Simply Dead

映画の感想文。

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『クレイジー・ボーイ』(1985)

『クレイジー・ボーイ』
原題:돌아이(1985)
英語題:Crazy Boy

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 韓国の人気歌手・タレントのチョン・ヨンロクが主演した痛快アクションコメディ。彼が演じるのは5人組ガールズバンド“スリラー”のマネージャー兼用心棒。でっかい黒縁メガネと小柄な身体がトレードマークの彼は、見た目は冴えないが実はクンフーの使い手。気が短くて正義感が強すぎるあまり、常に揉めごとや生傷が絶えず、バンドのメンバーに叱られることもしばしば……。そんなキレやすくも心優しい“クレイジーボーイ”が、自由奔放でわがままな美女たちを守るため四苦八苦する姿をテンポよく描いた、80年代ムードたっぷりの娯楽活劇だ。韓国では大ヒットを記録し、3本の続編も製作された。

 監督は『最後の証人』(1980)のイ・ドゥヨン。70年代にはテコンドー映画を数多く手がけ、年間6本も撮ったことがあるというイ監督の職人ぶりが、本作でも遺憾なく発揮されている。コメディ、お色気、クンフーアクション、カーアクション、人情ドラマと、娯楽映画の要素を(ほとんど思いつきのように)盛り込めるだけ盛り込み、上映時間114分をまったく飽きさせない。イ監督は同年に韓国版『東京物語』といわれる家族ドラマ『長男』も撮っていて、翌年には大ヒット作『桑の葉』(1986)を放つ。とにかく韓国の職人監督はジャンルの幅が広い。

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 重厚な社会派サスペンス映画である『最後の証人』でもやたら迫力あるアクションシーンに度胆を抜かれたが、この『クレイジー・ボーイ』にも見応えある立ち回りが満載。本作では当時大人気だったジャッキー・チェン主演映画の影響をモロに受けており、コミカルでハイテンポな格闘様式が採り入れられている。本家ジャッキーに比べれば若干見劣りするものの、チョン・ヨンロクのアクションには充分以上のスピードと迫力があり、特に足技のキレが素晴らしい。かなりハードなスタントにも挑戦していて、歌手が片手間でやっているというレベルではない。

 でもいちばん楽しいのは、主人公がガールズバンドのマネージャーであるという設定。カラフルな80年代ファッションに身を包んだスタイル抜群の長身美女たちの周りを、使いっ走りみたいな主人公がちょこまか駆け回る姿が何ともおかしくて愛らしい(「あー、日本語でいう太鼓持ちか」なんて台詞も出てくる)。やること為すこと裏目に出たり、なんだかんだ文句を言われたりしながら、最終的には女の子たちから「オッパ?!(=お兄ちゃん)」と慕われるという、ある種の理想的ヒーロー像でもある。コミカルな三枚目と、目の奥に殺気を宿したファイターという2つの表情を、チョン・ヨンロクは嫌味なく好演。確かにハマリ役だ。

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 バンドメンバーを演じる美女たちも全員キャラが立っていて、本作のもう一方の主役としてしっかりドラマを引っ張っている。ステージでの演奏シーンも結構かっこいい。曲ものっけからザ・ゴーゴーズ「We Got The Beat」のカヴァーだったりして、エイティーズ好きの方にはたまらないのではないか。そこにまた80年代アジア圏ならではのイナタイ都会的センスが加わり、いい風味を醸し出している。バンドのオリジナル曲はポップソングとして完成度が高く、今聴いても普通にアガル名曲揃い。主題歌「DOLAI」もすごくいいし、ヨンロクのヴォーカル曲も耳に残る。

 また、奔放なヒロインたちが見せるセクシーショットの数々も、本作の大事な見どころ。水着の股間を執拗に狙ったりするカメラワークは、女性が見るとちょっとカチンとくるかもしれない。彼女たちを野郎どもの魔の手からいかに守り抜くか、というのが主人公の重要なミッションでもあるわけだが、努力の甲斐なく結構ハードな展開になったりするのが韓国映画らしい。

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 脚本は『最後の証人』や『桑の葉』(1986)など、イ・ドゥヨン監督とたびたび組んでいるユン・サミュク。細かい事件のエピソードを次々に積み重ねていく構成は『Mr.BOO!』シリーズを思わせるが、その畳み掛け方があまりにも早急なので、どんだけ矢継ぎ早にトラブルが舞い込んでくるのかと途中で思わず笑ってしまう。もう最後になると戦ってる相手の正体が誰なんだかよく分からないほどだ(ちょっと阪本順治監督の『鉄拳』っぽい)。でもまあ別にいいか、と思わせる大らかさが本作の魅力である。

 80年代アジア圏の娯楽映画ならではの、懐かしい魅力がいっぱいに詰まった快作。荒っぽいところも「そこでそれはどうなの!?」というツッコミどころも多々あるが、それもまた面白みのひとつだ。こういう映画がもっと観てみたい。

▼続編『クレイジー・ボーイ2』のサントラCDジャケット
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・Yesasia.com
DVD『クレイジー・ボーイ』(韓国盤・リージョンオール・英語字幕つき)

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欲しいDVDリスト・国内編[2009.3+α]

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「TRASH-UP!!」次号取材のため、みんなで韓国へ行ってきました。面白い話をたくさん聞けたし、美味いもんもたらふく食べたし、DVDも買い漁ったし、韓国映像資料院のシネマテークも覗いてきました(展示品の中にはキム・ギヨン監督の遺品も)。詳細は第3号にて! というわけで、さらに火の車が加速したのに無理くり所有欲をたぎらせる欲しいものリスト・国内編のお時間です。3月の目玉は、待望の初DVD化を果たすロバート・アルドリッチ監督の名作『北国の帝王』、石井聰亙監督の傑作『狂い咲きサンダーロード』初単品リリース、西村潔監督の傑作カーアクション『ヘアピン・サーカス』、アメコミヒーロー映画の突破口的快作『アイアンマン』、まさかのオスカー受賞を果たした秀作『おくりびと』、STUDIO4℃渾身の力作オムニバスアニメ『Genius Party Beyond』などなど。各商品タイトルのリンク先は、Amazon.co.jp


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●2009.3.4発売
『モール・フランダース ?偽りと欲望の航海?』
ロビン・ライト・ペン主演で映画化されたこともある、イギリスの文豪ダニエル・デフォーの古典小説を映像化したTVミニシリーズ。18世紀、獄中で生を受けた女性モール・フランダースの辿る波瀾万丈の人生を描く。主演は『ルール・オブ・デス/カジノの死角』『ER』のアレックス・キングストン。共演はダニエル・クレイグ、ダイアナ・リグ。(アットエンタテインメント)

●2009.3.6発売
『北国の帝王』(1973)
ロバート・アルドリッチ監督の代表作がついにDVD化。列車にタダ乗りしてアメリカを旅するホーボーたちと、凶悪な車掌との死闘を描く。詩情とロマンと壮絶なアクションに満ちた、唯一無二の傑作ロードムービー。主演はリー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、キース・キャラダイン。(20世紀フォックス)

『ジョンとメリー』(1969)
互いに名前も知らぬままベッドを共にした男と女。彼らの過ごす一日を通して、男女の心の機微を繊細に綴った恋愛ドラマの佳作。主演はダスティン・ホフマンとミア・ファーロー。イギリス出身の監督ピーター・イエーツが『ブリット』の翌年に撮り上げたハリウッド第2作。(20世紀フォックス)

『ラスト・アメリカン・ヒーロー』(1973)
密造酒の運び屋として日頃からパトカー相手にデッドヒートを繰り広げていた青年が、ある時カーレースに出場して自分の天職を見出す。実在のレーサー、ジュニア・ジャクソンの破天荒な人生を描いた青春ドラマ。レースの魅力にのめり込んでいく主人公をジェフ・ブリッジスが好演。(20世紀フォックス)

『アメリカン・ティーン』(2008)
アメリカ中西部インディアナ州の地方都市ワルシャワ。そこにある高校を舞台に、アメリカの学校社会に典型的なヒエラルキー構造を代表する5人の生徒たちにスポットを当て、彼らの高校最後の1年間を追っていく秀作ドキュメンタリー。監督は『くたばれ!ハリウッド』のナネット・バースタイン。(パラマウント)

『リダクテッド 真実の価値』(2007)
ブライアン・デ・パルマ監督がイラク戦争で実際に起こった事件をもとに描く問題作。国民に真実を伝えようとしない米メディアへの批判を込め、プライベートビデオやニュース映像などを編集した映像という体裁で、戦場の醜悪な実態を生々しく映しだす。編集はこれまで数々の作品でデ・パルマと組んできたビル・パンコウ。(ジェネオン)

『真心話』(1999)
雑誌記者アシンは映画館で不思議な少女アゼンと出会う。酒と薬に溺れ、荒んだ日々を生きる彼女を取材対象として追ううち、アシンの中に愛情が芽生え始める……。ジャッキー・チェン主演の新作『新宿インシデント』が公開を控える、イー・トンシン監督によるラブストーリー。主人公の記者を演じるのは人気歌手・俳優のピーター・ホー。(竹書房)

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『狂い咲きサンダーロード』コレクターズ・エディション(1980)
石井聰亙監督の傑作パンクムービーが、待望の初単品リリース。山田辰夫演じる特攻隊長ジンさんの繰り広げる抵抗と反逆の軌跡は、30年経った今でも永遠不滅の輝きと引火性の狂熱を放ち続ける。これこそパンク・スピリット。いま劇場にかかってる少年メリケンなんちゃらのフィルムを全て本作に差し替えたらきっと素敵な世の中になるはず。特製Tシャツ、撮影台本復刻版、ステッカーなどを同梱したコレクターズ・エディションのほか、本編ディスクのみのスタンダード・エディションも同時リリース。(トランスフォーマー)

『高校大パニック』+『1/880000の孤独』(1977)
自主映画の観念を打ち破り、石井聰亙監督の名を一躍世に知らしめた短編『高校大パニック』と、東京で一人暮らしする浪人生の鬱々とした日々を描く問題作『1/880000の孤独』を収録した初期作品集。ニューシネマからの影響が如実に反映された2作でもある。(トランスフォーマー)

『突撃!博多愚連隊』(1978)
石井聰亙監督が日活で長編版『高校大パニック』を撮った後、そのフラストレーションを爆発させるかのごとく渾身の力で撮り上げたアウトロー映画の傑作。ひょんなことから拳銃を手に入れたしがないチンピラが、仲間たちと共に幼稚園に立てこもり、警官や暴力団を相手に熾烈な闘争を繰り広げる。とても自主制作の8ミリ映画とは思えない迫力のアクションシーンと共に、やり場のない怒りと孤独を抱えた野良犬たちの暴走をパワフルに描く。(トランスフォーマー)

『シャッフル』(1981)
大友克洋の短編マンガ「Run」を原作に、拳銃を手にしたチンピラと刑事の追っかけを疾走感溢れるモノクロ映像で描いた35分の小傑作。逃げるモヒカン青年を演じるのは中島陽典、追う刑事を演じるのは今やドキュメンタリー作家の森達也。途中のカラーシークェンスはちとダサイけど、大友克洋作品の映像化の中では出色の出来だと思う。(トランスフォーマー)

『アジアの逆襲 REMIX LIVE VERSION』+『THE MASTER OF SHIATSU/指圧王者』
石井聰亙作品の中でも最も観る機会の少なかった2タイトルを収めたカップリングDVD。人体改造と意識の拡大をテーマに描くSFサイバーパンクムービー『アジアの逆襲』(1983)、指圧師・浪越徳治郎を主演に迎えて斬新な映像世界を展開させる実験作『THE MASTER OF SHIATSU/指圧王者』(1989)を収録。(トランスフォーマー)

『水の中の八月』(1995)
高飛び込みに失敗し、生死の境を彷徨った少女・泉は、やがてこの世界で自分が果たすべき役割を悟る……。異常現象の相次ぐ世界で覚醒と変革を体験する少女の姿を、鮮烈な映像美で描いたスピリチュアル・ファンタジー。石井聰亙監督が故郷・博多で久々に撮り上げた作品。主演は小嶺麗奈。(トランスフォーマー)


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●2009.3.11発売
『ヘアピン・サーカス』(1972)
ライバルの事故死をきっかけにレースから足を洗い、自動車教習所で働く男。そんな時、彼は公道でバトルを繰り広げる若者たちを目撃する……。五木寛之の同名短編小説を、東宝ニューアクションの異才・西村潔監督が映画化した幻の傑作が初ソフト化。現在では再現不可能な大迫力のカーアクション、菊地雅章によるサウンドトラックも聴きどころ。(キングレコード)

『液体人間オイルマン』(1976)
香港の誇るモンダイ監督、ホー・メンホアによる特撮エログロホラー映画。法律事務所で働く足の不自由な青年が、ある事件をきっかけに呪術を身につけ、恐怖の液体人間“油鬼子”となる……。主演は『八仙飯店之人肉饅頭』のダニー・リー。(キングレコード)

『蛇姦』(1974)
蛇と心を通わせる内向的な青年が、ある日チンピラと情婦に手酷くいたぶられ、蛇を使って復讐を図るが……。『ウィラード』にインスパイアされて作られた香港製ゲテモノホラー。監督は怪作『魔 デビルズ・オーメン』のカイ・チーホン。日本でも劇場公開されたらしい。(キングレコード)

『蛇王子』(1976)
チェン・チェ作品や『男たちの挽歌』シリーズなどでお馴染みのスター俳優、ティ・ロンを主演に迎えた伝奇ファンタジー。蛇山に暮らす蛇王子と、麓の村に住む村長の娘との恋を描く。日本の大映のスタッフが協力した特撮シーンも見どころ。(キングレコード)

『実録ブルース・リーの死』(1975)
世界中に衝撃を与えたブルース・リーの死。そこに至るまでの真実の軌跡が、ある女優の目を通して描かれる……。ブルース・リーの愛人ベティ・ティンペイが原案を手がけ、本人役で出演までした香港エクスプロイテーションムービーの極北。ブルース・リー役を演じるのは若き日のダニー・リー。(キングレコード)

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『ゲット・スマート』特別版(2008)
人気TV番組『それ行けスマート』を、『40歳の童貞男』のスティーヴ・カレル主演で映画化。ハズしているギャグも多々あるが、カレルのとぼけた魅力、マンガみたいな顔したアン・ハサウェイの美貌、上司役のアラン・アーキンの妙演を見ているだけでそれなりに飽きない。Blu-ray版も同時発売。(ワーナーホームビデオ)

『チャンス』30周年記念版(1979)
数十年間、世間のことを全く知らずに生きてきた庭師チャンス。主人の死をきっかけに外界へ放り出された彼は、奇妙な成り行きで時の人へと祭り上げられていく……。ハル・アシュビー監督がピーター・セラーズを主演に迎えて撮ったファンタジックな風刺喜劇。同時発売のBlu-ray版には未公開シーン・NG集・別エンディングなどの追加特典を収録。(ワーナーホームビデオ)

『レッドクリフ Part I』スタンダード・エディション(2008)
ジョン・ウー監督が『三国志』の“赤壁の戦い”を独自のスタイルで映像化した歴史アクション大作の第1部。ハリウッドで才能が枯渇したかに見えたが、全編中国語で撮り上げた本作は「俺たちのウー校長が帰って来た!」と言える快作に仕上がり、全世界のファンを喜ばせた。第2部への期待も高まる。通常版は本編+特典ディスクの2枚組。さらにもう1枚の特典ディスクを追加し、解説本・フォトカードなどを収録したコレクターズ・エディションと、Blu-ray版も同時発売。(エイベックス)


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●2009.3.12発売
『アントニー・ジマー』(2005)
警察とマフィアに追われる犯罪者アントニー・ジマー。整形して行方をくらました彼に近付けるのは恋人のキアラだけ。組織は彼女の動向をマークするのだが……。イヴァン・アタルとソフィー・マルソーが共演したロマンティック・スリラー。監督は新鋭ジェローム・サル。(ユニバーサル)

『プレステージ(アラン・ドロン主演)』(1976)
オークションのスリルに取り憑かれた美術商のピエール。仕事第一で生活を省みない彼は、妻エドウィージュの心離れにも気づかず、やがてふたりの間には亀裂が……。アラン・ドロンが製作・主演を務めたシニカルな人間ドラマ。共演は当時ドロンと熱愛関係にあったミレーユ・ダルク。監督は『Mr.レディ&Mr.マダム』のエドゥアール・モリナロ。(ユニバーサル)

『悪魔の性キャサリン』(1976)
悪魔の生まれ変わりである少女をめぐる人々の戦いを描いた、ハマー・プロ製作のオカルトホラー映画が低価格再発売。作品自体の凡庸な出来はともかく、一番の見どころはヒロインを演じるナスターシャ・キンスキー(当時16歳)の美貌。劇中では美しいヌードも披露する。クリストファー・リー、デンホルム・エリオット、リチャード・ウィドマークなど共演者も豪華。(ユニバーサル)

『アンドロメダ・ストレイン』(2008)
マイケル・クライトンの出世作となったSFスリラー小説『アンドロメダ病原体』を映像化した3時間のTVミニシリーズ。リドリー&トニー・スコットが製作総指揮を務め、監督を『セイラムズ・ロット/死霊伝説』のミカエル・ソロモンが担当。ロバート・ワイズ監督による1971年の傑作『アンドロメダ…』には到底敵わないだろうけど、とりあえず観てみたい。(ユニバーサル)

『アイアンマン』デラックス・コレクターズ・エディション(2008)
アメリカの巨大軍需企業を経営する若社長トニー・スタークが正義に目覚め、自作のパワードスーツを駆使して悪と戦い始めるSFヒーローアクション。ちょっと無邪気すぎやしないか? と思ってしまう話ではあるけど、映画として非常によくできているし、戦う若旦那を演じるロバート・ダウニー・Jr.がその持ち味を最大限に活かしきっていて本当に楽しい。脇を固めるグウィネス・パルトロウ、テレンス・ハワード、ジェフ・ブリッジスらの好演も魅力的。特典としてメイキング集、ドキュメンタリー集、未公開シーン集などを収録。Blu-ray版も同時リリース。(ソニーピクチャーズ)


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●2009.3.18発売
『おくりびと』(2008)
ロングランヒットの末、なんとアカデミー外国語映画賞まで獲得してしまったヒューマンドラマの秀作。納棺師という特異な職業に就いた主人公が出会う、様々な生と死のドラマを穏やかに綴り、見事に泣かせる。所々に織り込まれたブラックで下世話なユーモアに、滝田洋二郎監督の全盛期の匂いを久々に感じて嬉しかった。主演の本木雅弘、山崎努もいいけど、監督の同級生でもある山田辰夫の演技が圧倒的に素晴らしい。広末涼子の軽すぎる芝居さえなければなあ……。(AMUSE)


●2009.3.20発売
『Genius Party Beyond』(2008)
アニメ業界で活躍する異才たちが数年がかりで自由気ままに競作した、STUDIO4℃制作のオムニバスアニメ。前作『Genius Party』公開までに間に合わなかった面々の作品だけに、そのビジュアルへのこだわり方はハンパではない。収録作品は、前田真宏「GALA」、中澤一登「MOONDRIVE」、大平晋也「わんわ」、田中達之「陶人キット」、森本晃司「次元爆弾」の全5エピソード。通常版は本編ディスク(予告編つき)と特典ディスク(ラッシュ映像+監督コメンタリー、監督紹介映像つき)の2枚組。佐野史郎、古田新太、菅野よう子など、声優陣も豪華。(東宝)

『Genius Party Beyond』初回限定生産BOX
上記の通常版にBOXのみの特典ディスク2枚をプラスした、凄まじいボリュームの豪華版。特典ディスクには『Genius Party』シリーズ全作品のメイキング映像、押井守や中島哲也などの豪華ゲストが参加した監督対談、そしてマッドハウスやプロダクションI.Gといった他社のプロデューサーたちへのインタビュー集などを収録。さらに、絵コンテ本2冊、メイキング本1冊を同梱。さすがにこれだけの内容ならお買い得かも。(東宝)

『山中傳奇』(1979)
香港武侠映画の父、キン・フー監督による様式美溢れる伝奇ロマン。宋の時代を舞台に、学僧・雲青が楽娘と依雲という2人の娘に翻弄される姿を幻想的に描く。常連俳優シー・フンとシー・チェンの共演、依雲を演じるシルヴィア・チャンの可憐な美しさも見どころ。DVDは117分バージョン。3時間の完全版もいつか観てみたい。(ラインコミュニケーションズ)


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●2009.3.21発売
『おろち』(2008)
楳図かずおの傑作漫画「おろち」を、鶴田法男監督&高橋洋脚本によって実写映画化。悠久の時を彷徨う少女おろちが見つめる、ある美しい姉妹の残酷な運命の物語とは……。木村佳乃、中越典子、谷村美月というキャストも魅力的。DVDには特典として予告編集、メイキング、制作発表会見、舞台挨拶、劇中映画「愛の絆」ノーカット版、ポスターギャラリーなどを収録。初回限定版には劇中歌「新宿烏」フルバージョンを収録したスペシャルCD、歌詞カード、ポストカードを封入。(東映)


●2009.3.25発売
『ヘンリー・プールはここにいる ?壁の神様?』(2008)
ルーク・ウィルソン演じる主人公ヘンリー・プールは、ある日おかしなシミが家の壁にできているのを見つける。隣人はそれがイエス様の姿をしていると言い、やがて人々は「奇跡のシミ」を見るために次々とヘンリーの家を訪ね始め……。『隣人は静かに笑う』のマーク・ぺリントン監督による異色コメディが早くもDVDでお目見え。共演はラダ・ミッチェル、アドリアナ・バラッザほか。(ソニーピクチャーズ)

『バンク・ジョブ』デラックス版(2008)
一攫千金を夢みるケチな犯罪者たちが挑んだ大掛かりな強盗作戦。しかし、その裏には英国王室スキャンダルを揉み消そうと企む当局の陰謀があった……。実在の事件をもとにしたジェイソン・ステイサム主演の犯罪活劇。60?70年代のケイパーものを思わせるノリが痛快で、それもそのはず脚本は『ジョーカー野郎』『脱走山脈』などを手がけるベテランコンビ、イアン・ラ・フレネとディック・クレメント。監督は『世界最速のインディアン』のロジャー・ドナルドソン。Blu-ray版も同時発売。(ジェネオン)

『超高層のあけぼの《完全版》』(1969)
1968年に完成した日本初の超高層ビル「霞が関ビル」がいかにして建設されたかを追った、オールスターキャストの実話ドラマ大作。日本技術映画社と東映が共同製作し、菊島隆三の原作を岩佐氏寿と工藤栄一が脚色、監督を『きけ、わだつみの声』の関川秀雄が務めた。出演は池部良、新珠三千代、松本幸四郎、伴淳三郎、田村正和、丹波哲郎ほか。霞が関ビル竣工40周年を記念して、今になっていきなり初ソフト化。(ジェネオン)

『果てしなき蒼空』(1951)
名匠ハワード・ホークス監督がスケール豊かに描く開拓者たちの物語。ミズーリ河をさかのぼる2人の男が、ブラックフット族との交易の旅に出る。主演はカーク・ダグラスとデューイ・マーティン。脚本は『駅馬車』『赤ちゃん教育』などでおなじみのダドリー・ニコルズ。(ジュネス企画)

『世界を彼の腕に』(1952)
ラウール・ウォルシュ監督の豪快な海洋アクション映画。アラスカをロシアから買収しようとする密漁船長が、一目惚れしたロシアの伯爵令嬢を追って大奮戦を繰り広げる。主演はグレゴリー・ペック、アン・ブライス、アンソニー・クイン。ユニバーサル創立40周年記念のカラー大作。(ジュネス企画)

『鮮血!悪夢の卒業式』(1981)
隠れたホラー映画の名作を発掘する“Dark Rabbit”レーベルから、幻の怪作スラッシャーが登場。卒業式を控えたハイスクールで、フェンシングの剣を使った連続殺人が発生。被害者は陸上部員たちばかりだった……。主演は『ブラッド・ピーセス/悪魔のチェーンソー』のクリストファー・ジョージ。(コンマビジョン)


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●2009.3.27発売
『トラウマ/鮮血の叫び』スペシャル・エディション(1992)
イタリアンホラーの鬼才ダリオ・アルジェント監督が、実娘アーシア・アルジェントを初めて主演に迎えて撮り上げたサイコスリラー。かつて降霊会で両親が悲惨な死を遂げ、拒食症となった少女オーラ。恐怖におびえる彼女は、自殺を図った自分を救ってくれた青年デヴィッドに救いを求めるが……。強烈なスプラッターシーンを作り出したのは特殊メイク界の巨匠トム・サヴィーニ。特典として、映画評論家アラン・ジョーンズによるオーディオコメンタリー、インタビュー「ラブ&デス&トラウマ」、トム・サヴィーニによる撮影風景ドキュメント、未公開シーン、劇場予告編を収録。(BANDAI)

『マスターズ・オブ・ホラー/悪夢の狂宴』スペシャル・エディション(1990)
ホラー映画界を代表するふたりの巨匠、ジョージ・A・ロメロとダリオ・アルジェントが、エドガー・アラン・ポー作品の映像化に挑んだオムニバスホラー。ロメロ監督の第1話「ヴァルドマー事件の真相」と、アルジェント監督の第2話「黒猫」の2部構成。エイドリアン・バーボー、ハーヴェイ・カイテルというキャストも魅力的。特典としてメイキング、劇場予告編を収録。(BANDAI)

『ゴッド・アーミー/悪の天使』日本公開版&全米公開版(1994)
クリストファー・ウォーケンが人類殲滅を目論む悪の天使ガブリエルを魅力的に演じ、カルトな人気を誇るB級オカルトアクションが初DVD化。ガブリエルに戦いを挑む主人公の刑事を演じるのは『クラッシュ』のイライアス・コティーズ。さらにエリック・ストルツ、ヴァージニア・マドセン、ヴィゴ・モーテンセン、アマンダ・プラマーといった通好みのキャストが脇を固める。日本公開版と、追加シーンや再編集の加わった全米公開版“The Prophecy”を同時収録。(BANDAI)

『サーチャーズ 2.0』(2007)
反骨の映画作家アレックス・コックスが、B級映画の帝王ロジャー・コーマンのプロデュースで放つオフビートコメディ。かつて西部劇に出演したことのある中年男メルとフレッドは、若き日に自分たちを虐待した脚本家フリッツに復讐するべく、車で荒野をひた走る。メルの娘デライラも巻き込んだ珍道中の結末は? 特典として監督来日追跡ドキュメンタリー、田口トモロヲ・永瀬正敏からの応援コメント、メイキング映像、予告編などを収録。(ビクターエンタテインメント)

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『ヘンリー ある連続殺人鬼の記録』コレクターズ・エディション(1986)
その毒牙にかかった被害者は300人とも、3000人とも言われている犯罪史上最悪の連続殺人者、ヘンリー・リー・ルーカス。彼の日常をドキュメンタリータッチで淡々と描いたジョン・マクノートン監督の傑作が、コレクターズ・エディションでついにDVD化。寒々しい映像、ヘンリーを演じるマイケル・ルーカーの不気味な佇まい、ちぐはぐな安っぽい音楽が、異様なインパクトをもたらす。特典としてメイキング、コメンタリー、オリジナル予告編を収録。(マクザム)

『ピアノチューナー・オブ・アースクエイク』(2005)
歌姫マルヴィーナの声に魅せられた天才科学者ドロスは、彼女を誘拐して自らの演奏機械人形のコレクションに加えようと企む。その計画を知ったピアノ調律師フェリスベルトは、マルヴィーナを救おうと試みるのだが……。テリー・ギリアムが製作総指揮を務めた、双子の異才映像作家ブラザーズ・クエイによる10年ぶりの長編作品。実写と人形アニメを巧みに織り交ぜ、幻想的な物語を紡いでいく。特典としてメイキング、映画祭記者会見、予告編、ブックレットを収録。(東北新社)

「ブラザーズ・クエイ ショート・フィルム・コレクション」
世界中のファンを魅了するブラザーズ・クエイの短編作品群を初DVD化。収録タイトルは処女作「人工の夜景」を始め、「ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋」、「スティル・ナハト」4部作、「アナモルフォーシス」、「ストリート・オブ・クロコダイル」、「失われた解剖模型のリハーサル」、「櫛?夢博物館から」、「イン・アブセンティア」、「ファントム・ミュージアム」。特典として監督インタビュー、オーディオコメンタリー(一部作品のみ)、ブックレットなどを収録。なお、ダゲレオ出版から『ピアノチューナー・オブ・アースクエイク』『ベンヤメンタ学院』を併せた完全収録BOX「ブラザーズ・クエイ コレクターズDVD-BOX」も発売。(東北新社)

『コッポラの胡蝶の夢』スペシャル・エディション(2008)
ミルチャ・エリアーデの小説『若さなき若さ』に惚れ込んだフランシス・フォード・コッポラが、私財を注ぎ込んで10年ぶりに監督復帰した入魂の作品。第二次世界大戦が近付くルーマニアを舞台に、落雷を受けたことから若返り始める老言語学者の数奇な運命を描く(『ジャック』の逆バージョン?)。主演はティム・ロス。特典としてメイキング数種、予告編などを収録。Blu-ray版も同時発売。(ハピネット)

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『傷だらけの山河』(1964)
西北グループの総帥・有馬勝平は、ある地主の依頼から新しい事業に着手し、用地買収・住民運動の弾圧・議員の巻き込みなどを画策。一方、私生活では社内の事務員・福村に目をつけ、3人目の妾にしようと目論むが……。社会派・山本薩夫監督が石川達三のベストセラー小説を映画化した大作。非情な事業家を山村聡が熱演し、その脇を船越英二、若尾文子、川崎敬三といった豪華な顔ぶれが固める。(角川エンタテインメント)

『赤い水』(1963)
東海地方の小さな町に巻き起こった温泉開発計画。町の有力者たちはこの機に儲けようと土地の買い占めなどに奔走する。その一方、うどん屋や旅館の女中、新聞記者といった人々もそれぞれの立場で騒動に巻き込まれていくが……。山本薩夫監督が利権による政治腐敗を風刺的に綴ったユニークな群像劇。出演は川崎敬三、伊藤雄之助、八波むと志、船越英二、森光子ほか。(角川エンタテインメント)

『スパイ』(1965)
新聞記者の須川は、密入国者収容所から脱走した韓国学生・李の事件を追って、収容所のある長崎県大村へやって来た。彼はそこで、鵜崎という警部が事件当日に収容所を訪れていたことを知り、疑惑を深める……。山本薩夫監督が日本における諜報活動の実態を描くスパイスリラー。出演は田宮二郎、小川真由美、中谷一郎ほか。初DVD化。(角川エンタテインメント)


<2009年4月以降リリースの注目タイトル>

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●2009.4.2発売
『東京暗黒街・竹の家』(20世紀フォックス)
『セックス・アンド・ザ・バディ(I Think I Love My Wife)』(20世紀フォックス)

●2009.4.3発売
『トロピック・サンダー 史上最低の作戦《ディレクターズ・カット》』調子にのってこんなに盛り込んじゃいましたエディション(角川エンタテインメント)
『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』〈Blu-ray〉(角川エンタテインメント)
『その男は、静かな隣人』(アットエンタテインメント)
『この自由な世界で』(ジェネオン)
『ランジェ公爵夫人』(アルバトロス)
『NAKED マン・ハンティング』(アルバトロス)
『ノイズ』(アメイジングD.C.)
『ばけもの模様』(アップリンク)

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●2009.4.8発売
「モノノ怪+怪?ayakashi?化猫 DVD-BOX」(角川エンタテインメント)
『白熱 デッドヒート』(キングレコード)
『14アマゾネス 王女の剣』(キングレコード)
『唐朝エロティック・ストーリー』(キングレコード)
『香港ラバーズ 男と女』(キングレコード)

●2009.4.8発売
『東京残酷警察』初回限定"GORE EDITION"(日活)

●2009.4.17発売
『ライラにお手あげ』スペシャル・エディション(角川エンタテインメント)

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●2009.4.22発売
『WALL・E/ウォーリー』初回限定2-Discスペシャル・エディション(ウォルト・ディズニー)
『WALL・E/ウォーリー』[single dvd](ウォルト・ディズニー)
『WALL・E/ウォーリー』Blu-ray(ウォルト・ディズニー)
『宮廷画家ゴヤは見た』(ソニーピクチャーズ)
『宮廷画家ゴヤは見た』〈Blu-ray〉(ソニーピクチャーズ)
『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』完全生産限定版(ソニーピクチャーズ)
『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』通常版(ソニーピクチャーズ)

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●2009.4.24発売
『アンダーカヴァー』(ポニーキャニオン)
『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』プレミアム・エディション(ジェネオン)
『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』Blu-ray(ジェネオン)
『トウキョウソナタ』(メディアファクトリー)
『デス・ルーム』スペシャル・エディション(角川エンタテインメント)
『ボーダータウン 報道されない殺人者』(AMUSE)

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●2009.4.25発売
『皆殺しの天使』(紀伊國屋書店)
『ビリディアナ』(紀伊國屋書店)
『糧なき土地 ラス・ウルデス』(紀伊國屋書店)
『偽れる装い』(紀伊國屋書店)
『コロッサル・ユース』(紀伊國屋書店)
『イメージズ』(紀伊國屋書店)※低価格化
『ストリーマーズ』(紀伊國屋書店)※低価格化
『ニューヨーカーの青い鳥』(紀伊國屋書店)※低価格化
『ショック集団』(紀伊國屋書店)※低価格化
『裸のキッス』(紀伊國屋書店)※低価格化
『メドゥーサ・タッチ/恐怖の魔力』(紀伊國屋書店)※低価格化
『悪魔のシスター』(紀伊國屋書店)※低価格化
『ホテル・ニューハンプシャー』(紀伊國屋書店)※低価格化
『スネーク・アイズ』(紀伊國屋書店)※低価格化
『フェイド TO ブラック』(紀伊國屋書店)※低価格化

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●2009.5.2発売
『ホット・ロック』(20世紀フォックス)
『唇からナイフ』(20世紀フォックス)
『グリニッチ・ビレッジの青春』(20世紀フォックス)
『ハリーとトント』(20世紀フォックス)
『結婚しない女』(20世紀フォックス)
デイヴィッド・リンチ・ワールド DVD-BOX【期間限定生産】(アルバトロス)
『イレイザーヘッド』デジタル・リマスター版(アルバトロス)

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●2009.5.9発売
『白衣の男』(ジェネオン・ユニバーサル)
『夢の中の恐怖』(ジェネオン・ユニバーサル)
『ピーター・セラーズの労働組合宣言!!』(ジェネオン・ユニバーサル)
『地球侵略戦争2150』(ジェネオン・ユニバーサル)
『賭博師ボブ』(ジェネオン・ユニバーサル)
『ダーリング』(ジェネオン・ユニバーサル)
『すぎ去りし日の…』(ジェネオン・ユニバーサル)


『ホット・ロッド めざせ!不死身のスタントマン』 (2007)

『ホット・ロッド めざせ!不死身のスタントマン』
原題:Hot Rod(2007)

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 傑作。今年に入って観たコメディ映画のなかでは断トツに面白かった。スタントマン志望のボンクラ無職青年ロッドが、重病を抱えた義父の手術費5万ドルを稼ぐため、仲間たちとスタントショー開催を目指して奮闘するスポ根ならぬスタ根コメディ。

 主演は「サタデー・ナイト・ライヴ」の人気者アンディ・サムバーグ。監督のアキヴァ・シェイファー、弟役で共演のヨーマ・タッコンと共に、「SNL」ではトリオとして活躍中なんだとか。共演は『寝取られ男のラブ・バカンス』(2008)のビル・ヘイダーや、『Mr.ボディガード/学園生活は命がけ』(2008)のダニー・マクブライドといった、ジャド・アパトウ作品でもおなじみの面々。てっきり映画自体もアパトウ系のベタなドタバタ喜劇なのかと思ったら、どちらかというと『ナポレオン・ダイナマイト』(2004)系の、スモールタウンに暮らすダメダメなアウトサイダーたちの生き様に迫る秀作だった。たいへんクオリティの高いバカがたくさん見られて、片時も目が離せない。

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 まず見どころは主人公ロッドが挑む壮絶かつバカバカしい「大失敗スタント」の数々。ギャグとしては『ジャッカス』シリーズの系譜ともいえるが、ジョン・ランディス風味の荒唐無稽なアクションもあったりして、コメディの初心に帰ったような懐かしさも感じる。しかし、そんなフィジカルな笑いだけにとどまらず、パロディや時代錯誤ギャグ、感動的なドラマ要素、アマチュアが根性でヒエラルキーを覆すサクセスストーリーなど、最近流行のコメディ映画によく見られるエッセンスも巧みに散りばめられているのが今っぽい。

 脚本は『サウスパーク』シリーズや『チーム★アメリカ/ワールドポリス』(2004)の製作・脚本を手がけてきた才媛、パム・ブレイディ。主人公が山の斜面をひたすら転がり落ちるシーンには、『チーム★アメリカ』のゲロと同じ匂いを感じた(イヤな言い方だな)。元々はウィル・フェレルのために書かれたシナリオだったらしいが、彼がやっていたらおそらく新鮮味のない、身勝手な変人が大暴れするいつものウィル・フェレル映画になっていただろう。まだコメディアンとしては未知数のアンディ・サムバーグが演じたからこそ「読めない面白さ」が溢れる快作になったのだと思うし、ニート青年の成長ドラマという面でも格段に初々しさと説得力が増した。

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 主人公がスタントで一攫千金を目指すきっかけになるのが、義父の手術代を稼ぐためという理由なのだが、単なるお涙頂戴の筋立てとは正反対。実はこの親子関係こそがストーリーの根幹であり、その描き方が本当に素晴らしいのだ。2人は毎日フルコンタクトの喧嘩ばかりしていて、連れ子のロッド君は常に惨敗。そんな時、にっくき義父の深刻な病状を知った彼は「俺を男として認めないうちに死ぬんじゃねえ、このクソオヤジ!」と、ほぼ怒りの衝動から義父の命を救おうとする。義父の方も「やれるもんならやってみな、このゴクツブシ!」と、死の床に臥してなおロッドの闘争心を煽り続ける。100%素直じゃないけど、そんじょそこらの冷たい親子関係なんかより、はるかに熱いもので結ばれている2人なのだ。

 義父に扮するのはイギリス出身の名優イアン・マクシェーン。最近では『カンフー・パンダ』(2008)の悪役で印象に残っている人もいるだろう。息子をからかい続けるのがホントに楽しいといった風情で、ひねくれオヤジを好演している。ストーリーが進むにつれて、この親子の絡みを観ているだけで本当に泣けてくるし、ラストはものすごい伏線の回収も併せて爆笑&号泣。彼らをやさしく見守る母親役シシー・スペイセクの佇まいも素晴らしかった。

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 主人公の義理の弟を演じるヨーマ・タッコンは、自身もコメディアンながらギャグは控え目にバイプレイヤーに徹し、主役のサムバーグをしっかりサポートしている(DVD特典のメイキング映像を観ると、どうも重度の露出狂らしい)。代わりにスパークしているのがスタントチームの仲間を演じるビル・ヘイダーとダニー・マクブライド。ちょっとこれ以上のバカにはお目にかかれないと思うくらい、本気のバカっぷりを見せてくれる。本筋とは関係なくヘイダーが病院へ行くエピソードが凄すぎて感動した。マクブライドは『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(2008)と全く同じギャグを本作でもやっている。

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 キュートなヒロインを演じるのは、新作『お買いもの中毒な私!』(2008)の公開も控えるアイラ・フィッシャー。なんら詳しい人物設定もなく、ただ素で可愛いという役を自然体で好演。ちなみに実生活ではボラットことサシャ・バロン・コーエンの婚約者である(一女あり)。彼女のサイテーな恋人役を怪演するのは『俺たちフィギュアスケーター』(2007)のライバル役も鮮烈だったウィル・アーネット。今回もあのいやらしい悪役声を駆使し、異様なインパクトを与える。

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 アキヴァ・シェイファー監督の演出は、抑制を心得たシンプルな語り口と歯切れよいカッティングが心地よく、なかなか好感が持てた。バカコメディと家族ドラマのバランスもちょうどよく、感動的に盛り上がるところで細かいギャグを入れて中和する“照れ隠し”の按配もいい。前述のように、アメリカン・コメディのいいところをうまい具合に取り込んで消化したクレバーな作品という印象もある。「SNL」人脈の実力を久々に見たな、という気がした。

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DVD『ホット・ロッド めざせ!不死身のスタントマン』

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『少年メリケンサック』(2008)

『少年メリケンサック』(2008)

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 「パンクって何がいいのか分かんない」とか思ってる奴の作ったパンク映画なんて観たかねえんだよこっちは。クラシックに興味ねえ奴が『アマデウス』撮るのかって話だろうが。こんなもん撮るぐらいなら実家に帰って親孝行でもしろ馬鹿野郎。

 あと全体的にヘタクソ。シナリオも演出も分かりづらいし、前後の繋がり・辻褄合わせはひたすらズサン。役者の扱い方もうまくない。特にトモロヲさんは唯一の“本物”なんだから、もっとうまく使うことはできなかったんだろうか。犬塚弘の扱いなんて侮辱以外の何物でもない。

 この映画に音楽的な何か、映画的な何か、反体制的な何かを期待している人がいたら、精神衛生上よくないから観ない方がいい。全然スカッとしないし、誰にも幸福をもたらさない映画だと思う。でもまあ観終わった後でパンクな気持ちにはなれる。作った奴の顔面を100万回ぶん殴りたくなるから。

 これなら『ザ・クランプス/精神病院ライブ』を10回観た方がよっぽど心洗われる。期待して観たのに、こいつ本当にパンク好きでもなんでもねえんだってことだけハッキリと分かる映画だった。パンク精神すらなかった。心底ガッカリした。

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『戦略大作戦』(1970)

『戦略大作戦』
原題:Kelly's Heroes(1970)

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 アリステア・マクリーン原作の戦争スパイ活劇『荒鷲の要塞』(1968)を大ヒットさせたクリント・イーストウッドとブライアン・G・ハットン監督が、再びコンビを組んだ戦争巨編。第二次大戦中のヨーロッパ戦線を舞台に、連合軍のならず者集団がドイツ軍の所有する金塊を盗み出そうとするアクションコメディである。共演はテリー・サヴァラス、ドン・リックルズ、ドナルド・サザーランドほか錚々たる面々。ロバート・アルトマン監督の『M★A★S★H』(1970)と同時期に製作された本作は、まるで向こうを張ったかのように全編フマジメというか無責任なユーモアに溢れ、ハリウッド製の戦争大作にしては一風変わった仕上がりになっている。変わり者の戦車隊長に扮したドナルド・サザーランドは『M★A★S★H』以上にのびのびと怪演し、クライマックスにはイーストウッド自らマカロニ西部劇のパロディを演じるという仰天シーンも。テリー・サヴァラスが珍しく常識人っぽい役を好演し、ずば抜けてイイ。

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 主人公たちが戦う理由が愛国心などではなく、単なるお宝目当てなのが何しろ痛快。登場人物が最初から最後まで不純な動機で突っ走ってくれるシナリオが清々しい。敵の攻撃より味方の誤爆の方に苦しめられるという戦場の描写が繰り返されるのも、ノンポリ・ムードを強調している。もちろん、ベトナム戦争の真っ只中にあった当時の厭戦気分、国家不信も反映されているだろう。結末には岡本喜八かと思うようなオチも用意されていて、アメリカ映画にしてはなかなか珍しいと思った。

 なおかつ、大作ならではの派手な戦闘シーンもふんだんに用意されている。特に終盤、片田舎の美しい小さな町でタイガー戦車とシャーマン戦車が大砲をぶっぱなし、建物に突っ込んで町を横断したりするバトルシーンは迫力満点(軍事的考証もしっかりしているとかで、ミリタリーファンの間ではとても評価が高い)。しかし、英雄的とか勇猛果敢とかいった感じで撮られた場面はひとつもない。もしくは戦争の悲劇性を声高に訴えるような深刻な描写でもない。ただ全てが徹底的にアナーキーかつ非文明的な破壊行為として、面白おかしく映しだされるのだ。

 その合間に、兵士たちの無為なダベリや金塊泥棒の相談などが、のんべんだらりと描かれる。実にユルイ作りながら、それでも144分という長尺を意外と飽きさせないのがエラい。ブライアン・G・ハットンって結構やるんだな、と思った。その前にエリザベス・テイラー主演の鬱陶しい愛憎劇『ある愛のすべて』(1972)しか観ていなかったので、ちょっと見くびっていた。申し訳ない。

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 冒頭を飾るマイク・カーヴ・コングリゲイションによる主題歌「Burning Bridges」は、なんともピースフルで大らかな曲調のコーラス・ソング。『M★A★S★H』の「Suicide is Painless」を意識したのかもしれないが、とても戦争映画のオープニング・テーマとは思えないポップな名曲だ。ラロ・シフリンによる劇中音楽もスッとぼけた感じで素晴らしい。モリコーネのパロディまで聴かせてくれる。

 さすがに『M★A★S★H』のような鋭い風刺性や深みはないが、ある意味で時代性を強く感じさせる映画ではある。大手スタジオの凋落とニューシネマの勃興という、ある端境期だからこそ生まれ得た、独特の味を持ったフィルムと言えるだろう。そして、のちのニューハリウッド世代を代表する、とある映画作家にとっても非常に重要な作品なのだ。

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 『戦略大作戦』は、1969年にユーゴスラヴィアで9ヶ月間もかけて撮影された。様々な国から集められたクルーやキャストが現場にひしめき合う中、制作助手として奔走する1人のアメリカ人青年がいた。当時18歳のジョン・ランディスである。

 ランディスは経済的事情で学校を放り出され、20世紀フォックス所有のスタジオでメールボーイとして働いていた。その頃、彼はアンドリュー・マートンというベテラン監督と知り合う。ランディスの姉が通っていたギター教室に、マートンの娘も通っていたのだ。ハンガリー出身のマートンは戦前のヨーロッパ諸国で映画監督として活躍したが、ナチス台頭を機に渡米。『史上最大の作戦』(1962)の米軍パート演出や『海底世界一周』(1965)などの監督を手がける一方、『ベン・ハー』(1959)や『クレオパトラ』(1963)といった大作の第2班監督として重宝されていた。映画オタクのランディスは、彼からハリウッドや戦前ヨーロッパ映画界の昔話を根掘り葉掘り聞いては大喜び。マートンもまた、この人なつっこい若者に親しみをもって接した。ある時、マートンはランディスに映画界入りのチャンスを与える。

 「今度、ユーゴスラヴィアでMGM製作の戦争映画を撮ることになった。私も第2班監督として参加するんだが、君も来るか? 現場で仕事があるかどうかは約束できんが」

 ランディスはその申し出に飛びつき、母親には「映画の仕事が決まった!」と嘘をついて、人生初のヨーロッパ旅行に出発した。ただし、ヨーロッパの地理も大きさもよく分かっていなかったため、とりあえずロンドンに行けばなんとかなるだろうと思い、結局そこから何週間もかかってやっとユーゴスラヴィアの撮影現場に辿り着いた。ちょうど第1班の助監督が神経衰弱で帰国してしまったため、ランディスは第2班ではなく本編のアシスタント・スタッフとして働くことになった。

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 彼を待っていたのは、映画製作の名の下に行なわれていた壮大な“戦争ごっこ”であった。ハリウッドの映画人たちと欧州混成スタッフが入り乱れる撮影現場はまさにカオスで、市街戦クラスの銃撃戦や爆破は日常茶飯事。エキストラの数も衣装の数も膨大。役者は男ばかりの上、サザーランドやハリー・ディーン・スタントンといったクセモノ揃い。初心者にはあまりにもハードな現場だったが、ランディスにとっては全てが素晴らしい経験だった。

 目の回るような忙しさの中で、ランディスは多くの映画人たちと交流を持った。監督のブライアン・G・ハットン、撮影監督のガブリエル・フィゲロア、そして後年、自作『アニマル・ハウス』(1978)などに起用することになるドナルド・サザーランド(すでにランディスとは20世紀フォックスで『M★A★S★H』撮影中に顔を合わせていた)。陽気で人当たりのいい映画青年ランディスは皆に可愛がられ、そこで築かれた人間関係は彼にとってかけがえのないものとなった。H・D・スタントンとよくツルんでいる兵士を演じたジェフ・モリスは、のちに『ブルース・ブラザース』(1980)でカントリー酒場の店主を演じ、続編『ブルース・ブラザース2000』(1998)にも再登場。そして、文句の多い調達屋を演じたコメディアンのドン・リックルズは、近年に至るまでラスヴェガスのステージに立ち続け、その模様をランディスはライブフィルム『Mr. Warmth: The Don Rickles Project』(2007)として映画化した。

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 ランディス自身も俳優として映画に出演している。中盤、戦車に乗った主人公たちとすれ違う尼僧の1人がランディスである(もちろん顔も見えないが)。

 撮影を務めたガブリエル・フィゲロアは、ルイス・ブニュエル監督の『忘れられた人々』(1950)や『皆殺しの天使』(1962)などを手がけた名手である。もちろん彼との仕事はランディスを興奮させた。ある撮休日、フィゲロアはランディスと車でイタリアのトリエステに向かい、映画館でフェデリコ・フェリーニ監督の新作『サテリコン』(1969)を観た。その帰り道、フィゲロアは古い友人の家に立ち寄った。そこでランディスは初めてサルバドール・ダリと会ったそうだ。

 『戦略大作戦』撮影終了後、ランディスはイーストウッドのスタンドインを務めていたジム・オルーク(もちろんミュージシャンのジム・オルークとは別人)と意気投合し、スペインへ出稼ぎに行くことに。当時はマカロニウエスタンの全盛期であり、多くの西部劇がスペインで撮影されていた。ランディスたちはハリウッド仕込みのスタントマンとして、『レッド・サン』(1970)など数々の作品に参加。異国での映画修行を積んだ後、帰国したランディスは『シュロック』(1973)で映画監督デビューを果たすのだった。……そのあたりの話は、またの機会に。

▼『戦略大作戦』撮影現場にて。左からブライアン・G・ハットン監督、ドナルド・サザーランド、ジョン・ランディス、ガブリエル・フィゲロア、フォーカス担当のダニー・リオス
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 今観ると、『戦略大作戦』は“映画監督ジョン・ランディス”の人格形成に多大な影響を与えたとしか思えないような作品だ。無責任なユーモア、無意味かつ壮大な破壊のスペクタクル、ユルい会話、ノンポリ精神、そしてドライな死。映画中盤の戦線突破シーン、そしてクライマックスの豪快な戦車対決など、破壊と混乱のカオスを淡々と繰り広げてみせるアナーキズムは、『ブルース・ブラザース』の壮絶な物量アクションの原型にも見える。「ああ、映画ってこんなことしちゃっていいんだ」という決定的な悟りを開かせた現場体験だったのではないだろうか。そう考えると、『トワイライトゾーン/超次元の体験』(1983)撮影現場での悲劇の遠因にも思えてきて、ちょっと罪深い作品ではある。

 ランディスは、妻で映画衣装デザイナーのデボラ・ナドゥールマンに「この時の経験を映画化すればいいのに」と言われ、悪くないアイディアだと思っているらしい。それは個人的にもすごく観てみたい。『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(2008)などとはまた違う、愉快でハチャメチャで愛らしい映画になると思うから。

(参考文献:Giulia D'Agnolo Vallan編著「John Landis」

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DVD『戦略大作戦』

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『Mr.ボディガード/学園生活は命がけ!』(2008)

『Mr.ボディガード/学園生活は命がけ!』
原題:Drillbit Taylor(2008)

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 高校入学直後からイジメの標的にされてしまった冴えない少年3人組が、ボディガードを雇ってイジメっ子をやっつけようとする。が、応募してきたのは自称元特殊部隊のボンクラ宿無し青年、ドリルビット・テイラーだった……。一時期のジョージ・ルーカス並みにプロデュース作を次々送り出している“アメリカン・コメディの旗手”ジャド・アパトウ製作による1本。原案・脚本は『スーパーバッド/童貞ウォーズ』(2007)のセス・ローゲンと、アニメ『ビーバス&バットヘッド』のシナリオなどを手がけたクリストファー・ブラウン。監督は『リトル・ニッキー』(2000)のスティーヴン・ブリルが務めた。

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 子どもたちに適当なケンカ指南をするうち、自身も少しずつ人間的に成長していくヘタレ主人公ドリルビットを、オーウェン・ウィルソンが好演。子ども相手に対等の目線で大真面目に議論できる稀有な少年性(大人げないとも言う)を持った俳優といえば、現在ハリウッドで彼に右に出る者はいないだろう。まあ、ファンとしてはどうしても「自殺未遂直前に撮影された1本」というイメージで観てしまう作品だけど。

 映画自体は正直、可もなく不可もなくという仕上がり。セス・ローゲンとアパトウという絶好調コンビにしては若干ハジケ足りない印象だし、オーウェンの芝居にもいつものヤンチャな元気がない気がする。まあ、これまでオーウェンが純粋に役者として出演したコメディ(製作に直接関わっていないもの)の中では、かなり上出来の部類だと思うけど。盟友ウェス・アンダーソンの監督作、または本人のプロデュース以外で、彼のよさを的確に活かした珍しい作品ではある(『カーズ』は別格)。

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 実質的な主人公である少年コンビがとてもいいので、そこでもかなり助けられている。ヤセっぽちとデブという分かりやすいカップリングのうち、前者担当のウェイド役=ネイト・ハートリーは、『ファンタズム』(1979)のマイケル・ボールドウィンと小栗旬を足して割ってヒョロッとさせたような美男子。後者担当のライアン役=トロイ・ジェンテイルはずいぶん芝居慣れした感じで、即興ラップ対決の場面も難なくこなす芸達者。あとで調べたら『ナチョ・リブレ/覆面の神様』と『テネイシャスD/運命のピックをさがせ!』(共に2006)でジャック・ブラックの少年時代を立て続けに演じた子だった。

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 個人的には、キャスティング面での驚きがいっぱいあって、それだけで飽きずに観られた。まず、端正な顔立ちのイジメっ子フィルキンスを演じているのが、アレックス・フロスト。『エレファント』(2003)では銃撃犯、そして『The Lost』(2005)では狂った不良の腰巾着を演じていた彼が、こんなファミリー向けのメジャー作品でけっこう凶暴な芝居を披露していることに、ちょっと感動を覚えた。同時に、コメディ映画のベタな憎まれ役をきっちりプロとして演じている姿にも、妙な安心感を抱いてしまった。

 そして、イジメられっ子トリオの中でいちばんバカでお調子者のちびっ子エミット役を演じるのは、デイヴィッド・ドーフマン。ハリウッド・リメイク版『ザ・リング』シリーズのエイダン君である。見た目には成長したんだかしてないんだか微妙な感じだが、こんな吹っ切れたバカ演技もできるようになったんだ! と、ミュージックビデオに合わせてグニョグニョ踊る姿を見ながら思わず感慨に耽ってしまった。

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 他にも、『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(2008)の爆破係ダニー・マクブライドが主人公のホームレス仲間を怪演していたり、マイク・ジャッジ作品の常連スティーヴン・ルートが校長先生の役で出ていたり、オーウェンとは出世作『アンソニーのハッピー・モーテル』(1996)でも共演したロバート・マスグレイヴがものすごい風貌でチラリと出演していたりする。主人公ウェイドが恋するアジア系メガネっ娘、ヴァレリー・ティアンの美少女ぶりにも注目。

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 こぢんまりとはしているが、秀作『スーパーバッド』に通じる成長ドラマとしての真摯な作り、あくまで少年たちのストーリーに寄り添って余計な脱線をあまりしない演出には好感が持てた。その辺は『飛べないアヒル』シリーズの脚本・監督で頭角を現したブリルの資質が上手く作用している気がする。少なくともアダム・マッケイの監督作みたいに、DVDの特典映像みたいな単発ギャグを羅列するだけの凡作にはなっていない(マッケイの『俺たちステップブラザーズ ─義兄弟─』は最初すごく期待したんだけど、途中からいつもどおりだった……)。

 惜しむらくは日本でリリースされたDVDが、110分の無審査ノーカット版ではないということ(日本版DVDの本編は102分)。ちょっとヌルい印象があるのはそのせいかもしれない。ちなみにオーウェンの正真正銘の復帰作『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』(2008)は3月末に日本でも劇場公開。

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DVD『Mr.ボディガード/学園生活は命がけ!』

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『P2』(2007)

『P2』
原題:P2(2007)

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 レイチェル・ニコルズの巨乳。本作を語るうえでは決して避けて通ることを許されない圧倒的存在である。その存在感たるや『地獄の黙示録』(1979)のマーロン・ブランドに匹敵するといっても過言ではない。あまりに巨大すぎて映画自体の意味をも失わせるという点でも共通している。

 美人だが取り立てて特徴のないアダムス扮するヒロインが、OL仕事にいそしむ姿を映し出す映画の序盤では、そのギミック(いや、立派なギミックだと思う)は決して観客に悟られないよう注意深く撮られている。そして、地下駐車場で何者かに襲われたヒロインが気絶から目覚め、鎖に繋がれ下着姿で目覚める時、我々は二重のサプライズに遭遇することになる。その瞬間、本作の製作者たちがこの「駐車場ホラー」などという貧弱なプロットをどうやって映画として成立させようとしたか、にわかに分かり始めるのだ。

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 それはいにしえのハマープロ主義への回帰。クリスマス・イヴの夜には寒すぎる、たわわなワワワ(copyright:滝本誠)が文字どおり画面に豊かなふくらみを与え、娯楽映画のプリミティブな歓びを呼び覚ます。

 だが、しばらくして気付くのは、もはやそのマーロン・ブランド的存在感に気をとられ、かなりストーリーへの集中が困難になっているという事態である。そこに畳み掛けられる(こんな小品にしてはクドすぎるとさえ思える)景気のいいゴアシーンが、観客に適度な覚醒を促すのだ。そこからは「女体における表面張力の危機」と「イケメン基地GUYのアノ手コノ手」の両面で楽しもうという前向きな気持ちになり、どちらかが品薄になってきたら片方の要素に期待するという比較的円満な映画への接し方が成立する。後半、どっちもフェードアウトする瞬間がないことはないが(そうなるともう口がへの字)。

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 まあ観る前の不安よりはずっと楽しめる映画だった。餃子の王将でいうと「天津麺」ぐらいの感じ。でもケータイ拾おうとして爪が剥がれる場面は二重の意味でイヤだった。生理的にダメなのと、お前の指先はトーフかというツッコミと。

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DVD『P2』

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『最後の証人』(1980)

『最後の証人』
原題:최후의 증인(1980)
英語題:The Last Witness

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 パク・チャヌクやリュ・スンワンといった監督たちが「不朽の名作」と評する、1980年製作の韓国映画。ある田舎町で起きた殺人事件を捜査する刑事が、歴史に翻弄された不運な人々の悲劇を解き明かしていく、サスペンスドラマの秀作だ。監督は『桑の葉』シリーズなどで日本でも知られるイ・ドゥヨン。原作は韓国を代表するミステリー作家キム・ソンジョンによる同名小説で、のちに『黒水仙』(2001)としてリメイクされた。長らく幻の作品と化していたらしいが、最近になって日本語字幕つきのDVDが発売されたのを知って、買って観てみた。

 今回リリースされたDVDは、本国での劇場公開時に政府の検閲によってカットされた部分を、2002年にコリアン・フィルム・アーカイヴが可能な限り修復した154分バージョン(オリジナルは157分)。公開版はなんと100分だったそうで、さらにビデオ発売時には90分に短縮されていたとか。もはや別物と言っていい。そこまで厳しい検閲を受けたのは、製作中に「奴らはアカの映画を作っている」と何者かが当局にタレ込んだからだそうだ(もちろんそんな内容ではない)。

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〈おはなし〉
 小さな町ムンチャンの川沿いで、ヤン・ダルスという男が殺された。捜査を担当することになった刑事オ・ビョンホ(ハ・ミョンジュン)は、被害者の出身地プンサンへ赴き、その人間関係を洗い始める。村人たちが言うには、ヤン・ダルスは20年前に北のゲリラを一網打尽にした功労者であり、その後どこからか大金をせしめて妾と町に移り住んだのだという。オ刑事はさらに山奥の村へ足を運び、20年前の事件について詳しく知るという老人カン・マノ(ヒョン・ギルス)を訪ねる。

 マノはかつて智異山に潜伏する朝鮮人民軍ゲリラの一員であった。戦況の悪化に絶望した司令官ソンは、部下のマノに娘のジヘ(チョン・ユニ)を頼むと告げ、山中に隠した財宝の地図を託した後、命令違反の咎で処刑されてしまう。やがて韓国軍の総攻撃を受けたゲリラ軍は敗走。司令官の娘ジへや、民間人数名を含めた13人だけが里に逃げ延びる。小学校の床下に身を隠した彼らは、不安を紛らすためにジヘを輪姦。唯一、彼女を守ろうとしたのは民間人ファン・バウ(チェ・ブラム)だけだった。マノは自首を決意し、村の青年団長ヤン・ダルスの手引きで人民軍に学校を包囲させ、仲間たちに投降を促す。しかし交渉は決裂し、小学校は炎に包まれた……。

 マノの悲痛な告白の中に嘘を見破ったオ刑事は、その罪を厳しく追求する。激昂した老人は心臓発作を起こし、そのまま帰らぬ人となってしまった。証人を失ったオ刑事は、次の目的地ソウルへ。飲み屋の酌婦として働いていたソン・ジへを探し出し、投降後に何が起こったかを聞き出す。

 事件後、ジヘは心優しいファン・バウと夫婦になり、兵士たちに犯されて産んだ息子テヨンと3人で平和に暮らしていた。だが、智異山に隠した父の財宝が見つかったことで、さらなる不幸がジへたちを襲う。そこにはヤン・ダルスの卑劣な企み、そして事件の生存者の一人ハン・ドンジュの影があった……。

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 イ・ドゥヨン監督はテンポのいい語り口と、70年代的な懐かしさの漂う味わい深い映像で、2時間半の長尺をまったく飽きさせず、情感豊かに見せきる。重い題材を扱いながらも、人間味溢れるほのかなユーモア、バラエティに富んだアクション、思わず息をのむバイオレンス描写などを盛り込み、見どころの多い娯楽作に仕上げている。うらぶれた田舎の情景や、ソウルの貧民街の光景などを切り取ったロケーション撮影も素晴らしい。10ヶ月もの撮影期間を費やし、小学校のセット以外は全てオールロケで撮影されたという冬枯れの映像が、絶大な効果を上げている。キャメラマンを務めたのは『火女'82』(1982)も手がけたベテラン、チョン・イルソン。主人公の刑事が各地を巡り歩くロードムービー風の構成は『砂の器』(1974)のようでもあり、本作も『殺人の追憶』(2003)あたりに色濃く影響を与えているのではないかと思われる。

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 過去と現在が交錯し、様々な登場人物が絡むミステリアスな推理劇の中で浮き彫りになるのは、数十年間にわたって苛酷な運命に堪えてきた男女の悲劇だ。朝鮮戦争をモチーフにしながら、より偏在的な人間の悪意や欲望の罪を告発する内容へと発展していくところに、作り手の成熟を感じた。そして主人公が真相に近付けば近付くほど、ある家族が悲運の末にようやく掴んだ幸福を再び壊すことになるというアイロニーが、上質のドラマ性を生んでいる。

 また、堂々たるエピックとしての風格を湛えながら、同時に繊細さを感じさせる作劇が魅力的だ。特に、ハ・ミョンジュン演じるオ刑事のキャラクターが、本作の個性を象徴している。繊細なヒューマニストであるがゆえにアウトローとなり、事件の孕む悲劇性に自身も打ちのめされていくという、刑事ドラマとしてはあまり類を見ない人物造形が新鮮だ。彼の行くところ常に誰かが死や暴力に見舞われるというノワール・ヒーローでもある。ハ・ミョンジュンの好演もあって(たまにものすごくオーバーな芝居になるけど)、忘れ難いキャラクターとなった。映画のラストで彼がとる行動のインパクトも凄まじい。

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 そう、何よりすごいのが、観る者を残らず衝撃に叩き込むラストシーンである。2時間半も良質の娯楽映画として引っ張っておいて、オチがこれか! という意外性にもぶっ飛ばされるが、ある意味では圧倒的に説得力がある。この映画の主人公は、ハリウッド映画に出てくるようなクールで逞しい虚構のヒーローではないのだから。いくらでも丸く収められるところで「この物語はこうやって締めくくられなければならない」という強固な意志を貫く作り手の気迫に胸打たれる。この鋼のごとき負のパワーが韓国映画の力なのだ、と思い知らされる強烈なエンディングであり、本作がなぜ幻の傑作と評され、若き日のパク・チャヌクらの心に深く刻まれたのかハッキリと分かる、衝撃的結末である。

 ほかにもいい場面は本当にたくさんあるのだけど、個人的には、オ刑事が村はずれの屠殺場を訪ねるシーンに目を見張った。彼が土砂降りの田んぼ道を歩いてくる場面の雨と風の吹き付け方も素晴らしいが、バン! と戸を蹴破るように納屋の中に入った途端、ただならぬ異様なムードと緊張感が画面に張りつめるのだ。まさに映画の魔が宿ったような瞬間だった。そして終盤、ある登場人物のモノローグが本人の語りではなく、むせびなくような女性の歌声によって語られるという手法にも度肝を抜かれた。非常に民族的なメンタリティを感じさせる演出でもあり、実験映画のような斬新さもある。あと、たまーに描写が雑だったり変だったり、ツッコミどころもしっかり用意されていて(?)飽きない。

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 薄幸のヒロイン・ジヘを演じるチョン・ユニの美しさ、人間の良心を体現するファン・バウ役の名優チェ・ブラムの熱演も印象的。主人公の捜査に手を貸す友人の新聞記者シン・ウチュルも、コメディリリーフとしていい味を出している。そのほか、やたら顔の濃いカン・マノ役のヒョン・ギルス、親身な警察署長役のユン・イルジュ、コミカルな風貌がインパクト大のハン・ボンジュ(ドンジュの弟)役のパク・チョンソルなど、全ての配役がドンピシャ。飲み屋の女将や村の老人たちに至るまで、味のある顔が揃えられている。

 韓流ブームとはいっても過去の名作・傑作がほとんど観られない状況にあって、こういう映画史的に重要な作品が完全なかたちで(しかも日本語字幕つきで!)観られるのは本当に嬉しい。アン・ソンギの演技だけで引っ張っていたリメイク版『黒水仙』の薄っぺらさとは、あらゆる点で比較にならない秀作だった。逆に、検閲でズタズタにされながらも当時の観客にインパクトを与えた劇場公開版も観てみたいと思った。よっぽど思いきったことをしないと意外に切るところのない映画だと思うし、大体あのラストがそのまま残っているのかどうかも気になる。

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 DVDはリージョンオール。ただし、プレイヤーによっては本来シネマスコープの画面がヴィスタサイズで再生されてしまうので注意(パソコン等なら大丈夫)。本編は決して最良のプリント状態とは言えないまでも、画質自体はクリアーで発色もいいので問題なし。特典として、イ・ドゥヨン監督と映画評論家キム・ヨンジンによる音声解説、『キリマンジャロ』(2000)のオ・スンウク監督とジャーナリストのジュ・スンチュルによる音声解説、静止画ギャラリー、韓国語と英語で記載されたブックレットを収録。音声解説にも英語字幕がついているのが親切。この勢いで、同じくイ・ドゥヨン監督の代表作といわれるホラーミステリー『避幕』(1980)もソフト化してほしい。

・YesAsia.com
DVD『最後の証人』(韓国版・リージョンオール・日本語字幕つき)

・Amazon.co.jp
原作本『最後の証人〈上〉』『最後の証人〈下〉』 by キム・ソンジョン


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