真面目に答えていただきました。そんなデフォー先生が今回演じるのは、ある軍需企業の依頼で幻の動物「タスマニアタイガー」を捕まえることになる凄腕の傭兵というキャラクター。映画自体もなかなか珍しいタイプの作品で、おすすめです。

killer-butterfly_1978_kiss.jpg
▲KMDB VODにて配信中の『殺人蝶を追う女』(1978)より

 そして、トラッシュカルチャーマガジン「TRASH-UP!! vol.11」も、2/4発売に向けてラストスパート中。ぼくは今回、「KMDBで韓国映画を見よう!(前編)」という記事を書きました。約400本ものライブラリーを誇る韓国の映画データベース「KMDB」の動画配信サービスについて、登録方法や動画の見方などを解説しています。具体的にどんな作品が配信されていて、どんな作品がおすすめかというのは、次号の後編でガッツリ書かせていただきます!(ここ最近は毎日のようにKMDBで韓国映画を観てリサーチを進めております)

『殺人蝶を追う女』(1978)

『殺人蝶を追う女』
原題:살인나비를 쫓는 여자(1978)
英語題:A Woman After A Killer Butterfly

killer-butterfly_1978_poster2.jpg

 韓国映画史上屈指の怪作。先頃リメイク版が公開された『下女』(1960)をはじめ、強烈な作品群を世に残した鬼才キム・ギヨンのフィルモグラフィの中でも、最も難解かつ奇怪な内容といわれている極めつけの一本だ。約1ヶ月という短期間で撮り上げた即席企画だったため、監督本人もまるで中身を覚えていなかったというが、それだけに彼のいびつな作家性が精査されずダイレクトに表れた映画ともいえる。「キム・ギヨン作品の中で最もグロテスクで、最もB級ジャンルムービーに近づいた作品」というのは、ポン・ジュノ監督の言である。製作を手がけたのは『娼婦物語/激愛』(1982)などの監督としても知られるチョン・ジヌ。本作は彼が監督あるいはプロデュースした『カッコーの啼く夜/別離』(1980)や『蝶々、懐で泣いた』(1983)といった一連の「動植物」タイトルの1本でもある。

 数年前、とあるネットショップでこの映画の海賊版ビデオを購入し、ガビガビの画質とノイズ入りまくりの音質にたまげながらも最後まで観通した時、さっぱりワケは分からなかったものの、妙に清々しい感動を覚えた。確かにストーリー展開はハチャメチャである。何度殺しても生き返る不気味な老人が出てきたり、千年前のガイコツが絶世の美女になって甦ったり、主人公の生首がゲタゲタ笑ったり、異常かつ怪奇味満点な場面がてんこ盛り。それでいてメランコリックな哀愁を湛えた青春映画でもあり、生と死を哲学的に考察した文芸作品でもある。(←ちょっと盛った)

 字幕なしで無理やり観た上、元の素材は韓国によくある短縮版ビデオ(テープ代を安くあげるため、勝手に90分以内にカットしてしまう粗悪品)だったが、それでも十分に衝撃的だった。その後、韓国映画データベースの動画配信サービス「KMDB VOD」で、117分の全長版が観られるようになったものの、初見時から大して語学力も上達していなかったので、しばらく放ったらかしていた。最近になって、韓国映画データベースについての記事を「TRASH-UP!!」に書こうと思い、それを機にようやくノーカット・ノートリミング版で観てみた。そしたら、いろいろと腑に落ちるところがあり、前よりは作品が理解できたような気がした。

(以下、ストーリーの詳細について触れています。ネタバレ注意!)
【“『殺人蝶を追う女』(1978)”の続きを読む】

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。