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Simply Dead

映画の感想文。

『アメリカン・パロディ・シアター』(1987)

『アメリカン・パロディ・シアター』
原題:Amazon Women On The Moon(1987)

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 ジョン・ランディス監督のインタビュー本「JOHN LANDIS」があまりに面白いので、ここ最近はDVDなどで未見だった作品や、内容をすっかり忘れている作品を駆け足でチェック中。ランディスの作品歴の中ではかなり地味な印象の本作『アメリカン・パロディ・シアター』も、ついこないだ初めてDVDで観てみたら、予想以上に面白かった。

 「月のアマゾネス」という風変わりな原題を持つこの映画は、ランディスの出世作『ケンタッキー・フライド・ムービー』(1977)と同趣向のコメディスケッチ・アンソロジー。1950年代のB級SF映画『月のアマゾネス』のTV放映を観ながらチャンネルをガチャガチャ変えているという設定で、様々なパロディやコントが数珠繋ぎに映しだされる。製作当時、ランディスは別の企画を同時に抱えて多忙だったため、自分のほかに4人の監督を招いて演出を分担。『トワイライトゾーン/超次元の体験』(1983)でも組んだ盟友ジョー・ダンテ、『ジョーズ』(1975)の脚本家で『おかしなおかしな石器人』(1981)を監督したカール・ゴッドリーブ、演出業に進出したばかりの俳優ピーター・ホートン、本作のプロデューサーでもあるコメディ映画専門の製作者ロバート・K・ワイスが共同監督として名を連ねた。

 脚本を手がけたのは、人気番組「ジョニー・カースン・ショー」の構成作家だったマイケル・バリーとジム・マルホランド。スケッチの数が多いので当然ムラはあるが、『ケンタッキー?』よりは洗練されていて粒が揃っている印象。バリーとマルホランドのコンビは、のちにシルヴェスター・スタローン主演の『オスカー』(1991)でもランディスと組み、マイケル・ベイ監督のヒット作『バッド・ボーイズ』(1995)のリライトも手がけた。

 お遊び感覚の小品だが、ランディスのファンなら安心して楽しめる作品に仕上がっている。今観ると、クエンティン・タランティーノ監督が『グラインドハウス』(2007)で追求した、過去の低予算映画の質感を徹底的に再現するという試みがかなりのハイレベルで実現されているパートもあり、そういう意味でも面白い。撮影は『悪魔のいけにえ』(1974)のダニエル・パールが担当し、バラエティに富んだルックを見事に作り出している。多分、映画としての出来やスタッフ・キャストの顔ぶれのわりには、あまり省みられていない作品だと思うので、以下に内容をざっと紹介。(注:ネタバレが嫌な人はスルーしてください!)

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『ダークナイト』凱旋上映(東京)に思うこと。

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 アカデミー賞では助演男優賞を始め計8部門でのノミネートが発表され、日本でもベストなタイミングで凱旋上映がスタートした『ダークナイト』。やはりこれは劇場で観てナンボの傑作だと思っているので、勇んで初日に行ってきたわけだけれども……すでにDVDやBlu-rayが発売されてるというのに、通常料金1800円も取るってどういうこと? どんだけ図太い神経してるんだ、ワーナー・松竹。しかも前売券が出ているわけじゃないから、節約できる選択肢もなく、高い金を払って観るほかない。ロードショー時にコケた分の損失補填でもするつもりなのか? せめて入場料1300円くらいに安くすれば、みんな映画館へ来ると思うのに。ひどい商売下手。

 上映館も都内1館のみ。しかも、なんでよりによって丸の内ピカデリー2なんだろう? とにかくスピーカーの力が弱くて、音にパンチがないし、メリハリもない。個人的には有楽町にある劇場の中では「極力そこでは観たくないコヤ」の筆頭みたいなところなのだ。『WINDS OF GOD』(1995)とか『RAMPO《インターナショナル・バージョン》』(1995)を観た時から、ほとんど印象が変わっていないんだもの。今回も観ている最中、何度も「セリフの音が小せえよ!」と叫びたくなったし、全体に音響効果が眠たくて、本当にイライラした。今まで5回、劇場で『ダークナイト』を観ているけど、いちばんつまらなく感じてしまった。

 スクリーンも大劇場らしく湾曲した作りなのだが、かつての渋谷パンテオン、新宿ミラノ座などのそれと違い、あまり質がよくない。予告編やCMなどを観ると、思いっきり映写角度が歪んでいるのがよく分かる。光量もちょっと足りないし。

 今回の凱旋上映で初めて『ダークナイト』を観た人は、「評判のわりに、なんか盛り上がらねえ映画だなあ」と思ったかもしれない。でも、それは半分ぐらい劇場のせいだと声を大にして言いたい。せっかくの再上映なんだから、もっとゴージャスな観賞環境を用意すればいいのに。これなら「新宿バルト9でレイトショー限定上映」とかの方がよっぽど嬉しかった。つか、待望のIMAX上映の夢があっさりスルーされた時点で、だいぶガッカリだったけど(なんなら大阪にだって行く覚悟はあったのに)。

 今からでも遅くないから、せめて劇場ぐらいは変えてくれないだろうか? ホントもったいない!

『永遠のこどもたち』(2007)

『永遠のこどもたち』
原題:El Orphanato(2007)

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 傑作。「TRASH-UP!! Vol.2」のホラー座談会で、ゾンビ手帖の伊東さんが強く推薦していたスパニッシュホラー。この映画の製作総指揮を担当したギレルモ・デル・トロが、初号試写を観たあとで監督のJ・A・バヨナに「バッキャロ〜! オレをこんなに泣かせやがって!!」と言った気持ちがよく分かる。オレも泣いたもん。

 宣伝では「愛と感動のスピリチュアルムービー」みたいな売り方をされていて、本来の内容は極力伏せられているが、実際はショックシーンもグロ描写も盛り込んだ、れっきとしたホラー映画である。なおかつ母子愛というテーマでセンチメンタルに泣かせるヒューマンドラマでもあり、騙されて観に来てしまったお客さんも納得して帰れるという、なかなかアクロバティックな着地をしてみせる映画だ。その巧さは、同じスペイン出身のフアン・カルロス・フレスナディージョ監督が手がけた『28週後…』(2007)を思い出させる。いわゆる“情”に訴えかけるドラマとホラーを上手に組み合わせるのが、最近のスペイン出身監督たちの特色であり、長所なのだろうか。

 ギレルモ・デル・トロも、そういうジャンルの垣根をあえて意識しない映画作りを続けているが、メキシコの血なのか、スペイン勢とは少し毛色が違う気がする。ちょっと乾いているというか、メロドラマ性よりは状況設計に重きを置く感じがして、情念“的”ではあっても実際にエモーションはそれほど感じない。まあ、その話はまた別の機会に。

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 本作の原題“El Orphanato”とは、孤児院の意。ベレン・ルエダ扮する主人公ラウラは孤児院育ちで、大人になって家庭をもった今、空き家となった元施設の屋敷を買い取り、孤児院の運営を再開しようとする。ところが屋敷に引っ越して以来、空想癖のある息子シモンが目に見えない“子どもたち”と戯れ始め、ラウラ自身の周辺にも不思議なできごとが頻発。そんなある日、シモンが忽然と姿を消してしまう……。その時から、消えた我が子を探し求めるラウラの苦闘が幕を開けた。半狂乱になりながら手掛かりを探す彼女は、屋敷に巣くう目に見えぬ気配の正体を探るうち、隠された悲惨な過去へと迫っていく。

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 心霊ホラーと謎解きのミステリーを融合させた作品としては、名作『チェンジリング』(1980)にも味わいが似ており、ジェラルディン・チャップリン演じる霊媒師が登場する中盤は『ポルターガイスト』(1982)や『エクソシスト2』(1977)を思い出させる。今時珍しいくらい古典的な怪奇映画風の筋立てには、思わず頬が緩んでしまった。流行の激痛描写(爪が剥がれる系のシーンは、本当にイヤだからそろそろやめてほしい……)や、怪奇映画のお約束である「怖い顔」のもたらすプリミティブな恐怖、グロテスクな人体破壊なども盛り込みつつ、適度な品のよさを保った正攻法の演出スタイルで観客を巧みに引き込んでいくJ・A・バヨナの手腕が見事。

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 まず何より、シナリオがいい。最初から傑作の予感バリバリというわけではないけど、堅実な展開のなかに豊富なネタをいいリズムで散りばめていき、最後にはアッと驚くサプライズを仕掛けると共に、感動的な大団円へと見事に導いていく。これを巧いと言わずしてなんと言おうか、と思ってしまう洗練度。本作のオリジナル脚本を手がけたセルヒオ・G・サンチェスは、これがデビュー作なんだとか。恐ろしい。

 終盤に用意された謎解きの部分も心憎いまでに巧みだ。始まってすぐに「これは直球勝負のゴースト・ストーリーですよ」と正面きって宣言するような場面が続くので、観客は思い込みで様々な場面をイメージどおりにすんなり観てしまう。ところが……いや、これ以上は言えないが、ミスリードの仕掛け方は抜群に巧いと思った。トリックとしても見事だし、悲痛なエモーションを一気に高めるドラマ的なクライマックスにもなっている。

 そして、普通ならあまりハッピーエンドとは言えないラストも、処理の仕方が非常に巧いので、納得して受け入れることができる。その結末をファンタジーとして昇華するための組み立てが、さりげなくも丹念で、実に周到なのだ(つまり、現実的な絶望と苦悩の、配置と浸透が)。個人的には、どこか釈然としない後味の残った『パンズ・ラビリンス』(2006)のラストよりも、遥かにしっくりきた。

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 本国スペインでは大ヒットし、国内の映画賞を総なめにした上、アカデミー賞外国語映画賞のスペイン代表にまでなった本作。だが、企画が通るまでにかなりの紆余曲折があったらしい(結局、監督の知人であるギレルモ・デル・トロがプロデュースを買って出て、映画化が実現したとか)。その準備期間の長さが功を奏したのか、手間暇をかけてシナリオや演出プランを練り込んだ感が、画面を観ながらも伝わってくる。逆に、ネタとして用意していたのに使いきれなかったと思しき説明不足な点も、なくはない。が、確かにそこまで辻褄を合わせて話を盛り込んだら、容易に2時間越えの長尺になるのも分かるので、あまり文句は言えない。

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 母の強さ、美しさを全身で演じきる主演女優ベレン・ルエダの熱演、ディテール豊かな美術デザインの見事さも相まって、『永遠のこどもたち』はジャンル分けの意味を失わせるほど、見応えある秀作ホラーに仕上がっている。恐怖映画ファンにも、そうでない人にも、自信をもっておすすめ。ぜひ劇場で観てほしい。

・Amazon.co.jp
DVD『永遠のこどもたち』デラックス版
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『Dan In Real Life』(2007)

『Dan In Real Life』(2007)

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 男手一つで3人の娘を育てているシングルファーザーが、帰省先でたまたま出会った女性と恋に落ちる。しかし、彼女は弟のガールフレンドだった……。『40歳の童貞男』(2005)でブレイクし、『ゲット・スマート』(2008)でドル箱スターの地位に上りつめた喜劇俳優、スティーヴ・カレル主演のハートウォーミング・コメディ。個人的に役者として大好きなカレルの主演作ということもあるけど、なかなかの拾い物だった。監督は『エイプリルの七面鳥』(2003)のピーター・ヘッジス。ヒロインをジュリエット・ビノシュが演じている。

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〈おはなし〉
 ニュージャージーの地方新聞で人生相談コラムを担当しているダン・バーンズ(スティーヴ・カレル)。妻に先立たれて以来、男手一つで3人の娘たちを育ててきた。が、いろいろと苦労は絶えず、彼の方こそ人生相談を受けた方がいいような毎日を送っている。そんなある日、ダンは毎年恒例のファミリー・リユニオンのため、娘たちを連れてロードアイランドの実家へ。父母や兄弟、その家族たちが再会に沸く中、やはり自分だけがどこか浮いている感の拭えないダン。

 ある時、地元の本屋へ出かけたダンは、そこで魅力的な女性マリー(ジュリエット・ビノシュ)と出会う。初対面とは思えないほど会話が弾み、互いに好感を抱いて別れたふたり。いつになく浮き足立って実家に戻ったダンを待っていたのは、なんとマリーその人だった。彼女はダンの弟ミッチ(デイン・クック)のガールフレンドとして招かれていたのだ。

 ダンもマリーも、すでに顔見知りであることをなんとなく言い出せないまま、にぎやかな家族団欒の時が流れていく。ダンは彼女への気持を隠そうとすればするほど挙動不審になり、そのうち家族に心配され始める始末。一方、マリーの心も同じように揺れていた。互いの想いを無理やりに隠し続けるふたりは、ついに……。

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 北東部の美しい海岸の町を舞台に、家族の再会の場で起きるドラマを描いているという点で、個人的にはノア・ボーンバッハ監督の秀作『マーゴット・ウェディング』(2007)と印象がダブった(あちらの舞台はニューヨーク州ロングアイランド)。もちろん、『Dan In Real Life』はディズニー傘下のタッチストーン製作なので、『マーゴット?』ほどビターに寒々しく、リアルな家族間の痛みをえぐりだす映画ではない。基本的には善良な人しか登場しないファミリーコメディであり、映画的なラブ・ロマンスの要素をしっかり携えた大衆向けの娯楽映画である。ただ、そこには男やもめの生活の苦労や、家族の団欒の中にどうしても溶け込めない人間の孤立感などが、真実味をもってデリケートに描かれている。その普遍的なリアリティとフィクショナルな物語性を、この映画はとてもバランスよく、いい具合に折衷させているように思えて、好感が持てた。“家族の空気”を描くのが巧いピーター・ヘッジス監督ならではの味だろう。

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 そして、そのリアリティを支えているのが、スティーヴ・カレルの表情と佇まいだ。元々が深刻な顔つきのカレルは、ハイテンションなコメディ演技よりも、シリアスな芝居の方が向いている。実際、抜群にうまい。ウィル・フェレルやジム・キャリーなどと比べても、役者としてのポテンシャルは段違いに高いと思う。だから『エヴァン・オールマイティ』(2007)は、前半のギャグ芝居から後半の「使命に憑かれた表情」へと一転するカレルの顔だけで泣かせる、前作とは比べ物にならない秀作になった。その辺を分かってないと『ゲット・スマート』みたいに単純な飛び道具扱いになってしまうのだけど……。逆に、メーターの振っ切れた方向でのカレルの最高作は、リメイク版『奥さまは魔女』(2005)のアーサーおじさん役だと思う。あれは本当にすごかった。

 話がずれたが、『Dan In Real Life』のスティーヴ・カレルは本当に素晴らしい。父親としての立場と、道ならぬ恋に狂う衝動の間で揺れる主人公を、絶妙なバランスで演じている。シリアスな表情とコミカルな芝居との配分が、本作ではちょうどいい。何より「途方に暮れる中年男」をこんなに愛らしく演じられる俳優はいないと思うし、出世作となった『40歳の童貞男』でも発揮された独特のピュアネスが、この映画でも見事に活かされている。中でも、家族がそれぞれ一芸を披露していくお楽しみ会のシーンは、落涙必至の名場面。弟がガールフレンドのためにラブソングを歌うというので、カレル扮する主人公が渋々ギターで伴奏を務めることになる。が、やがて彼の演奏は熱を帯びていき、我知らず彼女への真情を吐露してしまう……というシーン。演出も非常に巧くて、感心してしまった。

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 主人公を取り巻く家族たちの人物造形もしっかり描かれていて、それも作品を豊かにしている。3人の娘たちのキャラもそれぞれ立っていて、各々の性格がストーリー展開にちゃんと関わってくるあたりも巧い。クレバーな長女役のアリソン・ピル、反抗期の次女役のブリタニー・ロバートソン、可愛らしい三女役のマーリーン・ローストンと、演じる子役もみんな芸達者。ちなみにマーリーンちゃんは『フライトプラン』(2005)でジョディ・フォスターの娘役を演じていた女の子である。主人公の恋敵となってしまう弟ミッチを演じるデイン・クックも「こいつを裏切ったら可哀想だろー」というイイやつ感を見事に醸し出していて好印象。

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 そして、ジュリエット・ビノシュが意外なくらいロマコメのヒロイン役にハマっていたのも驚きだった。全く重苦しい印象にならず、自然体で都会的女性を演じていて、カレルとのカップリングにも違和感がない。例のイルカみたいな笑い声もいっぱい聞けるので楽しい。さらに、後半で登場する第2のヒロイン(?)、エミリー・ブラントが、出番は少ないながらも鮮やかな印象を残す。さすが『プラダを着た悪魔』(2006)直後で乗りに乗っているだけある。

 実際にロードアイランドで撮影された美しいロケーションも本作の見どころ。こんなところに住んでみたいなあと思わせる景観がいっぱいだ。また、ノルウェー生まれのシンガーソングライター、ソンドレ・ラルケによる温かな音楽も忘れ難い(エンディングでは出演も)。

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 ちょっと褒めすぎな感じになってしまったが、欠点がないわけではない。特に、主人公とヒロインが最初に本屋で出逢うシーンは、もうちょっと上手に見せられたんじゃないだろうか? とは思う。見ず知らずのふたりが瞬時に心を通わせ合う場面にしては、ちょっと説得力に欠けるのだ。この監督は家族を描くのは上手でも、ラブシーンは不得手なのかもしれないと思った(後半はしっかり挽回するけど)。他にも、ちょっと「それは言わねーだろー」と思ってしまうような大袈裟な台詞とか、やや御都合主義すぎる展開もなくはない。まあ、あくまで愛すべき佳作としてみれば、それらの部分も許容範囲内だと思う。

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 内容は全然違うけど、印象的には『マーゴット?』のライト版みたいな感じ(こんなことを言ったらボーンバッハ好きに叱られるだろうか)。俳優スティーヴ・カレルのファンとしては、DVDスルーでもいいから日本でも紹介されてほしい。いい映画だと思うんだけどなー。

・DVD Fantasium
DVD『Dan In Real Life』(米国盤・リージョン1)
Blu-ray『Dan In Real Life』(米国盤)

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本日発売! 「TRASH-UP!! Vol.2」

 トラッシュカルチャーマガジン「TRASH-UP!! Vol.2」は本日発売。売れ行きもわりと好調なようで嬉しい限りです。前回の告知では大まかな内容しか載せませんでしたが、雑誌自体には目次ページというものがないので、もうちょっと詳しく中身を紹介します。

「TRASH?UP!! Vol.2」
価格/1365円
責任編集/屑山屑男

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《目次》
●グラビア:世界の剥製博物館(スイス編)、「月刊ヘア・スタイリスティックス」アートワーク・ギャラリー、DEVILPRESS×TRASH-UP!!×GENOCIDE presents「大悪魔祭」、ニンジャ映画アートワーク
●座談会「2008年ホラー映画総括!」(山崎圭司×伊東美和×真魚八重子×岡本敦史)
●史上最凶のホラー作家、ジャック・ケッチャムの映像化作品 by 岡本敦史
●Interview:アレックス・コックス by 山崎圭司
●All the Love You Troma!! ロイド・カウフマン物語〈その2〉 by ビデオマーケット店員ミヤヂ
●レトロスペクティヴ『13日の金曜日』キング・オブ・スラッシャー・フィルムの伝説【1】 by 山崎圭司
●Interview:ビル・モーズリィ by 山崎圭司
●お楽しみゾンビ映画二本立て・『ゾンビ2009』と『ゾンビ・ストリッパーズ』 by 伊東美和
●日陰者の軍団 よくわかる私的ニンジャ映画の歴史─前編─ by 餓鬼だらく
●世界一凶暴なしあわせさがし『ベルニー』 鬼才アルベール・デュポンテルの過激な原点 by 岡本敦史
●ケヴィン・スミス入魂の続編『クラークス2』はファン号泣必至の秀作! by 岡本敦史
●わいせつ男獣・関良平 by 柳下毅一郎
●曽根中生 得体の知れない静寂 by 真魚八重子
●カナザワ映画祭2008フィルマゲドン by 真魚八重子
●クリスピン・グローヴァーのビッグ・スライドショウ by 真魚八重子
●R.I.P シリオ・H・サンチャゴ by 餓鬼だらく
●中野?荻窪映画館紀行 阿佐ヶ谷オデヲン座とその周辺 by 中平一史(Viemo)
●シャクシャクパリパリほんのり甘?い 蟲スイーツ
●Comic:山田緑
●Artworks:河村康輔 ZAIDE(特別寄稿:根本敬)
●Illustration:AxAxA、田房永子、Paranoid、373
●Photo:弓場井宜嗣
●TRASH HORROR COMICS 絶版上等! by 木下ヨリ太郎
●エロ・グロ・ナンセンス・センチメンタリズム 異色のSF作家・式貴士の世界 by 五所光太郎
●格闘アクション俳優列伝 奈落から還ってきた男 ドルフ・ラングレン by 餓鬼だらく
●アカシックレコード2号店 by 出撃マホニー
●バウス日記 vol.2 by 武川寛幸(吉祥寺バウスシアター)
●キング・ジョーの MY SWEET LITTLE DEVIL by キング・ジョー
●Poet:小笠原鳥類「いろいろな怪獣映画の思い出」
●Interview:小さいテレーズ by MCATM(pelepop/drawing4-5)
●Interview “A DATE WITH ROCK”:HELL-RACER
●Comic:うぐいす祥子「スピルバーグの宇宙戦争」
●Interview:中原昌也「月刊ヘア・スタイリスティックス途中経過」 by 前田毅
●Interview:ナタリア・ラフォルカデ by そらみつ
●ハロプロ禅とヒップホップ禅と禅(TRASH-UP!! EDIT) by A.K.I
●おかしなおかしなワンマン・バンドの世界【2】 by Money Child(THE FLY AND HIS ONE MAN GARBAGE)
●Comic:baby arm
●ジョーのガレージ・デイズ「初期のマグニチュード3」 by キング・ジョー
●DVD REVIEWS by 103、ビデオマーケット店員ミヤヂ、岡本敦史、西海枝良、餓鬼だらく
●MUSIC REVIEWS by YO!マイキー(2 MUCH CREW)、DAI(BAIT ONES)、MCATM(pelepop/drawing4-5)、ぽえむ(2 MUCH CREW)、nari-chang(ex-Country Devils/ex-Guitar Wolf)
●Illustration:西村鮎

 自分の書いた原稿についても、ちょっとだけ解説。座談会「2008ホラー映画総括」は自分もドサクサ紛れに出席してましたが、文字起こしと文章のまとめをやりました。だから当日喋ってないことも内緒でチョコチョコ足してます(すんません)。自分のコメントはともかく、他の出席者の方たちの語られている内容がすごく面白いので、ホラーファンは必読です。
 ジャック・ケッチャムの映画化作品『The Girl Next Door』『The Lost』『Red』についても短い紹介記事を書いてます。字数の都合であっさりした解説ですが、何かの参考にでもなれば。ちなみに『Girl Next Door』は日本でも公開予定があるらしいです。
 アルベール・デュポンテル監督の『ベルニー』は、個人的に生涯のベストムービーの1本と言っていい傑作。最近になって意外と観てない人が多いと知ったので、いかに素晴らしい映画であるかを情熱のままにダラダラと書き綴りました。これを機に、ぜひレンタル店などで『ベルニー』の日本版ビデオを探して手に取ってくれると幸いです。デュポンテル監督の未公開作品2本『Le Createur』(1999)『Enfermes Dehors』(2006)もブログで紹介してます。
 ケヴィン・スミス監督の『クラークス2』についても『ベルニー』同様、輸入DVDで観たらあまりに面白かったので、屑山編集長に「書かせてください!」とセカチューばりに叫び倒し、無理やりねじ込んだ原稿です(すんません)。大学の卒論がケヴィン・スミスだったりしたもんで、つい……。しかしホント、なんでこんな名作が未公開のままなんだろう?
 DVDレビューでは、103さん・ビデオマーケット店員のミヤヂさん・西海枝良さん・餓鬼だらくさんという4人の方と一緒に書いています。ぼくの担当は「マイナーでもないけどメジャーとも言えない、面白いんだけど観てみないと分からない=配給会社の買い付け担当者に無視されそうなタイトル」という微妙なライン。取り上げた作品は、アンドレイ・コンチャロフスキー監督の『House of Fools』、シドニー・ルメット監督の『The Offence(怒りの刑事)』、アラン・ルドルフ監督の『The Secret Lives of The Dentists』、クリス・アイグマン監督の『Turn The River』、ギョーム・カネ監督の『Tell No One』、イエジー・スコリモフスキー監督の『Moonlighting』、クロード・シャブロル監督の『Innocents with Dirty Hands(汚れた手をした無実の人々)』、ベルトラン・タヴェルニエ監督の『Coup de Torchon』、イヴァン・パッサー監督の『Cutter’s Way(男の傷)』、アダム・リフキン監督の『Night At The Golden Eagle』の10本。文章自体は短いですが、見てもらえると嬉しいです。

 そんなこんなで、どうぞよろしくお願いします。

《「TRASH-UP!! Vol.2」取扱中のオンラインショップ》
Amazon.co.jp
@TOWER.JP
HMV
BRIDGE INC.

欲しいDVDリスト・海外編[2009.1?2]

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 大好きな『Futurama』がついにシリーズ完結を迎えてしまうのがムチャクチャ寂しい、欲しいものリスト・海外編のお時間です。先月はお休みしてしまったので、今回は1月と2月に発売される海外盤の注目タイトルをまとめて紹介。ホラー映画のリリースは相変わらず盛んで、リメイク版の劇場公開に合わせて『血のバレンタイン』『13日の金曜日』シリーズが豪華仕様で再登場。さらに北村龍平監督の話題作『ミッドナイト・ミート・トレイン』もアンレイテッド版で発売されます。シネフィル的にはドン・シーゲル監督のTVムービー『大陽の流れ者』のDVD化、イーリング・スタジオ作品のリリースラッシュあたりが、なにげに嬉しい事件だったり。スティーヴン・フリアーズ監督のデビュー作『Gumshoe』もようやく出ます。各商品タイトルのリンク先はDVD FantasiumAmazon.co.ukなど各国の通販サイト。


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●発売中
「Films Of Michael Powell: The Collector's Choice」
米国盤(リージョン1)。イギリスの名匠マイケル・パウエル監督が手がけた絶頂期の傑作『天国への階段』(1946)と、『血を吸うカメラ』の不評で映画界から干された彼の最後の長編『としごろ』(1969)を収録した2枚組DVD。パウエルの大ファンであるマーティン・スコセッシ監督のコメント、『としごろ』メイキング映像、出演者ヘレン・ミレンへのインタビューなどを収録。ちなみに『としごろ』は配給会社コロムビアに再編集された劇場公開版ではなく、2005年に修復されたオリジナルバージョン。(Sony Pictures)

『Hamlet 2』(2008)
米国盤(リージョン1)。ウィリアム・シェイクスピアの不朽の名作文学『ハムレット』の続編を謳った、バチ当たり学園コメディ。元俳優のダメ高校教師が、廃部寸前の演劇部でミュージカル『ハムレット2』を上演して起死回生を狙うが、その内容はとんでもない代物だった……。主演は『トロピック・サンダー』で見事な爆死ぶりを見せたスティーヴ・クーガン。監督は傑作コメディ『キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!』のアンドリュー・フレミング。(Universal)


●2009.1.12発売
『ローズバッド』 Rosebud(1975)
英国盤(PAL)。豪華クルーザー「ローズバッド」号がアラブ系テロリストに占拠され、富豪や要人の娘たちが誘拐される。事件解決に奔走するCIAエージェントとテロ組織の丁々発止をスリリングに描いたポリティカルスリラー。製作・監督は『歩道の終わる所』のオットー・プレミンジャー。出演はピーター・オトゥール、リチャード・アッテンボロー、イザベル・ユペール、キム・キャトラルほか。タイトルデザインはプレミンジャー作品の常連ソウル・バスが担当。(Optimum Home Entertainment)


●2009.1.13発売
『血のバレンタイン』 My Bloody Valentine: Special Edition(1981)
米国盤(リージョン1)。ある炭坑町を舞台に、聖バレンタイン・デーに起こる血まみれの惨劇。カナダ製スラッシャーの古典が、ホラー映画ファン待望の完全版で復活。劇場公開以来カットされていたエクストリームな残酷シーンを追加した本編に加え、メイキング、削除シーン、スラッシャー映画ガイドなどを特典として収録。ちなみにリメイク版『ブラッディ・バレンタイン3D』は2月14日より日本公開。(Lion's Gate)

『Humboldt County』(2008)
米国盤(リージョン1)。教授である父親に不合格をくらった医学生のピーターは、一夜を共にした女性と一緒にカリフォルニアの北端へ遁走。そこは“失われた海岸”と呼ばれ、エキセントリックな住人たちが自由気ままに暮らしていた……。ダーレン・グロドスキー&ダニー・ジェイコブス共同監督によるコメディドラマ。出演はフェアルーザ・バルク、ピーター・ボグダノヴィッチ、ブラッド・ドゥーリフほか。(Magnolia Home Entertainment)


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●2009.1.20発売
『Henry Poole Is Here』(2008)
米国盤(リージョン1)。あと半年の命と宣告されてしまった主人公ヘンリー・プールは、全てを捨てて単身見知らぬ町へと引っ越す。すると家の壁におかしなシミが。熱心なカソリックの隣人エスペランザは、それがイエス様の姿をしていると言い、やがて「奇跡のシミ」として人々がヘンリーの家を訪れるようになる……。『隣人は静かに笑う』のマーク・ぺリントン監督が、ルーク・ウィルソンを主演に迎えて撮った秀作コメディ。共演はラダ・ミッチェル、アドリアナ・バラッザ、リチャード・ベンジャミンほか。Blu-ray版も同時発売。(Anchor Bay/Starz)

『King Of The Hill』 El Rey De La Montana(2007)
米国盤(リージョン1)。スペインの俊英ゴンサロ・ロペス・ガイエーゴ監督が放つアクションスリラー。田舎をドライブ中、道に迷った主人公は唐突に何者かによる銃撃を受ける。わけも分からず森に逃げ込んだ彼は、同じく道に迷った女性と出会い、ふたりで銃弾をかいくぐりながら森をさまようのだが……。(Dimension Extreme)


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●2009.1.26発売
『大陽の流れ者』 Stranger On The Run(1967)
英国盤(PAL)。ドン・シーゲル監督、ヘンリー・フォンダ主演の西部劇TVムービー。無実の罪を着せられた男が、保安官に馬とわずかな物資を与えられ、1時間後に放たれる追跡隊から死に物狂いで逃げようとするが……。原作は『十二人の怒れる男』のレジナルド・ローズ。(Optimum Home Entertainment)

『Out Of The Clouds』(1954)
英国盤(PAL)。スリラーを得意とする職人監督バジル・ディアデンが、『カインド・ハート』などのコメディで知られる老舗会社イーリング・スタジオで手がけた作品。ヒースロー空港を舞台にある一日のドラマを描いたイギリス版『ハッピーフライト』(違う)。主演はアンソニー・スティール、ロバート・ベッティ、デイヴィッド・ナイト。(Optimum Home Entertainment)

『The Escapees』 Les Paumees Du Petit Matin(1981)
英国盤(PAL)。施設を脱走した2人の少女を主人公に描く、フランスのカルト監督ジャン・ローランによる幻想怪奇映画。かつてカナダとトルコでビデオ発売されたのみで幻の作品と化していたが、今回ローラン自身の監修によってニューマスターが制作され、初DVD化。3月31日には北米でもリリース予定。(Redemption Films)

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『Import Export』(2007)
英国盤(PAL)。オーストリアのウルリヒ・ザイドル監督が、シュールでビザールな演出で描く東西ヨーロッパの悲劇。ウクライナからウィーンへ旅立った女、ウィーンから東欧へ向かった男が、それぞれ想像を絶する不幸に巻き込まれていくさまを同時進行で映しだす。撮影は『アイム・ノット・ゼア』のエド・ラックマン。(Trinity Production Co. Ltd.)

『ヌード・カメラ情報』 West End Jungle(1961-64)
英国盤(PAL)。スウィンギング・ロンドン華やかなりし頃、歓楽街ウェストエンドの性風俗事情に迫ったモンド映画。本国イギリスでは売春婦の描写が問題となって上映禁止となり、日本やデンマークなどでは3年後に劇場公開された。オリジナル版でのソフト化は初めて。(Strike Force Entertainment)


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●2009.1.27発売
『Maniacs』 I Maniaci(1964)
米国盤(リージョンオール)。のちにイタリアンホラーの鬼才となるルチオ・フルチ監督が60年代に手がけたオムニバス喜劇。セクシュアルな狂気や妄執にとり憑かれた人々の姿をコミカルに描く。『血ぬられた墓標』のバーバラ・スティール、人気喜劇俳優フランコ&チッチオも出演。(Mya Communication)

『Roman Polanski: Wanted And Desired』(2008)
米国盤(リージョン1)。ポーランドに生まれ、波乱の人生を送ったロマン・ポランスキー監督。彼がアメリカへ二度と戻れない原因となった少女レイプ事件の真相について、マリーナ・ゼノヴィッチ監督が検証したドキュメンタリー作品。ミア・ファーロー、ジーン・グトウスキー、ロレンツォ・センプル・Jr.といった関係者へのインタビュー、そして事件の被害者であった女性の証言なども織り交ぜて、当時の状況に迫っていく。(ThinkFilm)

『The Lucky Ones』(2008)
米国盤(リージョン1)。イラク戦争で負傷して故国アメリカに帰還した3人の兵士が、ひょんなことから1台のレンタカーに同乗し、それぞれの故郷に向かおうとする姿を描くコメディタッチの社会派ドラマ。主人公の3兵士を演じるのは、レイチェル・マクアダムス、マイケル・ペーニャ、ティム・ロビンス。監督は『幻影師アイゼンハイム』のニール・バーガー。(Lion's Gate)

『女囚 檻』 Female Prisoner: Caged!(1983)
米国盤(リージョンオール)。とある女子刑務所を舞台に繰り広げられる、女たちの対立と性の衝動。ロマンポルノの名匠・小沼勝監督による女囚映画が、カルト映画専門ブランド“Mondo Macabro”からリリース。ドキュメンタリー「History Of Nikkatsu Roman Porno」、映画研究家ジャスパー・シャープのインタビューなどを収録。日本版DVDもジェネオンから発売中。(Mondo Macabro)

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「Masterworks Of Rokuro Mochizuki」
米国盤(リージョン1)。望月六郎監督の手がけた秀作アウトロー映画4本を収めたDVD-BOX。収録作品は石橋凌主演の『新・悲しきヒットマン』(1995)、原田芳雄主演の『鬼火』(1996)、奥田瑛二主演の『恋極道』(1997)、松岡旬介主演の『極道懺悔録』(1998)。ヤンキー顔の監督が思いっきりドアップで写っている衝撃的パッケージにも注目。(Artsmagic)

『遥か群衆を離れて』 Far From The Madding Crowd(1967)
米国盤(リージョン1)。トマス・ハーディの小説をジョン・シュレシンジャー監督が映画化した大河ロマン。ジュリー・クリスティ演じる農場の女主人バスシーバを中心に、美しい女と彼女を愛した男たちの波乱に満ちたメロドラマが描かれる。共演はアラン・ベイツ、テレンス・スタンプ、ピーター・フィンチほか。撮影を手がけたのはニコラス・ローグ。(Warner)

『吹きだまりの町』 Cannery Row(1982)
米国盤(リージョン1)。『スティング』の脚本家、『メジャーリーグ』の監督として知られるデイヴィッド・S・ウォードが、文豪ジョン・スタインベックの小説「キャナリー・ロウ〈缶詰横町〉」を映画化した群像ドラマ。街の鼻つまみ者マックは、人のいい学者先生のために仲間たちとパーティーを開こうとするのだが……。主演はニック・ノルティとデブラ・ウィンガー。(Warner)

『Pride and Glory』 2 Disc Special Edition(2008)
米国盤(リージョン1)。ニューヨーク市警の警官4人が奇襲を受けて殺害される事件が発生。父親から捜査の指揮を命じられた主人公レイは、事件に兄と義兄が絡んでいる可能性を突き止めてしまう……。エドワード・ノートン、コリン・ファレルが共演した社会派警察ドラマ。監督は『ミラクル』のギャヴィン・オコーナー。脚本はオコーナーと『NARC』のジョー・カーナハンが共同執筆。Blu-ray版も同時発売。(New Line)


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●2009.2.1発売
『Puffball』(2006)
英国盤(PAL)。仕事のために辺鄙な田舎へやってきた建築家の女性。彼女が妊娠したことから、その地に眠っていた不思議な力が蘇り始め、住民たちは恐怖におののく……。フェイ・ウェルドンの同名小説を原作にした、ニコラス・ローグ監督によるオカルトスリラー。出演は『ヘンダーソン夫人の贈り物』で景気よくヌードを披露していた美女ケリー・ライリー、『赤い影』以来のローグ作品への参加となるドナルド・サザーランド、ミランダ・リチャードソン、リタ・トゥシンハムほか豪華キャスト。ものすごい失敗作という噂もあるけど、観たい。(Yume Pictures)


●2009.2.2発売
『Fears of the Dark』 Peur(s) du noir(2008)
英国盤(PAL)。ズバリ“恐怖”を題材に、欧米のコミックアーティストやイラストレーターが競作した全6話のオムニバス・アニメーション。人々の恐怖や不安を駆り立てる悪夢的イメージの数々が、ビザールな白黒映像の中で繰り広げられる。監督はブラッチ、チャールズ・バーンズ、マリー・カイユ、ピエール・ディ・シューロ、リチャード・マグワイア、ロレンツォ・マットッティ。声優としてギョーム・ドパルデュー、オーレ・アッティカなども参加。(Metrodome Group)

『The Goose Steps Out』(1942)
英国盤(PAL)。イギリスの喜劇俳優ウィル・ヘイが主演と共同監督を務めた、イーリング・スタジオ製作の戦争プロパガンダ喜劇。第二次大戦を舞台に、ヘイ演じる教師がひょんなことからドイツ軍将校と入れ替わってしまうという物語。共同監督はバジル・ディアデン。現存する66分バージョンでのリリース。(Optimum Home Entertainment)

『Another Shore』(1948)
英国盤(PAL)。アイルランドのダブリンを舞台にしたイーリング・コメディの隠れた秀作。夢みがちな男が念願のタヒチ旅行を実現させるため、大金持ちを助けて恩を売ろうと物騒な界隈をうろつくのだが……。監督は『ラベンダー・ヒル・モブ』『ワンダとダイヤと優しい奴ら』のチャールズ・クライトン。(Optimum Home Entertainment)

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『A Run For Your Money』(1949)
英国盤(PAL)。サッカー観戦のためウェールズからロンドンにやってきた田舎者の兄弟が、離ればなれになって都会の誘惑に翻弄される姿を描くイーリング・コメディ。監督は『南極のスコット』のチャールズ・フレンド。出演はドナルド・ヒューストン、アレック・ギネス、モイラ・リスター。(Optimum Home Entertainment)

『Barnacle Bill』(1957)
英国盤(PAL)。英国海軍の艦長でありながら船酔いが持病というアレック・ギネス扮する主人公の悪戦苦闘を描いたコメディ。原案・脚本は『ラベンダー・ヒル・モブ』のT・E・B・クラーク。主演のアレック・ギネス、監督のチャールズ・フレンドにとって最後のイーリング作品となった。(Optimum Home Entertainment)

『A French Mistress』(1960)
英国盤(PAL)。とある公立学校に新しく赴任してきたフランス語教師は、絶世の美女だった! イギリスのヒットメイカー、ボウルティング兄弟による学園コメディ。出演はアニエス・ローラン、セシル・パーカー、イアン・バネン。(Optimum Home Entertainment)


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●2009.2.3発売
『Gumshoe』(1971)
米国盤(リージョン1)。イギリスでは発売延期となり、スペイン盤しか出ていなかったスティーヴン・フリアーズ監督の長編デビュー作がようやく北米でDVD化。アルバート・フィニー演じる売れない俳優が、探偵小説にのめりこむあまり本当に探偵稼業を始めてしまう。共演はビリー・ホワイトロー、フランク・フィンレイほか。撮影は数々の名匠と組んでいるクリス・メンゲス。(Sony Pictures)

『ハバナの男』(1959)
米国盤(リージョン1)。ハバナで掃除機会社の代理店を営む、小心者で実直な英国人ジェームズ。彼はある日、友人から英国諜報機関への協力を勧められ、小金欲しさについ承諾してしまう……。グレアム・グリーンの同名小説を作者自ら脚色し、キャロル・リードが製作・監督を務めたスパイスリラー。出演はアレック・ギネス、モーリーン・オハラ、ラルフ・リチャードソンほか。(Sony Pictures)

『サンフランシスコ物語』 Inside Moves(1980)
米国盤(リージョン1)。サンフランシスコ東部の町オークランドを舞台にした、リチャード・ドナー監督によるヒューマンドラマの名作。飛び降り自殺を図って足が不自由になった青年が、同じような障害を抱えた仲間との出会いや、リハビリ生活を通して立ち直っていく姿を描く。主演はジョン・サヴェージ。いつだか赤井英和がベストムービーの1本に挙げていた。(Lion's Gate)

『Bottle Shock』(2008)
米国盤(リージョン1)。1976年のパリで行われたブラインド・テイスティングで、カリフォルニア産ワインがまさかの勝利を収め、それまでのアメリカ産=安物というイメージを覆した。そこに至るまでの試行錯誤と紆余曲折を描いたコメディドラマ。出演はアラン・リックマン、ビル・プルマン、エリザ・ドゥシュクほか。(Fox)

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『13日の金曜日』 Friday The 13th: Uncut Deluxe Edition(1980)
米国盤(リージョン1)。80年代ホラーブームの火付け役となった大ヒット作が、リメイク版公開に合わせて豪華版で再リリース。本編はアメリカでは初DVD化となるノーカット版(日本版と同じバージョン)。特典としてメイキングや、ショーン・S・カニンガム監督についてのドキュメンタリー、予告編などを収録。(Paramount)

『13日の金曜日 PART2』 Friday The 13th: Part 2: Deluxe Edition(1981)
米国盤(リージョン1)。第1作のヒットを受けて製作されたシリーズ第2弾。ここから殺人鬼ジェイソンが登場し、若者たちを血祭りにあげていく。殺害方法にもなかなか芸があり、ジェイソンが人知れず暮らしていた住居のスカムな感じも忘れ難い。特典はメイキング、コンベンションの記録映像、予告編など。(Paramount)

『13日の金曜日 PART3』 Friday The 13th: Part 3: 3D Deluxe Edition(1982)
米国盤(リージョン1)。大ヒットシリーズ第3弾が、ついに劇場公開時と同じ3Dバージョンで登場! 画面から飛び出すナイフやピッチフォークやヨーヨーが立体メガネで楽しめる。正直、映画としては初期4作の中ではいちばん落ちる気もするけど……。(Paramount)

『His Name Was Jason』 2 Disc Splatter Edition(2008)
米国盤(リージョン1)。トム・サヴィーニがホスト役となって語られる『13日の金曜日』のすべて。初公開の秘蔵映像や、80名を超える関係者インタビューなど、見どころ満載のドキュメンタリー。『13金』ファンは必見。出演はショーン・S・カニンガム、ベッツィ・パルマー、アドリエンヌ・キング、エイミー・スティール、グレッグ・ニコテロ、アマンダ・リゲッティ、セス・グリーン、ケイン・ホッダーなどなど。(Anchor Bay/Starz)


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●2009.2.9発売
『Gomorrah』(2008)
英国盤(PAL)。カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞し、2008年の東京国際映画祭でも『ゴモラ』のタイトルで上映された、イタリアのマッテオ・ガローネ監督作品。ロベルト・サヴィアーノの同名ノンフィクション小説を原作に、ナポリを牛耳る犯罪組織カモッラの実態を克明に描く。原作者はカモッラから殺害予告を受け、いまだに警察の護衛を受けて暮らしているという。(Optimum Home Entertainment)

『Girl in the Park』(2008)
英国盤(PAL)。16年前にセントラルパークで3歳の娘が行方不明になって以来、悲しみと喪失感から逃れられないジュリア。ある日、彼女は娘の面影を持つ若い女性ルイーズと出会う……。『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』の原作・脚本を手がけた劇作家デイヴィッド・オーバーンが映画監督デビューを飾った、数奇な運命を描くドラマ。主演はシガーニー・ウィーヴァー、ケイト・ボズワース。(Halcyon)

『Taken』(2008)
英国盤(PAL)。リーアム・ニーソン演じる元CIAエージェントが、誘拐された娘を救うため犯罪組織に壮絶な戦いを挑む。リュック・ベッソン製作によるハードアクション。監督は『トランスポーター』『ダニー・ザ・ドッグ』の撮影監督や、『アルティメット』の監督を務めたピエール・モレル。共演はファムケ・ヤンセン、マギー・グレイス。(20th Century Fox Home Entertainment)

『Thick As Thieves』The Complete Series(1974)
英国盤(PAL)。ボブ・ホスキンスの出世作となったTVミニシリーズ。3年の刑期を経て釈放された泥棒ジョージ・ドッブスが、愛妻アニーの待つ家へ帰ると、彼女は泥棒仲間のスタンリーとネンゴロになっていた! 奔放な女に愛された泥棒2人のおかしな共同生活を描くシチュエーションコメディ。脚本は『バンク・ジョブ』でも健在なところを見せた犯罪活劇の名手、ディック・クレメント&イアン・ラ・フレネ。(Network)


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●2009.2.10発売
『W.』(2008)
米国盤(リージョン1)。オリヴァー・ストーン監督が第43代アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュの半生を描いた話題作。タイトルロールに扮するジョシュ・ブローリンを始め、そっくりさん俳優を大挙起用。ブッシュの悪政を告発するのではなく、彼がいかに哀れな人間であるかをドラマチックに描いたため、興行的には失敗したとか。Blu-ray版も同時発売。(Lion's Gate)

『Chocolate』(2008)
米国盤(リージョン1)。『マッハ!』『トム・ヤム・クン』のプラッチャヤー・ピンゲーオ監督が、新星ヤーニン・ウィサミタナンを主演に迎えて放つ美少女アクション映画。日本人マフィアの父(阿部寛)をもつヒロインが、病気の母を救うため壮絶な立ち回りを繰り広げる。Blu-ray版も同時発売。(Magnolia Home Entertainment)

『The Lodger』(2008)
米国盤(リージョン1)。連続殺人事件に震撼するロサンジェルス。下宿を経営する女主人は、宿泊者の1人が殺人鬼ではないかと疑い始める……。アルフレッド・ヒッチコック監督が『下宿人』として映画化したマリー・ベロック・ローンズのスリラー小説を、現代のアメリカに舞台を移してリメイク。出演はサイモン・ベイカー、アルフレッド・モリーナ、ホープ・デイヴィス、レイチェル・リー・クック。(Sony Pictures)

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『What Just Happened』(2008)
米国盤(リージョン1)。ロバート・デ・ニーロ演じるハリウッドの映画プロデューサーが、自身の企画を通そうと四苦八苦する姿を描いた風刺喜劇。『アンタッチャブル』など数々の話題作を世に放ってきたアート・リンソンの自叙伝を、リンソン自らの脚色で映画化。バリー・レヴィンソンが監督を務めた。共演はクリステン・ステュアート、スタンリー・トゥッチ、ブルース・ウィリスほか。Blu-ray版も同時発売。(Magnolia Home Entertainment)

『皆殺しの天使』 Exterminating Angel: Criterion Collection(1962)
米国盤(リージョン1)。あるパーティーに集まったブルジョワたちが、なぜか屋敷から一歩も外に出られなくなる……。ルイス・ブニュエルのメキシコ時代を代表する不条理劇の傑作が、クライテリオン・コレクションから登場。2008年製作のドキュメンタリー「The Last Script: Remembering Luis Bunuel」、主演女優シルヴィア・ピナルと当時助監督を務めていた映画作家アルトゥーロ・リプステインへのインタビュー、予告編、ブックレットなどを特典として収録。(Criterion)

『砂漠のシモン』 Simon Of The Desert: Criterion Collection(1965)
米国盤(リージョン1)。砂漠にそびえ立つ柱の上で修行を続ける男は、さらに高みを目指して別の柱へと移り、神への祈りを捧げる……。ルイス・ブニュエル監督がメキシコ時代に手がけた45分の中編が、クライテリオンからリリース。製作途中で資金不足のため撮影が中断し、中編に仕上げたという逸話を持つ。特典として、1995年製作のドキュメンタリー「A Mexican Bunuel」、出演女優シルヴィア・ピナルへのインタビュー、ブックレットなどを収録。(Criterion)


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●2009.2.17発売
『Choke』(2008)
米国盤(リージョン1)。『ファイト・クラブ』のチャック・パラニュークによる同名小説を、サム・ロックウェル主演で映画化。セックス中毒のカウンセリング集会に出席しては患者たちと寝てしまうダメ青年が、アルツハイマー症を患う母の医療費を稼ぐために始めた稼業とは? 共演はアンジェリカ・ヒューストン、ケリー・マクドナルドほか。監督・脚本は『アイアンマン』などにも出演している俳優のクラーク・グレッグ。(Fox)

『ミッドナイト・ミート・トレイン』 Midnight Meat Train: Unrated Director's Cut(2008)
米国盤(リージョン1)。ラッセル・マルケイを師と仰ぐ北村龍平を監督に抜擢し、クライヴ・バーカーの傑作スプラッター短編小説を映画化した話題作。アメリカのホラーファンの間では賛否両論だったが、DVDは公開版より過激なアンレイテッド・ディレクターズカットを収録。これで評価が覆るか? Blu-ray版も同時発売。(Lion's Gate)

『How to Lose Friends and Alienate People』(2008)
米国盤(リージョン1)。『ホット・ファズ』のサイモン・ペッグ主演の新作コメディ。ニューヨークの有名雑誌社で働くイギリス人ライターの悪戦苦闘を描く。原作は英国人ジャーナリストが実際に5年間ヴァニティ・フェア社で働いた体験を綴った同名ベストセラー小説。共演はジェフ・ブリッジス、キルスティン・ダンストほか。(MGM/UA)

『Flash Of Genius』(2008)
米国盤(リージョン1)。1960年代に起きた実話をもとにしたドラマ。新機軸のワイパーを発明したデトロイト在住の大学教授と、大手自動車企業との長きにわたる戦いを描く。家庭思いの父親から、やがて訴訟に心血を注ぐ執念の人となる主人公をグレッグ・キニアーが演じる。(Universal)

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『Religulous』(2008)
米国盤(リージョン1)。TVで活躍するコメディアンのビル・マー(元カソリック)が世界中を駆け巡って宗教家にインタビューし、いかに現代の宗教が欺瞞に満ちたものであるかを暴露しつつ、その在り方を問うコメディドキュメンタリー。タイトルは「宗教(Religion)」と「アホくせえ(Ridiculous)」を掛け合わせた造語。監督は『ボラット』のラリー・チャールズ。(Universal)

『レーチェル レーチェル』 Rachel, Rachel(1968)
米国盤(リージョン1)。生涯に6本の監督作品を残したポール・ニューマンの記念すべき監督デビュー作。引っ込み思案の中年女性教師が、ある出来事によって自分の殻を打ち破り、新たな人生の第一歩を踏み出すまでを描く。主演はニューマン夫人のジョアン・ウッドワード。(Warner)

『フェイシズ』 Faces: Criterion Collection(1968)
米国盤(リージョン1)。“インディペンデント映画の父”ジョン・カサヴェテス監督の名声を確立した代表作が、クライテリオン・コレクションから単品で初リリース。自宅を抵当に入れ、出演者もスタッフもノーギャラで参加し、数年間を費やして作り上げたこの群像劇は、アカデミー賞3部門にノミネートされるほどの高評価を得て、カサヴェテス自身をも驚かせた。17分の別バージョン・オープニング、フランスのTV番組「Cineastes de notre temps」のカサヴェテス特集、2004年製作のインタビュー集「Making Faces」などを収録した2枚組。(Criterion)


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●2009.2.23発売
『美人ダンサー襲撃』 Watch Me When I Kill(1975)
英国盤(PAL)。ダリオ・アルジェント監督の初期ジャッロに強く影響されたアントニオ・ビドー監督の長編デビュー作。殺人事件に巻き込まれてしまった女性ダンサーの恐怖を描く。『新世紀エヴァンゲリオン劇場版/シト新生』の予告編や『バトルロワイヤル』などで日本でも有名になったヴェルディの「“レクイエム”より・怒りの日」をバックに、風呂場で繰り広げられる壮絶な殺害シーンがホラー映画ファンの間では有名。ただし被害者は美女でなくオッサン。(Shameless)

『Hunger』(2008)
英国盤(PAL)。1981年、北アイルランドのメイズ刑務所内で行なわれたハンガーストライキを題材に、死を賭した壮絶な抗議運動を繰り広げた人々の姿を描く衝撃作。監督・脚本を手がけたのは往年のハリウッドスターと同姓同名の新人、スティーヴ・マックイーン。カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人賞)と国際批評家連盟賞を受賞し、東京国際映画祭2008でも『ハンガー』のタイトルで上映された。(Pathe Video)

『Sid!』(2008)
英国盤(PAL)。没後30周年を迎えたシド・ヴィシャスの生涯に迫ったドキュメンタリー。ジャー・ウォブル、スティーヴ・セヴェリン、ヴィヴィアン・ウェストウッドなどによる関係者証言や、ロンドンのストックビデオアーカイブ「ITN」の協力で発掘された初公開映像なども盛り込まれている。本編DVD+10曲入りCDの2枚組。(Odeon Entertainment)


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●2009.2.24発売
『四匹の蠅』 Four Flies On Grey Velvet(1971)
米国盤(リージョンオール)。権利問題でソフト化が絶望視されていたダリオ・アルジェント監督の初期ジャッロが、ついに北米圏で公式リリース。殺人の現場に居合わせたミュージシャンが辿り着く意外な真実とは? 主演はマイケル・ブランドン、ミムジー・ファーマー。(Mya Communication)

『Malabimba: The Malicious Whore』Unrated Version(1979)
米国盤(リージョン1)。イタリアで作られた『エクソシスト』もどきのエロティック・オカルト映画が、無修正全長版で再リリース。淫乱な悪霊に取り憑かれた美少女ビンバの奇行を描く。監督は怪作『ゾンビ3』のアンドレア・ビアンキ。(Severin)

「The Whip And The Body / Conspiracy Of Torture」
米国盤(リージョン1)。マリオ・バーヴァ監督の『白い肌に狂う鞭』(1963)と、ルチオ・フルチ監督の『Beatrice Cenci』(1969)のカップリングDVD。各作品のバージョンは不明。(Rykodisc)

『修道女ルシア 辱(けが)す』 Sins Of Sister Lucia(1978)
米国盤(リージョンオール)。小原宏裕監督・桂千穂脚本のロマンポルノ作品が“Mondo Macabro”からリリース。家庭教師と関係を持ったことから修道院へ入れられたヒロインが、背徳の肉欲に溺れていく。ドキュメンタリー「History Of Nikkatsu Roman Porno」、映画研究家ジャスパー・シャープのインタビューなどを収録。日本版DVDもジェネオンから発売中。(Mondo Macabro)

『Blood, Boobs & Beast』(2008)
米国盤(リージョン1)。箸にも棒にもかからないZ級SFホラー映画を作り続けてきたボルチモアの映画作家、ドン・ドーラーの半生に迫ったドキュメンタリー。ドーラー自身はもちろん、ロイド・カウフマンやJ・J・エイブラムズといった映画人たちも登場する。特典としてドーラーの監督作品『魔獣星人ナイトビースト』本編と、予告編集やメイキングなどを収録。(Troma)

「Japan Noir: 9 Souls/Bullet Ballet/The Guard From Underground」
米国盤(リージョン1)。“ジャパン・ノワール”と題して、豊田利晃監督の『ナイン・ソウルズ』、塚本晋也監督の『BULLET BALLET』、黒沢清監督の『地獄の警備員』を収録した3枚組DVD-BOX。まあ、確かにどれも闇を描いてるかもしれないけど、ノワールではない気がする。お得だから別にいいか。(Artsmagic)

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『Futurama: Into The Wild Green Yonder』(2009)
米国盤(リージョン1)。マット・グレーニング原案&プロデュースのSFコメディアニメ『Futurama』の長編シリーズ最終作。プロデューサーのデイヴィッド・X・コーエン曰く「ラストを締めくくるに相応しい、スイートな薫りを残す最高のエンディングが待っているよ」とのこと。これで最後と言わず、もっともっと作り続けてほしい。ゲスト声優としてスヌープ・ドッグやフィル・ヘンドリーなどが参加予定。Blu-ray版も同時発売。(Fox)

『楽園の瑕』 Ashes Of Time: Redux(1994)
米国盤(リージョン1)。ウォン・カーウァイ監督の異色武侠映画『東邪西毒』が、「Redux」(帰還版)と冠された再編集バージョンで新たにリリース。公開版は100分だったが、今回のバージョンは93分になっている。特典としてメイキング、監督との質疑応答を収録。(Sony Pictures)

『Sweeney Todd: The Demon Barber Of Fleet Street』(1936)
米国盤(リージョン1)。戦前イギリス映画界で活躍したグランギニョール風ゲテモノ映画の大スター、トッド・スローターが主演した元祖『スウィーニー・トッド』。19世紀ロンドンの下町で、客の喉首を掻き切り続けた殺人床屋と、その死体で人肉パイをせっせと作り続けた女将さんの栄光と挫折。スローターは舞台でもトッド役を当たり役とし、この映画版も当時大ヒットしたとか。(Legend House)

『ブラッド・ブラザーズ ―天堂口―』(2007)

『ブラッド・ブラザーズ ―天堂口―』
原題:天堂口(2007)

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 1930年代の上海を舞台にした、中華版『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』。成功を夢みて田舎から出てきた3人の若者が、暗黒街に身を投じて血塗られた運命を辿るという古風なギャング映画だ。ジョン・ウーが製作に参加し、これが初長編となる新鋭アレクシ・タンが監督を務めた。主人公を演じるダニエル・ウーを始め、スー・チーやチャン・チェンといった美男美女スターの競演、ムードたっぷりの映像美も見どころ。2月から日本でも劇場公開されるのに気付かなくて、香港盤DVDで先に観てしまった。

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〈おはなし〉
 1930年代の中国。貧しい村に育ったフン(ダニエル・ウー)は、都会に出て一旗あげようという親友のカン(リウ・イエ)に誘われ、カンの弟フー(トニー・ヤン)と3人で村を出て大都市・上海へ。欲がなく真面目なフンは車夫として働くが、出世の糸口など見つからず、気弱なフーも同様に冴えない日々を送っていた。一方、野心満々のカンは高級ナイトクラブ「天堂口」のウェイターとして働きながら、オーナーである暗黒街の大物ホン(スン・ホンレイ)とのコネを得る。

 カンの勤めるクラブに招かれたフンは、ステージで歌う絶世の美女ルル(スー・チー)に一目惚れ。だが彼女はホンの愛人であり、ひそかに殺し屋マーク(チャン・チェン)とも関係を持っていた。マークはルルを愛するあまり、忠義を尽くしてきたホンを暗殺しようとするが、未遂に終わる。

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 フンとフーは、カンに強引に引っ張られるかたちでギャングに仲間入り。フンはその純朴さと実直さで、ルルやマークと親交を深めていく。だが、暗黒街の非情な掟は次第に彼らの心を蝕んでいき、フーは酒に溺れ始める。そんな中、凶犬ヤクザとして着実にトップの座へと上りつめていくカン。共に兄弟のように育ち、楽園での生活を夢みた3人の絆は、いつしか最悪のかたちで引き裂かれようとしていた……。

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 お話はもう本当に「ただセルジオ・レオーネがやってみたかっただけ」と言っていい内容で、ストーリー展開にもキャラクター造形にも新味はない。音楽もまるっきりエンニオ・モリコーネ調。ジョン・ウーならそこに過剰な思い入れとロマンティシズムを投入して(例えば『ディア・ハンター』を『ワイルド・ブリット』にしてしまったように)傑作に仕上げてしまうところだけど、アレクシ・タンの演出はやや平板で掘り下げが甘い。うねるような暗黒街のメロドラマを描くには粘りに欠け、上っ面をなぞるので精一杯な感があった。役者の演技と立派な美術に頼りすぎていて、独自性のある演出が感じられない。人物のエモーションを俳優の「顔」でしか伝えようとしない凡庸さも気になった。

 それに、どうやらガンアクションやバイオレンスにさほどこだわりがないらしく、見せ場は多いのに個々の描写がいまひとつ魅力的でなく、パンチ不足なのが残念。いちばん大事なクライマックスの銃撃戦でさえ、緊張感や迫力に乏しいのは大きなマイナスだ。ジョン・ウー製作という看板に惹かれて、そっち方面で期待すると肩透かしを食うかも。

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 その代わり、映像は非常に美しい。戦前の上海を再現したオープンセット、セクシーな美女たちが舞い踊るナイトクラブなど、ゴージャスなビジュアルの数々を眺めているだけで元は取れる。役者も全員ことごとく綺麗に撮られていて、特にファム・ファタールを演じるスー・チーの美しさは絶品だ。今までに観た彼女の出演作のなかで、いちばん綺麗なんじゃないかと思った。ダニエル・ウー、チャン・チェンの端正な美男子ぶりも、クラシカルな様式的作品世界の中でいっそう際立っている。ギャングのボス役、スン・ホンレイの存在感も光っていた。

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 95分というコンパクトな尺どおり、エピックと呼ぶには物足りない作品だけど、「気分」だけは十分に味わえるので、お好きな方にはお薦め。しかし、こういう映像美で見せる映画を、シネマート六本木でデジタル上映しかしないってのは……。

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『文雀』(2008)

『文雀』(2008)

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 4人組のスリ集団の前に現れた、ひとりの美しい女。彼女は闇社会の大物に囲われ、自由を失った“籠の中の小鳥”だった。助けを求められたスリたちは、彼女を広い世界に解き放つべく一肌脱ぐことに……。ジョニー・トー監督が4年の歳月をかけて少しずつ撮りためた、軽妙でロマンティックな小品。東京フィルメックスでは見逃してしまったので、年末ギリギリになって香港盤DVDで観た。

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 本作は、古きよき香港をこよなく愛する監督が、急速な経済発展に伴う都市開発のなかで失われゆく街の情景を、フィルムに残そうと始まった企画。劇中には長い歴史を感じさせる建物や、旧市街の町並みが多く登場する。スリという今どき割りに合わない犯罪にこだわり続ける主人公たちも、滅びゆく昔気質の象徴なのだとか。物語もいつものハードなトーさん節ではなく、甘美でクラシカルな都会のおとぎ話という趣き。しかし、クライマックスでは男たちの揺るぎない友情が、言葉などなくても通じ合う絆がひたすらカッコよく、様式美たっぷりに描かれる。紛うかたなきジョニー・トー作品なのだ。

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 最小限に削ぎ落とされた台詞、余計な説明は一切しないシンプルな語り口によって、現代の香港を舞台にロマンティックな物語を展開させる『文雀』。フランス人作曲家ザヴィエ・ジャモーの洒落た音楽も効果大だ。アンディ・ラウ主演の『イエスタデイ・ワンスモア』(2004)とも印象がダブったが、こちらの方がより監督のパーソナルな心情に溢れた作品という感じがする。といっても非常にこぢんまりとした映画だし、4年もかけたと聞いて想像するような力の入った内容ではない。むしろ息抜き的な気楽さで丁寧に作り上げた、小さな宝石細工のような作品である。

 それでも終盤には壮麗かつスタイリッシュな“対決”シーンが用意されており、決して地味な映画にはなっていない。夜の闇の中で、雨と傘と群衆が優雅に絡み合うクライマックスは、緊張感と美しさを同時に兼ね備えた本作のハイライトだ。監督はこの映画をミュージカルのような印象にしたかったといい、ここでは大好きな『シェルブールの雨傘』(1963)をイメージしているのだとか。同時に、『エグザイル/絆』(2006)のラストにも通じる男泣き必至の名場面でもあり、プロとしての矜持をかけた情無用の勝負を描いてもいて、その決着はなかなか奥深い。

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 スリ集団のボスを演じるのは、常連俳優のサイモン・ヤム。『エレクション』二部作の鬼気迫る演技、『エグザイル/絆』のコミカルな怪演とは打って変わって、ここでは昔気質のロマンティストを軽やかに演じている。カメラ片手にニコニコしながら自転車で街を駆ける姿は、まるっきり少年そのもの。美女を前にドキマギするさま、恋心を秘めた男のいじらしさが滲む仕草には、ヤムヤムファン悶絶必至。4年間にわたる撮影のため、体重とプロポーションをずっと同じに保ち続けたという役者根性にも恐れ入る(スリ仲間を演じた役者のうち2人はしっかり太ってしまい、自転車に4人乗りするシーンでは重さで何台も壊してしまったとか)。ということは、衝撃的な中年太り姿で登場した『天使の眼、野獣の街』(2007)は、本作のクランクアップ後に撮られたのだろうか。それとも撮影途中……? さらに、現場では例によってシナリオがなかったため、最初の1週間はただひたすら旧市街を自転車で走らされ、自分が何の役なのか全く分かっていなかったという。恐るべし、ジョニー・トー組。

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 そして、ファム・ファタール的なヒロインを演じるケリー・リンがとてもいい。考えようによっては純情なスリ集団を利用する悪女にしか見えかねないキャラクターを、本当に可愛らしく、無器用な女性として見事に演じている。どちらかというとクールな印象の彼女を、ジョニー・トー監督は儚げでつい守りたくなる女性の役に抜擢し、愛情たっぷりに撮っていて、そのベタ惚れぶりが画面からひしひしと伝わってきて微笑ましい。『マッド探偵』(2007)といい本作といい、もはやジョニー・トー作品のミューズといっていいのでは?

 ラム・カートン、ラム・シュといった常連俳優も、相変わらずいい味を出している。今回、特に素晴らしかったのが、ベテラン名脇役のロー・ホイパンだ。ヒロインのパトロンで実は元○○(!)という役を憎々しくも愛らしく演じていて絶品。『エレクション』や『柔道龍虎房』(2004)にも出ていたそうだが、ちょっと思い出せない。今度また観てみよう。

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 『文雀』はジョニー・トー監督の映画作家としての成熟と、幅の広がりを感じさせる佳作だ。ロマンのかけらもなく、説明過多なハリウッド映画に飽き飽きした映画ファンには、お薦めの1本。

※追記:2009年、ファインフィルムズより『スリ』のタイトルで日本版DVDがリリース。

・Amazon.co.jp
DVD『スリ(文雀)』

・Yesasia.com
DVD『文雀』(香港盤・リージョン3)

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