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Simply Dead

映画の感想文。

お知らせなど(カナザワ映画祭の感想、映画秘宝11月号etc.)

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 こないだの三連休は「カナザワ映画祭2010 世界怪談大会」に行っておりました。仕事を引きずりながらの参加になってしまい、朝から晩まで映画を3?4本ぐらい観て、トークショーを聞いて、終わったあとにみんなで酒を飲んだりしては、宿に帰って『REDLINE』本のテキストを明け方近くまで書くという感じで、体力的には結構ハードだったんですが、今回もホントに楽しかったです!

 上映プログラムのなかで特に素晴らしかったのは、なんといっても『パラダイム』爆音上映。前から飲み会とかで「爆音でやってほしい映画」という話題になると「そらもう『パラダイム』っしょ!」と熱弁していたのに、そんなもん上映権が切れてんだろーとスルーされ続けていたタイトルだったので(実はジェネオンさんが持っていたという)、夢がかなって幸せでした。当然、爆音効果も最高でした。そして意外なことに『エクソシスト』の差し替え作品として上映された『ポゼッション』が、完全に爆音向きの傑作アクション映画であることも判明! ぜひ東京でも再演してほしいものです。さらに、朝10時から上映された『スクワーム』のイヤガラセ度が相当なものだったり(ゴカイの群れよりオープニングの音量の方が破壊力満点)、『霊幻道士』は日本劇場公開時に配給会社がつけた余計なSEつきバージョンだったり、中国古典ホラー『夜半歌聲』の内容てんこ盛り具合に驚かされたり、韓国UMA映画『チャウ』が思わぬ拾い物だったり、いろんな収穫がありました。横山茂雄×高橋洋トークショーも強烈に面白かったし、平山さん×宇多丸さん×ヨシキさんのバトルトークも心底楽しかったし、最終日の打ち上げも凄かった……とてつもない豪華ゲストが続々登場する夢を見ているかのような、濃密な時間でした。金沢の方々とも久々に会えて、またいろんな映画好きの人たちともお話できて楽しかったです。皆さま、本当にお世話になりました。

 現地・金沢では24日までシネモンドで開催中なので、お近くの方はぜひ!

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 というわけで近況報告ですが、またまた先月に続き、雑誌「映画秘宝」2010年11月号に原稿を書かせてもらいました。「映画秘宝が選ぶ異貌の俳優コレクション100!!」という特集で、恐れ多くもドナルド・サザーランド大先生と、アジア系俳優(アンソニー・ウォン、ラム・シュー、ソン・ガンホ、チェ・ミンシク、オ・ダルス)のブロックを担当しました。個人的には、ついに秘宝でオ・ダルスを紹介できた! というのが最大の喜び。『オールド・ボーイ』以降、パク・チャヌクの全作品に出演している名脇役俳優で、もちろん『渇き』にも出ています。原稿には書けませんでしたが、いちばんのオススメは『もし、あなたなら?6つの視線』の1編『N.E.P.A.L./平和と愛は終わらない』。興味がある方は要チェック!

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 そして「TRASH-UP!! vol.7」に掲載されるイ・ドゥヨン監督特集ですが、すでに原稿は全て書き終えてあります。ちょっとだけ中身を紹介すると……「イ・ドゥヨン全作品解説」「対談:韓国アクション映画の開拓者 鬼才イ・ドゥヨンの魅力を語る!」「映画『最後の証人』レビュー」「メイキング・オブ・『最後の証人』」「『デス・プルーフ』と『クレイジー・ボーイ』」「呪いの証明?イ・ドゥヨンの超自然スリラーの世界?」……てな感じです。多分、文字数的には今まででいちばん多いんじゃないでしょうか。発売は10月下旬だそうです。同時期に開催される、boid×TRASH-UP!!×シネマ・ジャック&ベティ合同企画「爆音映画祭@横浜」もよろしく!

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 あと、先ほどチラリと触れた『REDLINE』の本も、かなり大詰めに来ています。タイトルは「REDLINE SUPER ANIME ALBUM」。映画が公開される頃には書店や劇場に並んで……る気がしますよ、ええ。強く。

 アニメといえば、これも楽しみ!
 『Panty & Stocking with Garterbelt』
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お知らせなど(映画秘宝10月号、イ・ドゥヨン研究途中経過など)

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 だいぶ時間が経ってしまって近況もヘッタクレもないんですが、先月発売された「映画秘宝」2010年10月号で、またいくつか短い記事をちょこちょこっと書かせていただきました。EXPRESSコーナー内の「韓流フィルム・フェスティバル2010」紹介記事と、特集「俺たちが本当に観たい映画はこれだ!」内の作品紹介2本です。前者では秘宝読者に絶対見逃してほしくない傑作アクションコメディ『亀、走る』『カン・チョルジュン/公共の敵1?1』を推しております。天使も踏むを恐れるところ、もとい韓流おばさまの憩いの場を狂犬の目をした秘宝読者の群れで埋めてやろうぜ! とか書こうとしたら、字数が足りませんでした。後者では、ウォンビン演じる元特殊部隊の質店経営者が悪党をひたすらブチ殺しまくるバイオレンス大作『おじさん』と、孤島の村で疎外感を募らせる女性が虐殺事件を起こすまでを描く『キム・ボクナム殺人事件の顛末』について紹介しております。ホントに日本公開されるといいなあ。

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 そして「TRASH-UP!! vol.7」のイ・ドゥヨン特集ですが、最大の難関である全作品解説(60本分)も、ようやくひと段落つきました。あともう少しの辛抱です。ちなみに龍熱さんからお借りした荒唐無稽アクション『続・秘密客』(1976)と、四方田犬彦氏も絶賛されているという『お兄ちゃんがいる』(1978)があまりにも傑作だったので、改めてこの監督の研究を始めてよかったと思いました。もちろん、日本で唯一DVD化されている代表作『桑の葉』も傑作なので、予習がてらぜひ。

 あと『REDLINE』の本もつくってます。

 あと『カラフル』は絶対に劇場で観た方がいい傑作です。原恵一監督にもインタビューしてきました。

 あと『殺人蝶を追う女』ノーカット版での映像配信がKMDB VODでスタートしました。これは事件です。

 あと藤原章監督の『フラワードラムソング 寿しデカ』が、9/11までの期間限定で無料公開されています。そういえば、つぎたさんに頼まれてタイトルの文字、書いたんだった……いま思い出しました。

 あとは、1日が48時間あればいいのにと毎日思ってます。

DVD-BOX「イ・マニ コレクション」発売!

 韓国映画界の未来を担う俊英と謳われながら、四十代の若さで世を去った映画監督、イ・マニ。日本ではビデオ発売された『帰らざる海兵』(1963)や『森浦への道』(1975)といった代表作のほか、斎藤耕一監督の名作『約束』(1972)のオリジナル版である『晩秋』(1966)の監督としても、一部の映画ファンの間では知られていると思います。とはいえ、彼が残した数多くの傑作・秀作は、韓国以外の国々ではあまり紹介されていません。

 そんな知られざる名匠イ・マニの作品群を集めたDVD-BOXが、ついに韓国映像資料院から待望のリリース! 収録タイトルは、代表作『帰らざる海兵』を筆頭に、『黒い頭』(1964)、『休日』(1968)、『暗殺者』(1969)の計4本。これまでリリースされた「キム・ギヨン コレクション」「ユ・ヒョンモク コレクション」と同様、日本語字幕も収録されています。

 注目は『休日』の初ソフト化。以前ブログでも書きましたが、とてつもない美しさと痛ましさに溢れた傑作です。『黒い顔』も未見の作品なので、一体どんな内容なのか気になります。『暗殺者』はすでにKMDB VODで観ていますが、これはちょっと好き嫌いが分かれる作品かも。正直、これを選ぶくらいだったら、シン・ジュンヒョンが音楽を手がけた青春映画の大傑作『太陽のような少女』(1974)とか、イ・ドゥヨン監督の『鬼火山荘』(1980)の元ネタになったという傑作スリラー『魔の階段』(1964)とかを入れてくれた方が百倍嬉しかったのに……と思わないでもありません。

 でも、こういった商品が日本語字幕つきでリリースされること自体が快挙。昔の韓国映画に興味があって、お金に余裕のある人は、迷わずご購入ください。絶対に損はしないと思います。『太陽のような少女』や『魔の階段』などを収録した「イ・マニ コレクション Vol.2」を続けて出してもらうためにも、ぜひ!

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イ・マニ コレクション
4枚組/全作品ワイドスクリーン収録/韓国語・英語・日本語字幕つき
特典:オーディオコメンタリー、ドキュメンタリー「映画監督イ・マニ」、イメージギャラリー、『黒い頭』フィルムカット、解説ブックレット(英語・韓国語)
2010年9月11日発売

《収録作品》
『帰らざる海兵』(1963)
孤児になった少女を連れて行軍する海兵部隊の姿を描いた戦争映画の秀作。日本でもビデオ発売されたイ・マニ監督の代表作。『チョンウチ』のチュ・ドンフン監督と、映画雑誌「シネ21」記者チュ・ソンチョルによる音声解説つき。

『黒い頭』(1964)
チャン・ドンフィ演じる“黒い頭”と呼ばれる暗黒街のボスと、不倫の罪を着せられた彼の妻の物語を軸として展開する韓国版フィルムノワール。『渇き』のパク・チャヌク監督と、映画評論家キム・ヨンジンによる音声解説つき。

『休日』(1968)
日曜日ごとに逢瀬を重ねる恋人たち。彼らが悲劇的な運命をたどる1日の物語を描いた、痛切なラブストーリー。メランコリックな美しさに溢れた傑作だが、当時はその内容の暗さゆえ、公開中止の憂き目にあった。主演のシン・ソンイルの演技が素晴らしい。映画評論家/監督のチョン・ソンイルによる音声解説つき。

『暗殺者』(1969)
共産党を離脱した将軍を暗殺するため、湖畔の別荘地に送り込まれたひとりの殺し屋。サスペンスフルでありつつ、ゆったりした時間感覚で決定的瞬間が引き延ばされていく異色のスリラー。ヒロインとなる少女への目線も独特。『キリマンジャロ』のオ・スンウク監督と、映画雑誌「シネ21」記者チュ・ソンチョルによる音声解説つき。