Simply Dead

映画の感想文。

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「TRASH-UP!! vol.8」発売中!

 読んでるだけで(重さで)腕が鍛えられるという、エクササイズにもぴったりのトラッシュカルチャーマガジン「TRASH-UP!! vol.8」が本日2月26日より発売中です。昨日もらった現物をパラパラとめくったかぎり、今回もそう簡単には読み終わらせねえぞ! という闇雲な気合いに充ち満ちております。戸川昌子ロングインタビュー《前編》を始め、山崎圭司さんの『ピラニア3D』レビュー、DIY映画祭のススメ by トーキョーノーザンライツフェスティバル2011、八重子さんの『江戸川乱歩の美女シリーズ』全作解題《前編》、餓鬼さんの2010年ベスト&ワースト、高鳥都さんの『復讐の歌が聞こえる』をめぐる検証、渾身のジャン・ローラン追悼記事などなど、注目記事が満載。ぼくは前回の記事でお伝えしたとおり、クロード・シャブロル監督の追悼特集と、3月26日公開が決定した話題作『ビー・デビル』のチャン・チョルス監督ロングインタビューを担当しております。

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「TRASH-UP!! vol.8」
 2月26日発売
 定価1575円(税込)

 TRASH-UP!! 公式サイトタコシェビデオマーケットAmazon.co.jp ほかにて取扱中
 (全国の「TRASH-UP!!」取扱店リストはこちら

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《PICK UP》
 戸川昌子 ロングインタビュー 前編
 クロード・シャブロル特集
 餓鬼だらくの「ニセトップガン空爆大作戦」

《MOVIE》
 ピラニア3D
 天知茂の『江戸川乱歩の美女シリーズ』全作解題 前編 by 真魚八重子
 大量殺人映画『復讐の歌が聞こえる』をめぐる不幸
 餓鬼だらくの2010年ベスト&ワースト
 DIY映画祭のすすめ トーキョーノーザンライツフェスティバル2011
 『ビー・デビル』 チャン・チョルス監督インタビュー
 追悼 ジャン・ローラン
 『携帯彼氏』 船曳真珠監督インタビュー
 アサイラム祭ガイド
 心中映画恋愛講座

《MUSIC》
 ケラ&ザ・シンセサイザーズ インタビュー
 オオルタイチ
 ミックスナッツハウス&うずら 「おめでとう2011年!宇宙の旅」ふたり壮行会
 壊れかけのテープレコーダーズ インタビュー
 対談 澤部渡(スカート)× 金剛地武志(yes,mama ok?)
 COMBO PIANO
 2MUCH CREW 座談会
 住所不定無職 インタビュー
 シスターポール インタビュー
 撃鉄 インタビュー
 笹口騒音ハーモニカ
 宮崎貴士
 VIVIAN BOYS
 HADA

《COLUMN》
 紐育此岸 ボーダーライン観光案内
 ちょっと聞いてよ! YOU GOT A RADIO!
 大韓ロック的旅行記
 フレネシ&ショック太郎 世の中はシックシック
 ガール椿 死刑台へのエレベーター
 ボルヘスを殺せ!
 原田ブリスキン バンコク式といこうじゃないか
 Wiilie Whopperのベレーザ! ブラジル
 赤い疑惑・アクセル長尾的ワールドミュージックガイド
 LOVE♥IDOL FOREVER!! 吉澤幸男(ガガキライズ)
 アクセル長尾的ワールドミュージックガイド
 道下慎介の迷宮世界
 ブラジル音楽辺境地図 ケペル木村
 ナカダヨーコ
 田房永子
 夢見るちから 神谷一義(オフノート)
 「バウス日記」 武川寛幸
 「人」 見汐麻衣(埋火)
 俺はシンドローマー 吉野純弥

《COMIC》
 呪みちる「エレノイド・ミッシェル」
 うぐいす祥子
 根本敬×河村康輔
 maruosa
 やまがたいくひろ(core of bells)
 安里アンリ(ワッツーシ・ゾンビ)
 秋葉慎一郎
 DODDODO
 石井モタコ(オシリペンペンズ)
 ai7n

《詩》
 小笠原鳥類
 広瀬大志

《小説》
 広海牧子 「倫子の指」

【特典MIXDVD】
 フレネシ「オナガミズアオの妖精」
 HADA×まっち 「出発2」
 さとうあやか作 「あやちゃん」
 内藤瑛亮監督最新作 『先生を流産させる会』 特報
 ミックスナッツハウス PV「桜の集い」
 DANIEL KWON 「A Tiger's Meal」
 スカート PV「ハル」
 笹口騒音ハーモニカ「うるう年に生まれて」「東京駅」
 otori 「メタ」
 箱入り気分 「夢うつつ」「白昼そそう」「x+y=xxxx xxx」
 inco. 「サタニック終着駅」
 DJ肉棒
 チッツ
 ジャン・ローランの予告編集
 Zombi Girl 予告編
 アサイラム祭
 ...........100分以上収録!

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 あと、個人的に、やまがたいくひろ(core of bells)さんのマンガ「CAMP」が素晴らしいと思いました。たけのこ姉妹シリーズ復活も嬉しい! いちばんの衝撃は、巻末にあった「トラッシュアップ叢書創刊」のお知らせ。そんなの出るの!? しかも初夏に!? 全然知らなかったよ!

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お知らせなど(TRASH-UP!! vol.8、映画秘宝「アジア映画驚速レポート」 etc.)

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 トラッシュカルチャーマガジン「TRASH-UP!! vol.8」の発売日が、2011年2月26日に決定しました。ぼくは今回、昨年亡くなったクロード・シャブロル監督の追悼記事として、「シャブロル流スリラーの世界 60's―80's」という原稿を書かせていただきました。とにかく本数が多いので、スリラージャンルに的を絞りつつ、61年の『悪意の眼』から87年の『ふくろうの叫び』までの主要作品を取り上げ、スリラー作家シャブロルの魅力について2万字ほどつらつらと綴っております。個人的には、シャブロル中毒に陥るきっかけになったキュートな快作『Masques』や、今回の記事のために初めて観た『Les Fantômes du Chapelier』『Poulet au Vinaigre』といった傑作群について書くことができて、凄く嬉しかったです。写真をふんだんに使った賑やかな誌面となっておりますので、ファンの方はもちろん、シャブロル入門者の方もぜひ!

 そして、今春シアターN渋谷ほかにて公開される衝撃作『ビー・デビル』のチャン・チョルス監督へのインタビュー記事も掲載されております。こちらは、劇場で販売されるパンフレットにも収録されるインタビュー記事の、完全ノーカット版になります(だからちょっとだけネタバレあり)。劇場観賞のお供にぜひ! 雑誌全体の内容についてのお知らせは、また後日改めて。

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 また、本日19日から池袋シネマ・ロサで開催されているイベント「MOOSIC LAB」にて、2/20(日)夜9時より、TRASH-UP!!プレゼンツとして継田淳監督のエロティック・スプラッター・コメディ『ファッション・ヘル』がスクリーン上映されます。「トラッシュムービーとは何か?」という精神性が限りなくパーフェクトに結晶化された快作にして、観終わったあと風俗へ行きたくなること請け合い?の「大人の娯楽作」です。祝・ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭正式参加決定! 同時上映は、もはや一部では伝説と化しつつある新鋭・内藤瑛亮監督による短編スプラッターホラーの傑作『牛乳王子』。学生残酷映画祭2009でグランプリを獲得し、スラムダンス映画祭にも正式招待された話題作です(予告編はこちら)。当日は継田監督と内藤監督、古澤健監督のトークショーもあり。

 そして、2/25(金)夜9時からは、同じくシネマ・ロサにて『痴漢ドワーフ』TRASH-UP!!編集部&スペシャルゲストによるライブ・コメンタリー付き上映という、たいへん素晴らしいイベントも開催されます。あの伝説のトラッシュマウンテンビデオ版『痴漢ドワーフ』DVDの、超豪華メンバーによるオーディオコメンタリーの衝撃が再び! 「TRASH-UP!! vol.8」の先行販売もあるかも?

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 そして、2月21日発売の雑誌「映画秘宝 2011年4月号」では、「最凶アジア映画驚速レポート」という記事を書かせていただきました。ぼくは韓国編、中国編、タイ&台湾編を担当しております。韓国編ではウォンビン主演の大傑作バイオレンスアクション『アジョシ』や、カン・ドンウォン主演のファンタジーコメディ『チョンウチ』などを推しつつ、中国編では鬼才チアン・ウェン監督・主演の最新ヒット作『讓子彈飛』、西部劇タッチのハードボイルド犯罪活劇『西風烈』などを取り上げ、タイ編ではプラッチャヤー・ピンゲーオ監督の新作『The Kick』の最新情報、寺巡りホラー『9 wat』あたりをフィーチャーしております。香港編も書いたのですが、内容が膨らみすぎてしまったのと、訃報記事が急遽増えてしまったため、次号回しになりました。自分で言うのもナンですが、ムチャクチャ充実した記事になっていると思います! 鷲巣義明さん、江戸木純さんの原稿も非常に読み応えがあるので、ぜひご一読ください!

 加えて、『トゥルー・グリット』と『シリアスマン』の公開に合わせた「コーエン兄弟特集」でも、全作品レビューに参加させてもらいました。ぼくは『ブラッド・シンプル』 『赤ちゃん泥棒』 『バートン・フィンク』 『バーバー』 『バーン・アフター・リーディング』について書かせていただいております。昔から大好きだったので、こちらもかなり熱を入れて書きました。『赤ちゃん泥棒』とかは、もう好きすぎておかしなテンションの文章になってしまいましたが……。

 そんなわけで、気合いの入った仕事が立て続けに発表になります。よろしくお願いします!

『イップ・マン 序章』(2008)

『イップ・マン 序章』
原題:葉問(2008)

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 甄子丹與葉偉信的最高傑作。かのブルース・リーが唯一師と仰いだ人物であり、詠春拳の師範として世界中に数多くの弟子を持つ実在の武道家、イップ・マン。その人物像にスポットを当て、彼の目指した理念や求道者としての生きざまを、戦前・戦中の激動の時代を背景に描いたクンフーアクションドラマの傑作である。主人公イップ・マンを演じるのは、本作によって中華圏を代表するアクションスターとして完全ブレイクを果たした、甄子丹ことドニー・イェン。そして、監督は『SPL/狼よ静かに死ね』(2005)以来、ドニーとがっちりタッグを組み続ける葉偉信ことウィルソン・イップ。この映画の素晴らしさについては雑誌「映画秘宝」でも何度か書かせてもらったけれども、それでもやっぱり言い尽くせないほどの魅力が詰まった傑作だと思う。ファンの熱心な後押しによって、最速で劇場公開が決定したのも、本当に喜ばしいことだ。

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 なんといっても、身も心もイップ・マンになりきったドニー・イェンの佇まいが素晴らしい。これまでの主演作では「怒兄威炎」と書いてドニー・イェンと読ませるぐらいの獰猛な気迫が全身からみなぎっていた彼が、本作では打って変わって、泰然自若とした物腰に父性と優しさを湛えた「静かなる男」を見事に演じきり、従来のイメージを完全に打ち破った堂々たる名演を見せてくれる。彼は本作の撮影に入る前、イップ・マンの人物像と詠春拳の極意に迫るため、ほかの作品の現場などを飛び回りながら、9ヶ月にわたって綿密なリサーチを重ねたそうだ。その成果は、とてつもなく魅力的なかたちでフィルムのなかに結実している。

 無敵の武道家としての風格に満ち溢れながら、どこまでも謙虚な姿勢を貫くイップ・マンの人物像は、外見的にはどちらかというと地味目なドニーの個性ともぴったり合っている。つまり、これ以上にないハマリ役であり、同時に俳優ドニー・イェンのキャリアにおいては極めて異色の役柄でもある。今までは超人的アクションスキルに磨きをかけ、熱く烈しいオーラを全身から発散することで「放っておくと地味になる」コンプレックスを克服しようとしてきた(?)執念の人=ドニーが、今回はその強すぎる「我」を完全に捨て去り、イップ・マンという人物と同化することに全力を注いでいる。そういう意味でも、役者として一皮も二皮も剥けた演技を達成している本作のドニーは、もう見ているだけで感動的なのだ。

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 また、役作りに集中するため、今回はアクション監督を他人に任せることに決めた彼が、そこで大先輩のサモ・ハン・キンポーを起用したという人選にもまたグッとくる。サモ・ハンは過去に『燃えよデブゴン10/友情拳』(1978)や『ユン・ピョウ IN ドラ息子カンフー』(1981)といった詠春拳映画のクラシックを手がけており、また日本の空手を含めた各種武道にも幅広く通じていたため、その知識と経験値を踏まえて「もうこの人に頼むしかない」という結論になったらしい。裏方に徹したクンフーアクションの大家サモ・ハンと、トレードマークとも言える「オレ様節」をかなぐり捨ててイップ・マン役に挑んだドニーが、どんなコラボレーションを見せているかという点でも、実に見どころの多い作品である。

 独特の格闘様式をもつ“詠春拳”を全面的にフィーチャーしたアクションシーンの数々は、言うまでもなく本作最大の見せ場だ。接近戦を基本とし、最小限の動作で流麗な手技を矢継ぎ早に繰り出す詠春拳は、ビジュアル的にも実に魅力的。映画の前半、次々に勝負を挑んでくる武道家たちとイップ・マンが繰り広げる対戦シーンでは、優雅でありつつエスプリの利いたアクション設計で、観客をとことん楽しませてくれる。中でも、ルイス・ファン扮する荒くれ者カム・サンチャウとのバトルが素晴らしい。「静」と「動」のコントラストのなかで、イップ・マンの圧倒的な強さと流麗さを際立たせていく演出が実に見事だ。川井憲次による音楽がまた絶品で、時に勇壮に、時にユーモラスに、ふたりの対決を最大限に盛り上げてみせる。

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 日本統治下の暗い時代を描いた後半では、抑圧された中国人の憤怒を体現するエモーショナルなアクションが展開。理不尽な暴力によって友人たちの命を奪われたイップ・マンが、日本軍の道場で10人の相手と組み合うくだりは特に圧巻だ。ここでは流麗なだけでなく、無数の拳を急所に叩き込んで相手を再起不能に陥れる詠春拳の恐ろしさが、圧倒的な迫力で映し出される。ド兄ィの数あるアクション・ヒストリーの中でも一、二を争うインパクトを誇るシークェンスと言えよう。

 そして、クライマックスで行われる空手使いの日本軍将校・三浦との一騎打ちも、まさに息をのむ仕上がり。武道家としての矜持、そして中国人としての誇りをかけて決闘に臨むイップ・マン=ドニーの戦いぶりは、もはや闘神の貫録をも感じさせる。そんなドニー先生を相手に堂々と渡り合う三浦役・池内博之の力演も特筆モノだ(『SPACE BATTLESHIP ヤマト』とかに出てる場合じゃない!)。

 詠春拳という独自の美学を持った武術の魅力を最大限に引き出しつつ、ダイナミックでアクロバティックな香港映画式アクションの醍醐味もふんだんに盛り込んだ『イップ・マン 序章』の動作設計は、ここ10年間に作られた全アクション映画の中でも、トップレベルのクオリティと言っていい。サモ・ハンにとっても近年の代表作となったのではないだろうか。ドニー以外の俳優たちが演じたアクションシーンにも、忘れ難い場面はたくさんある。例えば、前半でサンチャウが佛山武館街の道場主たちを次々とコテンパンに叩きのめしていくシークェンス。ルイス・ファンの重量感のあるアクションと、役者としての強烈な存在感に、思わず鳥肌が立つ珠玉の名場面だ。

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 アクションのみならず、ドラマとしての魅力も十二分に兼ね備えているところが、本作の美点。映画の中心軸となるのは、イップ・マンとその妻、その息子という小さな家族の物語であり、戦時下という極限状況のなかでそれを懸命に守ろうとする男の試練の物語でもある。それまで働いたこともなく武道一辺倒だったイップ・マンは、愛する妻と息子との生活を守るため、慣れない肉体労働の職につき、身を粉にして一家の大黒柱たらんとする。すでに人格者として完成されたような人物の、さらなる社会的成長を見つめようとする視点が、普遍的な感動を誘うのだ。(ちなみに実際のイップ・マンは、佛山で警官の職に就いていたこともあり、映画で描かれているほどのボンボンではなかったらしい)

 また、サイモン・ヤム演じる実業家チンチュンとの友情や、茶館に勤める友人リンとその弟の微妙な確執など、細かいエピソードをさりげなくも巧みに織り込み、豊かで奥行きのあるドラマが展開していく。とにかく、シナリオがうまい! 脚本を手がけたエドモンド・ウォンは、本作のプロデューサーであるレイモンド・ウォンの息子。ドニー・イェン&ウィルソン・イップ作品には、『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート』(2006)と『導火線』(2007)に続いての参加となるが、この『イップ・マン』2部作で、脚本家としての実力をしっかりと証明してみせた。

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 そして、これは'“美徳”についての物語でもある。

(以下、作品の詳しい内容や核心に触れる部分があるので、未見の方はご注意ください)

【“『イップ・マン 序章』(2008)”の続きを読む】

『イップ・マン 葉問』(2010)

『イップ・マン 葉問』
原題:葉問2(2010)

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 必見の秀作。香港ならびに中国で爆発的ヒットを記録し、ドニー・イェンを一躍大スターの座へと押し上げた『イップ・マン 序章』(2008)の、待望の続編である。香港では前作の1.5倍という興行成績を叩き出し、2010年の国内映画興収ランキングNo.1の座に輝いた。大陸でも『唐山大地震』や『譲子弾飛』といった大作に次いで、中国語作品としては年間興収第4位にランクイン。日本では単館公開なので地味な印象しかないかもしれないが、実はとんでもないメガヒット作なのである。

 すでに『イップ・マン 序章』(以下『1』)を観た人の中には、本作『イップ・マン』(以下『2』)のほうが完成度の面ではやや劣るという意見もあるし、逆に『2』のほうが前作より面白いという意見もある。個人的には、どちらの声にも納得できる。確かに、身も心もイップ・マンになりきったドニー・イェンの佇まいが与えるインパクトと感動、映画として研ぎ澄まされた完成度の高さを誇っているのは、『1』のほうだと思う。しかし、昔ながらの香港映画らしい娯楽性、前作を愛した観客たちのためのファンムービー的要素も含めたサービス精神においては、『2』のほうに軍配が上がる。特に、香港映画を長く観続けている人ほど『2』のほうを高く評価する傾向があるのではないか。

 ファンの熱心な後押しによって、『1』の劇場公開もめでたく決定した今だからこそハッキリと言えるが、『イップ・マン』2部作はやはり順番どおりに観なければ、その面白さを十分に堪能することはできない。『2』を未見の方には、ぜひこの機会に『1』からご覧になっていただきたいし、すでに『2』を劇場で堪能したという方にも、『1』を観てから再度『2』を観るとさらに細部まで楽しめるはずだ。

(以下、作品の内容に細かく触れているので、未見の方はご遠慮ください)
【“『イップ・マン 葉問』(2010)”の続きを読む】

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