Simply Dead

映画の感想文。

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欲しいDVDリスト・海外編[2008.9+α]

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 最近バカみたいに暑い日がめっきり少なくなって寂しい、欲しいものリスト海外編のお時間です。9月のトピックはなんといっても「Ken Russell at the BBC」のリリース。ケン・ラッセル監督がBBC時代に撮った一連のバイオグラフィードラマをDVD-BOX化! というファン垂涎の品物です。オリヴァー・リード主演の『Dante's Inferno』は海賊版ビデオで持ってるけど画質が悪くて……。そして、マルコ・フェレーリ監督作品のDVD-BOX「Marco Ferreri Collection」なんてのも、いつの間にかアメリカで発売されていました。名作『猿女』が入ってないのは残念だけど、1968年製作のSF作品『The Seed Of Man』が気になります。新作ではヘレン・ハントの監督デビュー作『Then She Found Me』や、マルク・キャロの単独監督作『Dante 01』などが登場。各商品タイトルのリンク先はDVD FantasiumAmazon.co.ukなど各国の通販サイト。


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●発売中
「Marco Ferreri Collection」
米国盤(リージョン1)。イタリアの異才マルコ・フェレーリの監督作品8本を収録したDVD-BOX。収録タイトルは『El Cochecito』(1960)、『The Seed Of Man』(1969)、『最後の晩餐』(1973)、『Don't Touch The White Woman』(1974)、『バイバイ・モンキー/コーネリアスの夢』(1978)、『マイ・ワンダフル・ライフ』(1979)、『町でいちばんの美女/ありきたりな狂気の物語』(1981)、『The House Of Smiles』(1988)。ドキュメンタリー「Marco Ferreri: The Director Who Came From the Future」、マルコ・フェレーリ監督のインタビュー映像も収録。16ページのブックレットつき。(Koch Releasing)

『ジェヴォーダンの獣』 Brotherhood Of The Wolf: Director's Cut(2001)
米国盤(リージョン1)。フランスの俊英クリストフ・ガンズ監督による伝奇アクション『ジェヴォーダンの獣』のディレクターズ・カット版が再リリース。本編は未公開シーンを含めた152分バージョン。ドキュメンタリー映像集やストーリーボードなどを収録した特典ディスクつきの2枚組。(Universal)

『Linda Lovelace For President』(1975)
米国盤(リージョン1)。ポルノ映画の歴史を変えたヒット作『ディープ・スロート』の主演女優リンダ・ラヴレイスが、アメリカ大統領選挙に立候補するというコメディ。(Dark Sky Films)


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●2008.9.2発売
『天元突破グレンラガン Vol.3』 Gurren Lagann Vol.3(2007)
米国盤(リージョン1)。劇場版第1弾『紅蓮篇』も9月6日から公開される今石洋之監督の熱血ロボットアニメ『天元突破グレンラガン』の最終巻。第19話「生き残るんだどんな手段を使っても」から第27話「天の光はすべて星」までを収録した2枚組。(Bandai Entertainment)


●2008.9.8発売
『スパイクス・ギャング』 The Spikes Gang(1974)
英国盤(PAL)。リチャード・フライシャー監督の枯れた演出が印象的な、ニューシネマ西部劇の佳作。リー・マーヴィン扮する年老いた銀行強盗と、3人の少年たちの苦い道行きを描く。少年トリオを演じたのは、ゲイリー・グライムス、ロン・ハワード、チャールズ・マーティン・スミス。(Optimum Home Entertainment)

『国境のかなたに明日はない』 Young Billy Young(1969)
英国盤(PAL)。仇を捜して旅する初老のガンマンが一人の青年を助けるが、彼は敵の息子だった……。バート・ケネディ監督が世代を超えた男の友情を軽快に描いた西部劇アクション。主演はロバート・ミッチャムとロバート・ウォーカー。(Optimum Home Entertainment)


●2008.9.9発売
『Then She Found Me』(2007)
米国盤(リージョン1)。『恋愛小説家』のヘレン・ハントが監督・脚本・主演を務めた話題作。子供が欲しい39歳の地味なヒロインが、突然の離婚を皮切りに様々なトラブルに見舞われていく姿をコミカルに描き、初監督作にして各方面から高い評価を得ている。共演はベット・ミドラー、コリン・ファース、マシュー・ブロデリックなど。Blu-ray版も同時発売。(ThinkFilm)


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●2008.9.15発売
『Dante 01』(2008)
英国盤(PAL)。『ロスト・チルドレン』のマルク・キャロが手がけた単独監督作は、宇宙ステーションを舞台にしたSFスリラーアクション。出演は『マトリックス・リローデッド』のランベール・ウィルソン、『真夜中のピアニスト』のリン・ダン・ファンほか。ドミニク・ピノン、ヤン・コレットなど個性派も多数出演。(Momentum Pictures Home Entertainment)

『XXY』(2007)
英国盤(PAL)。両親と海辺の村に住む15歳の少女アレックス。そこに整形外科医とその家族が訪ねてくる。彼らはなぜ招かれたのか? やがてアレックスにまつわるショッキングな秘密が露にされていく……。各国映画祭で高い評価を獲得し、日本でも昨年「スペイン・ラテンアメリカ映画祭」でも上映されたアルゼンチン映画。(Petit Peche)


●2008.9.16発売
『Noise』(2007)
米国盤(リージョン1)。最近ちょっと怪優めいてきているティム・ロビンスが主演したブラックコメディ。ニューヨークの騒音に悩まされ、ノイローゼに陥った男の起こした行動とは? 共演はブリジット・モイナハン、ウィリアム・ハート。(Anchor Bay/Starz)

『Ladies And Gentlemen, The Fabulous Stains』(1981)
米国盤(リージョン1)。パンクバンドを結成するティーンエイジの女の子3人の物語を描いた、一部でカルトな人気を誇る音楽映画。コートニー・ラヴもこの映画のファンだとか。パンク少女を演じるのは若き日のダイアン・レイン、ローラ・ダーンなど。監督は音楽業界の大物プロデューサーで『ロッキー・ホラー・ショー』も製作したルー・アドラー。(Rhino Entertainment)


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●2008.9.22発売
『L'Enfance-nue』(1968)
英国盤(PAL)。『裸の幼年時代』という題でも知られる、モーリス・ピアラ監督の処女長編。ドキュメンタリーやインタビュー映像、1960年の短編「L'amour Existe」などを収録した2枚組エディション。同監督の『刑事物語』(1985)のスペシャル・エディションも同時発売。(Eureka Entertainment)

『The Class』 Klass(2007)
英国盤(PAL)。先頃「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2008」でも上映された、エストニア発の悲痛な青春映画。いじめっ子をかばったことから、同じくクラス中の攻撃対象になってしまった少年。クラス全員を敵に回した2人は暴力をもって闘うことを決意し、やがて血まみれの結末へと突き進む。(Final Cut Entertainment)

『The Luck of Ginger Coffey』(1964)
英国盤(PAL)。ジンジャーというあだ名を持つアイルランド人の男が、職探しに四苦八苦する姿を描いたドラマ。原作者のブライアン・ムーアが自ら脚本を書き、のちに『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』を手がけるアーヴィン・カーシュナーが監督を務め、有名になる前のロバート・ショウが主人公を演じた。(Metrodome Video)

『The Liar』 Valehtelija(1981)
英国盤(PAL)。フィンランドの映画作家ミカ・カウリスマキが監督した中編映画。共同脚本と主演を務めたのは弟のアキ・カウリスマキ。同じく兄弟でシナリオを書いた短編『Jackpot 2』も収録。(Bluebell Films)


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●2008.9.23発売
『L.A.コンフィデンシャル』 L.A. Confidential: 2-Disc Special Edition(1997)
米国盤(リージョン1)。ジェームズ・エルロイの原作を骨太な演出で映像化した犯罪アクション映画の秀作が、2枚組エディションで再リリース。今回の目玉はなんといっても2000年に制作されながらオクラ入りとなっていたTVシリーズ版『L.A. Confidential』パイロットフィルムの収録。主演はキーファー・サザーランド。他にも音声解説や新撮インタビュー映像などの特典を満載。Blu-ray版も同時発売。(Warner)

『センチュリアン』The New Centurions(1972)
米国盤(リージョン1)。ジョゼフ・ウォンボーの原作をもとに、制服警官たちのシビアな日常を淡々と描いた、リチャード・フライシャー監督の名作。主演はジョージ・C・スコットとステイシー・キーチ。(Sony Pictures)

『Mother of Tears』(2007)
米国盤(リージョン1)。ダリオ・アルジェント監督の“魔女三部作”完結編がアメリカでもDVDリリース。日本公開は一体いつになるのだろうか……。(Weinstein Company)

「Ken Russell at the BBC」
米国盤(リージョンフリー)。イギリスの鬼才ケン・ラッセル監督がBBC時代に手がけた伝記番組7本をまとめたDVD-BOX。収録作は『The Debussy Film』、『Dante's Inferno』、『Isadora: The Biggest Dancer in the World』、『A Song of Summer』、『Always on Sunday about Henri Rousseau』、そして『Dance of the Seven Veils』。芸術家たちの生涯と作品を、独自の前衛的演出で描いたこれらの作品群によって、ラッセルは若き異才として一躍注目を集めた。いずれも初DVD化となる貴重な作品ばかりで、ファンにとっては事件といえるリリース。これで『肉体の悪魔』も出てくれればカンペキなんだけど……。(BBC Warner)


●2008.9.29発売
『The Animals Film』(1981)
英国盤(PAL)。人間社会のなかで搾取され続ける動物たちの姿を克明に映しだす、英国製のドキュメンタリー。初のノーカット版でのリリース。ナレーターは女優のジュリー・クリスティ、音楽はトーキング・ヘッズとロバート・ワイアット。(BFI Video)

『ガラスの旅』 Oasis of Fear/Un Posto ideale per uccidere(1971)
英国盤(PAL)。オルネラ・ムーティとレイモンド・ラブロックが共演した、青春映画タッチの異色ジャッロ。無軌道な若者カップルが、ある人妻の殺人の罪をなすり付けられてしまう……。監督はウンベルト・レンツィ。(Shameless)


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●2008.9.30発売
『私生活のない女』 La Femme Publique: Special Uncut Edition(1984)
米国盤(リージョン1)。パリで女優を目指すヌードモデルの女が一人の映画監督と出会い、ドストエフスキー原作の「悪霊」の主役に抜擢されるが……。アンジェイ・ズラウスキー監督が愛と性と死と政治を絡めて描く特濃愛憎劇。ズラウスキー自身の監修によるHDリマスターのノーカット本編のほか、オーディオコメンタリーやインタビュー映像、ブックレットを収録。サウンドトラックCDつきのプレミアム・エディションも同時発売。(Mondo Vision)

『ポゼッション』 Possession(1981)
米国盤(リージョン1)。鬼才アンジェイ・ズラウスキー監督がイザベル・アジャーニを主演に迎えて撮り上げた怪作。アメリカでは久々の再リリース。今ズラウスキーの映画を観ると、よくある「難解で悪趣味で寒々しくて独りよがりな芸術映画のパロディ」そのままに見えて、それも面白い。(Blue Underground)

『Butterfly』(1982)
米国盤(リージョン1)。ゴールデンラズベリー賞の常連であり、ジョン・ウォーターズが熱烈に愛してやまない女優、ピア・ザドラを一躍有名にした出世作。近親相姦を題材にした本作で、彼女はゴールデングローブ賞新人賞を獲得したが、大富豪である夫の根回しだと揶揄された。共演はオーソン・ウェルズ、ステイシー・キーチ。(Rykodisc)

『「闇」へ』 Taxi to The Dark Side(2007)
米国盤(リージョン1)。アフガニスタンの米軍基地内で、拘留された22歳のタクシー運転手が、無実と判明した後も暴行を受け続けて死亡した事件を題材にしたドキュメンタリー。監督は『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』のアレックス・ギブニー。日本のNHKも出資し、今年のアカデミー賞では長編ドキュメンタリー賞を獲得した。(ThinkFilm)

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『デトロイト・メタル・シティ』(2008)

『デトロイト・メタル・シティ』(2008)

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 まず実写版の話から……なんか、いろんな意味でしくじってる映画だと思った。何より主人公・根岸を演じる松山ケンイチの演技プランが完全に間違っている。「女々しい」のと「オカマっぽい」のとは違うだろう。いくらなんでもオーバーすぎるナヨナヨ芝居が気色悪すぎて、これではヒロインが主人公を憎からず思っているという設定に説得力が生まれない。それに、等身大の甘ちゃん系アウトサイダー=根岸くんの苦労多き日常と悲哀を描く青春ストーリーとしての共感性が、根こそぎなくなってしまった。今、普通にナヨナヨした男の子って現実にたくさんいるはずなのに、そのリアリティを掬い取れなかった失敗は大きい。

 それはコメディなんだから多少の誇張は必要だろう、という声もあるかもしれないが、この物語の場合は断じて違う。あくまで自然体のオシャレポップ大好き男子がふりまく間抜けなイタさ=リアリティがあればこそ、デスメタルバンドのフロントマンとして狂い咲く別人格ことクラウザーさんの存在=誇張の面白さが引き立つのだ。この映画では、どちらかというとクラウザーさんの方が最初から「本物」に見えてしまっている。

 そもそも喜劇の組み立てが全くできていない、李闘士男の演出も観るに堪えなかった。映画の笑いは芝居のニュアンスやカメラポジション、カッティングやリズムによって緻密に構成されるべきものだ。そして語り口と同様、映像の質感もできるだけシンプルに、フラットに削ぎ落としていかなければならない(とにかくこの映画は照明設計が適当すぎる)。本作では理知的に観客を笑いへ導こうとする演出的努力がほとんど感じられなかった。全てシナリオに書かれた状況と、役者の芝居に頼っている感がある。

 大森美香のシナリオにしても、決して良い出来とは言えない。映画独自の脚色によってストーリーをコンパクトにまとめようとしているが、ほとんど効果的な省略がなされていない。意味のない舞台変更やディテールの甘さは、後半の遊園地のシーンあたりで一気に噴出する。何、このズサンなまとめ方。かなり突貫で書き上げたシナリオなのではないかという印象を持った。

 あと、ヒロイン役の加藤ローサって、友達に誘われたらデスメタルバンドのライブとかにも面白がって行きそうじゃないか? サブカルに理解がありそうな印象なので、DMCへの拒絶反応にも今ひとつパンチが利いてない気がした。ここはやっぱりアニメ版と同様、長澤まさみとかのオボコい感じの若手女優をキャスティングしてほしかった。DMCの残りのメンバーが全然ストーリーに絡んでこなかったのも残念。

 ちなみにデスメタル的には欠かせないアナーキズムや反骨精神も、なきに等しい(そもそも演奏してる曲自体がさほどデスメタルではないものの)。そこはまあ期待するだけ無駄というか、予想通りの薄さだった。クラウザーさんが過って警官をギターでぶん殴ったり、根岸のアパートで社長がマリファナパーティーを開いたりするくだりも、全国公開の大衆向け商業映画では望むべくもない。代わりに大手CDショップに媚を売ったキャッチフレーズが感動ドラマの伏線として連呼されるだけ。原作に登場するDMCファミリーの一員、M男パフォーマー「資本主義の豚」のキャラクターは実写版ではオミットされたが、映画自体がそうなってしまった。

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 一方、STUDIO4℃制作・長濱博史監督のアニメ版『デトロイト・メタル・シティ』は、やっぱり面白かった。長濱監督が演出として参加した『ギャグマンガ日和』の手法(声優にマンガをそのまま読ませて、それを編集して間を詰めた素材をもとに作画するというプレスコ方式)をそのまま踏襲し、ひたすら原作に忠実に、コマ割りからコマの大きさまで再現して映像化しているので、オリジナルの面白さはほぼ損なわれていない。ただもうほとんどマンガと同じで、しかも1エピソード6分くらいのショートアニメとして作られているので、新たな演出でドラマとして再構築するという感じではなく、動くマンガという印象。そのあたりは好悪分かれるかもしれないが、しかし断然、長濱監督の方がギャグの何たるかを分かっているし、原作を「読めている」のも確かだ。普通そこは端折るだろ! というところでも平気で1コーラス歌わせたりする、意固地な忠実さも恐ろしい。

 アニメーションとしては基本的に派手な動きの少ない内容だが、さすが長濱監督+STUDIO4℃作品だけあって、大した動作でもないのに無駄に枚数が多かったり、ここぞというシーンでやたらカッコよく動かしたりと、作画パワーが有り余っているかのような映像になっていて面白かった。作画スタッフの中に木村圭市郎御大の名前が出てきてビビったりしつつ、「ああ合ってるかもしんない」とも思った。オープニングはそのままPVとして成立するほどの完成度。STUDIO4℃らしい制作力の高さが発揮されているのは、どちらかというと作画以降の撮影(CGI)処理の方だ。

 あと、長澤まさみの演技が意外によかったのも驚きだった。なんかちょっとだらしない喋り方がイイ。もちろんクラウザーII世=うえだゆうじの怪演も圧倒的。根岸役の岸尾だいすけも膨大なセリフ量をこなして作品を支えている。『蟲師』の主人公ギンコ役に続く長濱作品への登板となったジャギ役の中野裕斗も相変わらずよかった。小林愛のデスレコーズ社長も無茶苦茶ハマッていて、下品極まる次回予告のシャウトがいちいち楽しい。永嶋柊吾の見事な佐治君っぷり、K DUB SHINE渾身の木林君っぷりにも感動した。そして竹内力(と野村祐人)演じるジャック・イル・ダークは、説明不要の素晴らしさ。

 実写版のキャストが特別出演したクラウザーさんの映画出演エピソードでは、松山ケンイチがスカした若手男優を、李闘士男がダメ監督を演じており、今となってはものすごい悪意しか感じられない内容になっている。いや、2人とも声優としては非常にイイ味を出してるんだけど。それにしてもこの回で唐突に出てくる大平晋也風作画は誰の仕業なのか……。

 ……というわけで実写版『デトロイト・メタル・シティ』は、魅力的なギャグマンガの映画化としても、1本のコメディ映画としても、残念としか言いようのない出来だった。アニメ版は原作ファンも納得の仕上がりだし、映画にピンとこなかった人にも自信を持ってお薦めできる快作である。とはいえ、映画は大ヒットして続編制作の可能性も高そうなので、どうせならスタッフ・キャストを一新して再チャレンジしてもらいたい。アニメ版の続編はぜひそのままのメンバーで!

・Amazon.co.jp
DVD『デトロイト・メタル・シティ』 DVD-BOX
DVD『デトロイト・メタル・シティ』 Vol.1
DVD『デトロイト・メタル・シティ』 Vol.2
DVD『デトロイト・メタル・シティ』 Vol.3

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『ダークナイト』(2008)

『ダークナイト』
原題:The Dark Knight(2008)

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 素晴らしい。あまりに前評判がよすぎるので、ちょっと身構えながら観始めたものの、冒頭いきなりウィリアム・フィクトナーがショットガンをぶっ放しまくる姿に完全ノックアウト。そこから2時間半、最後まで全く目が離せないまま観終えてしまった。確かにこれは、簡単にけなすことのできない、ケタ外れの傑作だった。

 硬質かつ毒気に満ちた犯罪アクション映画として、最後まで生々しい緊張感を失わずに疾走する『バットマン』など、今まで観たことがあっただろうか。違う言い方をすれば、ここまで破格の予算をかけて大スケールで展開する犯罪映画など、前代未聞ではないか。しかも、荒唐無稽なアクションや愉快な特撮も満載したエンタテインメント作品としても成立させてしまっているのだから、どれだけ高い望みと悪意をもって映画を作ってるんだこいつらは、と呆れずにはいられない。

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 『ダークナイト』は監督やキャストの力量だけでなく、全スタッフの総合力の高さがうかがえる作品だ。撮影も編集も音楽も、とにかく素晴らしい。撮影監督は『メメント』(2000)以来、クリストファー・ノーラン作品に参加し続けているウォリー・フィスター。全てのシーンが硬質なリアリティと美しさに満ちているが、中でもIMAX用のカメラを使ったというアクション・シークェンスのダイナミックな迫力は圧倒的で、その奥行きと広がり、さらに狂ったスピード感の加わった映像は、絶対に大画面で堪能するべき臨場感だ。バットポッドの出撃シーンなんて、思わず鼻血が出そうになるほどカッコイイ(帰り道の自転車のスピードが上がる上がる)。152分の長尺を飽きさせずに見せきる、リー・スミスの編集テクニックも圧巻。R指定を回避するためにどれだけ細かい技を駆使しているかを見るのも面白い。ジェームズ・ニュートン・ハワードとハンス・ジマーという前作からの異色コンビによる、ミニマルに徹したスコアも効果を上げている。

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 元々ラジカルな匂いに満ちた原作コミックを、クリストファー・ノーラン監督は犯罪学的視点を絡めて再構築し、時代の暗黒を凝縮させたような堂々たるフィルムを作り上げた。そこには強靭な悪意と、決定的な正義の敗北と、どす黒い復讐心が手加減抜きで描かれている。これほど徹底的に悪の栄えを描きのめしたハリウッド大作も珍しいだろう。具体的な流血シーンこそないものの、至るところに神経を責め苛むような不穏なムードが溢れ、過激なバイオレンスがちりばめられている。ハッキリ言って子どもが観られる内容ではない。この映画になんらレイティングを与えなかった日本の映倫の判断も、実に悪魔的だ。

(以下長文、ややネタバレあり)
【“『ダークナイト』(2008)”の続きを読む】

欲しいDVDリスト・国内編[2008.9+α]

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「TRASH-UP!!」2号の原稿とりあえず全部書き上げました! と、どこにともなく叫んでみる欲しいDVDリストのお時間です。今回は9月発売の国内盤DVDから個人的な注目タイトルをピックアップ。テキサスの生んだ天才監督ウェス・アンダーソンの傑作『ダージリン急行』をはじめ、『ファーストフード・ネイション』『ミスト』『ラスト、コーション』『フィクサー』など、今年劇場で観て面白かった作品が続々ソフト化。ジョン・ブアマン監督の力作『ラングーンを越えて』の初DVD化も個人的に嬉しいです。各商品タイトルのリンク先は、Amazon.co.jp


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●2008.9.3発売
『ダージリン急行』(2007)
ウェス・アンダーソン監督がまたしても天才ぶりを見せつけた傑作。列車でインドを旅する凸凹3兄弟の悲喜こもごもを、エイドリアン・ブロディ、オーウェン・ウィルソン、ジェイソン・シュワルツマンという魅力的な顔ぶれで描く。アーティフィシャルなのに濃密な異国情緒に溢れ、行き当たりばったりな展開に見えてしっかり物語を回収し、しかもオーソドックスに泣かせるという離れ業が凄い。オープニングも本当にかっこよすぎる。前章となる短編『ホテル・シュヴァリエ』はもちろん、「舞台裏ツアー」と題したメイキング映像も収録。(ウォルト・ディズニー)

『ダメージ ─シーズン1─』DVD-BOX(2007)
グレン・クローズ、ローズ・バーン主演のサスペンスTVドラマシリーズ『ダメージ』の3話?13話を収録したDVD-BOX。キャスト・スタッフによる音声解説や未公開シーンなどの特典も収録した3枚組。シーズン1全13話を4枚組にまとめたBlu-ray版BOXも同時発売。(ソニー・ピクチャーズ)


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●2008.9.5発売
『ファーストフード・ネイション』デラックス版(2006)
ファーストフード業界の闇を暴いたノンフィクション書籍を原作に、食の安全を無視した企業の実態と、巨大国家アメリカのヒエラルキー構造について問題提起する秀作。様々なキャラクターが交錯する群像劇スタイルで、やっぱり最後は青春映画になるところがリチャード・リンクレイター作品らしい。グレッグ・キニアーを始め、ブルース・ウィリスやアヴリル・ラヴィーンまで登場する豪華キャストも見どころ。年相応の役柄を演じるイーサン・ホークがすごくいい。(ジェネオン)

『針の眼』(1981)
ドナルド・サザーランドが冷酷なスパイを演じたサスペンス・スリラーの佳作。監督は『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』のリチャード・マーカンド。第二次大戦中、連合軍の上陸地点を探っていたナチスのスパイ“針”は、嵐のためにやむなく離島に漂着。彼は正体を隠し、島に暮らす夫婦のもとに身を寄せるが……。低価格再発売。(20世紀フォックス)

『低開発の記憶─メモリアス─』(1968)
1961年、キューバ革命直後のハバナを舞台に、一人の作家の目を通して当時の世相や市井の様子を生々しく描いた、ラテンアメリカ映画の代表作。監督は『苺とチョコレート』の名匠、トマス・グティエレス・アレア。(Action Inc.)

『ビルマ、パゴダの影で』(2004)
ビルマ(ミャンマー)の国境地帯で、今なお迫害におびえて暮らす少数民族たちの過酷な生活を捉えた貴重なドキュメンタリー。政府からの撮影許可が下りなかったため、本作のクルーは観光用PR番組の撮影と偽って奥地へと潜入した。(アップリンク)

『アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生』コレクターズ・エディション(2007)
ジョン・レノン&ヨーコ・オノを始め、著名人のポートレイトを数多く手がけきたフォトグラファー、アニー・リーボヴィッツの半生に迫ったドキュメンタリー。なぜ彼女の前では身も心も裸になるのか、ジョージ・クルーニーやキース・リチャーズなどの証言も交えて、最高の写真を求めて苛烈な人生を歩んできた求道者の姿が鮮烈に浮かび上がる。(ギャガ・コミュニケーションズ)


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●2008.9.10発売
『ファイヤーライン』(1996)
香港で大ヒットを記録すると共に、映画作家ジョニー・トーの名声を一躍高めた渾身の傑作『十萬火急』が、ついにDVD化!(輸入盤はとっくに持ってるけど)。命を張って危険に挑む消防士たちの熱いドラマを描き、第17回香港電影金像奨では6部門にノミネートされ、最優秀編集賞・最優秀音響賞を受賞。主演はジョニー・トー作品常連のラウ・チンワン。共演はジョーダン・チャン、カルメン・リーなど。(キングレコード)

『裸足のクンフーファイター』(1993)
靴を履いたこともない純真な少年クワンが、工場を乗っ取ろうとする町の実力者の計略に巻き込まれ、自慢の足技を駆使したクンフーで戦うが、悲劇的な結末を迎える。ジョニー・トー監督の手がけた幻の傑作クンフーアクション『赤脚小子』が国内初DVD化。主演は傑作『父子』(2006)がいつまで経っても公開されないアーロン・クォク。マギー・チャン、ティ・ロン、ン・シンリンなど共演陣も豪華。(キングレコード)

『ミニー&モスコウィッツ』(1971)
アメリカ・インディペンデント映画の父、ジョン・カサヴェテス監督の名作が初DVD化。出逢ってからわずか4日間で結婚してしまう男女のラブストーリーを、ユーモアたっぷりに描く。主演はカサヴェテスの愛妻ジーナ・ローランズと、最近ではウェス・アンダーソン作品でおなじみの常連俳優シーモア・カッセル。(キングレコード)

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『ラングーンを越えて』(1995)
ジョン・ブアマン監督が実話に基づき、1988年当時のビルマ情勢をリアルに描いた社会派ドラマが、ようやく初DVD化。夫と息子を強盗に殺され、現実を忘れるためにビルマへ旅立ったアメリカ人女性ローラが見たものは、民主化運動を徹底的な暴力で弾圧する軍事政権の姿だった……。主人公ローラをパトリシア・アークェットが熱演。やっとノートリミングのまともな状態で見られるのは凄く嬉しい。(ワーナーホームビデオ)

『脱出』特別版(1972)
大自然の中で繰り広げられる4人の男たちの壮絶な脱出劇をスリリングに描いた、ジョン・ブアマン監督の代表作。監督による音声解説、63分に及ぶ映像特典を新たに収録したニューエディションで再リリース。(ワーナーホームビデオ)

『4ヶ月、3週と2日』デラックス版(2007)
1987年、チャウシェスク政権下のルーマニアで、禁止された堕胎手術を受けようとする女子大生と、彼女を助けようと奔走する女友達の緊迫した一日を描いた社会派ドラマ。2007年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。(ジェネオン)


●2008.9.12発売
『食人族』てんこ盛り食人愛好家盤(1981)
日本にいる全ての『食人族』ファンに贈る、豪華3枚組のコレクターズ・エディション。ディスク1は、既発売版と同内容の本編(吹替音声と、ルッジェロ・デオダート監督の音声解説は新規収録)。ディスク2は、メイキング「イン・ザ・ジャングル」、予告編集、スタッフ&キャストのインタビュー映像、日本版限定監督インタビューなどを満載した特典ディスク。そしてディスク3は、クエンティン・タランティーノが主催する「グラインドハウス」レーベルからリリースされたニューテレシネ本編。日本劇場公開版と同じ完全版で、監督&キャストの別バージョン音声解説なども収録。さらに残虐な動物虐待シーンをカットした「動物愛護版」も再生可能! 封入特典として1983年劇場公開時のポスター復刻版、解説書なども収録されるという、まさに至れり尽くせりの決定版。(J.V.D.)


●2008.9.16発売
『ラスト、コーション』スペシャルコレクターズエディション(2007)
1942年の上海、抗日運動に身を投じた女学生ワンは、特務機関の重要人物イーを暗殺するべく、自らの美貌を駆使して彼の愛人となることに成功するが……。危険な愛にのめり込んでいく男女の駆け引きをスリリングに描いた、アン・リー監督の力作。日本版オリジナルの特典映像を満載した2枚組。タン・ウェイの熱演、トニー・レオンのかっこよさにも痺れるが、ジョアン・チェンの老けっぷりにも驚く。本編のみの通常版Blu-ray版も同時発売。(Victor Entertainment)


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●2008.9.17発売
『ミスト』コレクターズ・エディション(2007)
スティーヴン・キングの傑作中編『霧』を、フランク・ダラボン監督がほぼ完璧に映像化した力作。『ドリームキャッチャー』に続いてキング作品に主演したトーマス・ジェーンが、いつの間にかタフな性格俳優になっていて驚愕。マーク・アイシャムの音楽も素晴らしい。2枚組コレクターズ・エディションには、監督が元々意図したモノクロ・バージョンのほか、貴重なメイキング映像などを収録。通常版も同時発売。(ポニーキャニオン)

『セラフィム・フォールズ』(2006)
リーアム・ニーソンとピアース・ブロスナンが共演した未公開バイオレンス・アクション。雪深いネバダの山中で繰り広げられる追跡劇と、南北戦争を背景にした因縁のドラマが交互に描かれる。監督・脚本はTVドラマ『ザ・シールド』『CSI』シリーズなどの演出を手がけてきたデイヴィッド・フォン・アンケン。特典としてメイキング映像を収録。(ポニーキャニオン)

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『ゴーン・ベイビー・ゴーン』(2007)
俳優ベン・アフレックが長編監督デビューを果たし、高い評価を受けたサスペンスドラマ。原作はデニス・レヘインの『愛する者はすべて去りゆく』。監督の実弟で、『ジェシー・ジェームズの暗殺』でも印象を残したケイシー・アフレックが主人公の探偵を演じる。ミシェル・モナハンやモーガン・フリーマン、エド・ハリスなど芸達者揃いの共演陣の顔ぶれも見どころ。Blu-ray版も同時発売。(ウォルト・ディズニー)

『ナック』(1965)
リチャード・レスター監督の出世作にして、奔放な映像センスでスウィンギン・ロンドン・カルチャーの空気感をヴィヴィッドに伝えた永遠のカルトムービー。ブリティッシュ・ニューシネマを代表する女優、リタ・トゥシンハムが可愛い。別メーカーからの再リリース。(20世紀フォックス)


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●2008.9.26発売
『スルース 【探偵】』(2007)
劇作家アンソニー・シェーファーの代表作『探偵/スルース』を、大先輩のハロルド・ピンターが見事に脚色した2度目の映画化作品。大胆な省略、後半の倒錯ぶりはいかにもピンター。旧作にも出演したマイケル・ケインがさすがの妙演を見せ、ジュード・ロウが最後の輝きとも思える危うい色気を発散していて素晴らしい。気合十分で監督に臨んだケネス・ブラナーの、かつてないほどトリッキーな映像演出も見もの。特典としてスタッフ・キャストのインタビュー、ジュード・ロウの来日時インタビューなどを収録。(ハピネット)

『フィクサー』(2007)
ジョージ・クルーニーが揉み消し専門のケチな弁護士を演じた傑作ドラマ(レビューはこちら)。シドニー・ルメット監督の『評決』など、かつての社会派ハリウッド映画の名作群を思わせる硬質の演出が心地好い。トム・ウィルキンソン、ティルダ・スウィントンの鬼気迫る熱演も圧巻。腰の据わった撮影は『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』も手がけるロバート・エルスウィット。DVDにはオーディオコメンタリー、未公開シーン集などを収録。(東宝)

『王妃の紋章』デラックス版(2007)
北京五輪の開会式演出も手がけたチャン・イーモウ監督による豪華絢爛な歴史絵巻。コン・リーやチョウ・ユンファなどの大スターが居並ぶ豪華出演陣、莫大な予算を費やしたスケール豊かな映像美、女性の胸の谷間を強調した衣装デザインなど、見どころ多数。メイキングドキュメンタリーや監督・キャストの来日インタビュー映像などを収録。Blu-ray版も同時発売。(ジェネオン)

『地上5センチの恋心』(2006)
平凡だが夢見がちな主婦と、不幸な人気作家を結びつける一通のファンレター。『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』のエリック=エマニュエル・シュミットが、ファンタジックな映像で綴る大人のラブストーリー。作家役を演じるのは『ベルニー』や『Enfermes Dehors』の怪優アルベール・デュポンテル!(CCRE)

『ここに幸あり』(2006)
突然、辞任に追い込まれた大臣が行き場を失くして辿り着いた先は、老いてなお頼れる母親と、昔の友人たちとの自由気ままな日々だった……。グルジア出身の名匠オタール・イオセリアーニ監督が贈る人間賛歌。主人公の母親を演じるのは『最後の晩餐』『昼顔』の名優、ミシェル・ピコリ。(AMUSE)

『週刊真木よう子』DVD-BOX(2008)
女優・真木よう子が毎回異なるストーリーでヒロインを演じる、全12話のTVドラマシリーズ。参加監督は井口昇、タナダユキ、三木聡など個性派揃い。企画・演出は『演技者』『30minutes』シリーズの大根仁。『30minutes 鬼(ハイパー)』の1エピソード「のっぽのサリー」に真木よう子が出演した際、大根監督は「今回いちばん良かった女優」とオーディオコメンタリーでベタ誉めしていた(でも彼女の出演エピソードを実際に演出したのは岡宗秀吾だったので、今回はその雪辱戦?)。すぎむらしんいちの傑作マンガ「スノウブラインド」を映像化した気概だけでも尊敬できるものがある。(キングレコード)


<2008年10月以降リリースの注目タイトル>

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●2008.10.3発売
『ゴッドファーザー』コッポラ・リストレーション DVD BOX(パラマウント)
『ゴッドファーザー』コッポラ・リストレーション Blu-ray disc BOX(パラマウント)
『ゴッドファーザー Part I』デジタル・リストア版(パラマウント)
『ゴッドファーザー Part II』デジタル・リストア版(パラマウント)
『ゴッドファーザー Part III』デジタル・リマスター版(パラマウント)
『マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶』(アットエンタテインメント)
『タンカー・アタック』(アットエンタテインメント)
『ドキュメント「超」怖い話 ?都市伝説編III?』(竹書房)

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●2008.10.8発売
『ふたり』(キングレコード)
『ジョン・ウー カラテ愚連隊』(キングレコード)
『暴力脱獄』特別版(ワーナーホームビデオ)
『ツイてない男』(ワーナーホームビデオ)
『スノー・エンジェル』(ワーナーホームビデオ)

●2008.10.9発売
『愛人関係』(ユニバーサル・ピクチャーズ)
『ディア・ハンター』製作30周年記念コレクターズ・エディション(ユニバーサル・ピクチャーズ)

●2008.10.21発売
『丘を越えて』(東映)

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●2008.10.22発売
『ペルセポリス』(ポニーキャニオン)
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』2 Disc コレクターズ・エディション〈デジタル・リマスター版〉(ウォルト・ディズニー)
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』コレクターズ・エディション〈デジタル・リマスター版〉Blu-ray Disc(ウォルト・ディズニー)

●2008.10.24発売
『アイム・ノット・ゼア』(ハピネット)

●2008.11.7発売
「ピクサー・ショート・フィルム&ピクサー・ストーリー」完全保存版(ウォルト・ディズニー)

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●2008.11.13発売
『エメラルド・フォレスト』(ユニバーサル・ピクチャーズ)
『ジャン=ポール・ベルモンドの道化師─ドロボーピエロ─』(ユニバーサル・ピクチャーズ)
『ガブリエル』(ユニバーサル・ピクチャーズ)
『リスボン特急』(ユニバーサル・ピクチャーズ)
『恋ひとすじに』(ユニバーサル・ピクチャーズ)
『もうひとりの女』(ユニバーサル・ピクチャーズ)
『ローゼンシュトラッセ』(ユニバーサル・ピクチャーズ)
『マイ・ファミリー/遠い絆』(ユニバーサル・ピクチャーズ)
『エンドレスナイト〈デジタル・リマスター版〉』(ユニバーサル・ピクチャーズ)
『ナイル殺人事件〈デジタル・リマスター版〉』(ユニバーサル・ピクチャーズ)
『地中海殺人事件〈デジタル・リマスター版〉』(ユニバーサル・ピクチャーズ)
『インド夜想曲』(ユニバーサル・ピクチャーズ)
『天使とデート』(ユニバーサル・ピクチャーズ)

●2008.11.19発売
『三匹の侍』DVD-BOX(ポニーキャニオン)

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●2008.11.21発売
『忍者武芸帖 百地三太夫』(東映)
『吼えろ鉄拳』(東映)
『冒険者カミカゼ』(東映)
『ドーベルマン刑事』(東映)
「ミッキーマウス B&Wエピソード VOL.1」限定保存版(ウォルト・ディズニー)

●2008.12.17発売
「オズワルド・ザ・ラッキー・ラビット」限定保存版(ウォルト・ディズニー)

●2009.1.21発売
「ミッキーマウス B&Wエピソード VOL.2」限定保存版(ウォルト・ディズニー)

『レディアサシン』(2007)

『レディアサシン』
原題:Boarding Gate(2007)

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 がっかり。アーシア・アルジェントはどこまで不遇なんだろう……と思わずにはいられない失敗作。オリヴィエ・アサイヤス監督は前作『Clean』(2004)の素晴らしさがまさに奇跡だったことを証明するかのように、今回は豪快に空振っている。

 とにかくもう展開がタルい。完全なB級スリラーのお膳立てで作られていながら、筋運びがやたらモタモタしていて、集中力を削がれることこの上ない。それはひとえに、役者の芝居を大事にしすぎるからではないか。特に、前半2回もあるマイケル・マドセンとアーシア・アルジェントのワークショップのごときダラダラした掛け合いは、正直言って観るに堪えない。アドリブと思しき台詞も本当につまらないし、後の展開に繋がる伏線の織り交ぜ方もスマートさとは程遠い。このやりとりさえ切り詰めれば映画の印象もだいぶスッキリしたような気がする(マドセンのエージェントが「出番を増やさないと降りる」とか言ったのかも?)。

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 こういう映画なら15分で終えなければならない導入部を1時間に引き延ばしておいて、結局なんの効果も上げられていないのだから、観る側の意欲も気力も大暴落である。後半、舞台が香港に移ってからは少しだけ持ち直すが、やはり遅きに失した感がある。思わせぶりな台詞をちりばめて「巨大な社会システムの前になす術もない個人」という図式を押し出そうとするのも、安易で陳腐な印象しか与えない。作品全体が朦朧とした感覚に覆われたまま、本作はB級映画らしい活力を取り戻せずに終わってしまう。

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 確かにこの映画の出演陣が魅力的でないかと言ったら、それぞれの良さは十分に引き出されていると思う。アーシア・アルジェントは相変わらず被写体としては最高に魅力的で、彼女のセクシーな姿を堪能するためだけの作品なのかな、と最初のうちは思ったりもする。しかし、長回しの即興芝居などやればやるほど演技が泥臭くなってしまい、悪い面も十二分に引き出してしまっているのが惜しい。もっとキレのある彼女が観てみたかった。マイケル・マドセンだって、哀愁漂う中年を言葉少なに演じているうちは「ああ、いい役者なんだな」と思えるのだけど、長丁場のアドリブとなると……。

 一方、カール・ンの美男子ぶりといったら惚れ惚れするほどだし、『マッド探偵』(2007)などでおなじみの香港ノワール美女、ケリー・リンの硬質の美貌も際立っている。ソニック・ユースのベーシスト、キム・ゴードンの堂々たる女優ぶりも見ものだ。しかし、それらの好演もやはりおぼろげな印象の中に飲み込まれてしまっている。

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 前作『Clean』は、ある一人の孤独な女が再生に向かって突き進むドラマを、過剰なまでの歯切れよさで描いた秀作だった。そのエネルギッシュな語り口は、本来なら今回のような映画で特に発揮されるべきだったが、実際のところ勢いはガタ落ちしている。本作は準備段階から公開に至るまで、いろいろとトラブルに見舞われた作品らしいが、それらの現実問題が内容に悪影響を与えているとしても、弛緩したシナリオ構成や鈍重な仕上がりの言い訳にはあまりならない気がした。

 アサイヤスは明らかに演出モードの切り替えに失敗している。それこそリチャード・フライシャーのように、役者を単なるコマとして動かすぐらいの思い切りがあれば、同じ題材でもずっとタイトでスピーディーな仕上がりになったと思う。ヨリック・ル・ソーによるフォーカスを巧みに使ったカメラワークも素晴らしいだけに、なおさら惜しい。ちょっとヤワすぎる気がした。いろんな意味で。

・Amazon.co.jp
DVD『レディアサシン』

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『Une Partie de Plaisir』(1975)

『Une Partie de Plaisir』(1975)
英語題:Pleasure Party

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 クロード・シャブロル監督といえば、こじれた愛情や人間関係が招く犯罪とその顛末を見つめる、一連のスリラー作品で知られている。人が一線を越え、ある種の怪物となっていく様を、シャブロルはつとめて冷静に、悪意をもって観察する。そこで起きる惨劇は誰にも止められず、決して避けられない。シャブロルの映画には常に観客を不安にさせる「イヤな感じ」がつきまとい、それが麻薬のような魅力となってファンの心を捉え続けるのだ。その感触が最も強い作品は、どれになるだろうか。寒々しく絶望的な『Juste avant la nuit』(1971)か。コミカルなタッチが逆に不気味さを際立たせる『ジャン=ポール・ベルモンドの交換結婚』(1972)か。見るからにヤバすぎるヒロインが絶品だった『石の微笑』(2004)か。

 1975年に公開された『Une Partie de Plaisir(A Piece of Pleasure)』は、そんな「イヤな感じ」が最も極まった傑作ではないだろうか、と観ながら思った。ここでは、一見幸福そうな夫婦のたどる悲惨な崩壊劇が、インテリ階級への皮肉もこめながら淡々と描かれていく。

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 年上の夫フィリップ(ポール・ジェゴフ)は、美しい妻エステル(ダニエル・ジェゴフ)と幼い娘エルシーと三人、郊外の邸宅で幸福な生活を送っていた。彼は自身の浮気を当たり前のことのように告白し、妻にも自由にしていいと寛容さをアピールする。しかし、妻が自分の気に食わないアラブ系の青年と寝たと知るや、激しい嫉妬にとり憑かれ、ついには恐ろしい暴力を彼女に振るい始める……。

 男のイヤな部分が凝縮されたような主人公フィリップのキャラクターが強烈。己の身勝手さに無自覚で、自分を懐の深い理性ある知識人だと思い込み、口先では進歩的なことを言いながら、結局は嫉妬・怒り・暴力衝動といったプリミティヴな感情に支配される凶暴なゴリラでしかない。それが人間の真実である、とシャブロルは暴露する。そんな本質を理解せず、全ては理性でコントロールできるなどと思って生きている現代人に、警鐘を鳴らすかのように。

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 まやかしの幸福が破綻し、家族の絆が決定的に壊れてもなお、しつこく幻影に追いすがる。そんな異常だがリアルな妄執を、ポール・ジェゴフはごく自然体の演技で、絶妙に演じている。彼は本作の脚本家でもある。そして妻を演じるダニエル・ジェゴフは、実際に彼の元妻でもある。そして娘役のクレマンス・ジェゴフも、彼らの本当の子供である。この映画に漂う、妙に真に迫った生々しさは、彼らが本当の(壊れた)家族だからもたらされているのではないか。アニエス・ヴァルダの『幸福』(1964)を百倍ぐらい容赦なくしたような家族の崩壊劇を、書いた当人とその家族に演じさせるシャブロルは本当に意地が悪い。というか、引き受ける方もどうかしてると思うが。

 クレマンス・ジェゴフの可愛さといったらない。本物のパパとママを相手に演技しているので、その表情には生硬な芝居くささが全くないのだ。ラスト、彼女が鉄格子の向こうにいる父親に問いかける「ママはどこへ行ったの?」という台詞の屈託のなさは、シャブロルが仕掛けた悪意の真骨頂である。大人になってこの映画を観た時、彼女はどう思っただろう? また、劇中で彼女がつぶやき続ける数字のカウントも、絶望的な余韻として観客に忘れがたい印象を残す、秀逸なモチーフとなっている。

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 ポール・ジェゴフはかの名作『太陽がいっぱい』(1960)を手がけた名脚本家であり、シャブロルとも『二重の鍵』(1959)や『女鹿』(1968)、『交換結婚』などで何度も仕事をしている仲。本作の主演候補には『女鹿』のジャン=ルイ・トランティニャンなどの名前が挙がっていたが、誰もこんなエゴイスティックで共感の持てない人物を演じようとしなかったため、最終的にジェゴフ本人が演じることになった。彼はジャン=リュック・ゴダール監督の『ウィークエンド』(1967)などにも出演しており、全くの演技未経験者ではなかったものの、『Une Partie de Plaisir』での演技はとても自然で、鬼気迫るリアリティに満ちている。相手役のダニエル・ジェゴフが投げかける冷たい目線にも、ひょっとしたら演技以上の感情がこもっているのでは……と疑いたくなってしまうほど、彼らが演じる破滅のプロセスは不気味な真実味を湛えている。本当にイヤな傑作だ。

・Amazon.com
DVD『Pleasure Party』(米国盤・リージョン1)

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『Goya's Ghosts』(2006)

『Goya’s Ghost』(2006)

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 大傑作。正直こんなに面白い映画だとは思ってなかった。さすがミロシュ・フォアマン監督! と快哉を上げたくなる見事な風刺劇で、その手腕が最大限に発揮された集大成的な作品とも言える。いつだか輸入盤DVDセールで買ったドイツ盤で観たのだけど、秋には日本でも『宮廷画家ゴヤは見た』というタイトルで公開が決まっているので、「こんな映画だったの!?」という驚きを大事にしたい人は、ここから先は読まなくていい。とにかく、ぜひ劇場で楽しんでほしい傑作であることは間違いない。

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『Dark City:Director's Cut』(1998-2008)

『Dark City:Director's Cut』(1998-2008)

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 『ダークシティ』は大好きな映画だ。ビデオで初めて観て以来、LDやDVDで何度も繰り返し観ている。去年の夏に大阪へ行った時も、西成にある映画館トビタシネマで『ダークシティ』が久々にスクリーン上映されると知って、それを観に行くのが旅のメインイベントのようなものだった。知らない土地の場末感漂う劇場で、真夏の朝イチの回からおっちゃんたちと一緒に観る『ダークシティ』は、また格別だった。主人公と同じように、その地に属さない、誰でもない人間として映画を観られたから。映画がつまらないと怒りだすという(?)お客さんたちも、みんな画面に集中していて静かなもんだった。

 その『ダークシティ』が10年の時を経て、10分長いディレクターズ・カットとして復活。単に未使用カットを足しただけのエクステンデッド・バージョンではなく、細かい再編集と追加CG処理を施したリニューアル・バージョンである。大きな変更点もいくつかあるが、それよりはカット単位での変更が多く、細かく拾っていくと結構キリがない。以下が、比較的大きな公開版との違い。

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●冒頭のシュリーバー博士によるナレーションがない
●オープニングで、町の時間が止まるシークェンスがない
●町を彷徨うマードックが自分の指紋(渦巻)を見つめるカットがある
●マードックを匿う娼婦・メイに娘がいる描写がある
●殺されたメイの娘が描いた絵から、バムステッド刑事は“ストレンジャー”の存在を知る
●マードック、シュリーバー、バムステッドの3人がシェルビーチに向かう車中で、マードックが“チューン”を使い、抵抗するシュリーバーを苦しめる
●クライマックスの超能力合戦でVFX(CG)が増えている
●音楽が全体的に少なくなっている

 そのほか、細かい描写や台詞が足されていたり、あるいは抜かれていたり、カットの順番が入れ換えられていたりする。初公開版では全編ひっきりなしに鳴っていた音楽も、今回のバージョンでは部分的に消され、あるいはボリュームを下げられるなどしていて、印象としては随分と落ち着いた映画になったなぁという感じがした。

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 追加CG処理で特に目立つのは、クライマックスの超能力合戦。重力を無視して上空に舞い上がっていく瓦礫などのディテールが足されたほか、短剣を突き刺されたミスター・ブックの頭部から体液めいたものが溢れ出すエフェクトも足されている。後者に関しては、回転しながら宙をすっ飛んでいくというアクションのインパクトが薄らいでしまい、あまりいい改変とは思わなかった。ただ、画面のスペクタクル感は確かにディレクターズ・カット版の方が増している。

 アレックス・プロヤス監督にとって、公開版で最も不満だった部分は、映画会社からの要請で付け加えたオープニング・シークェンスらしい。特にシュリーバー博士のナレーションは、どんな台詞にすれば映画にとって最小限のダメージで済むのか、録音現場でもずっと悩みながら作業していたのだとか。ナレーションについては、確かにない方が絶対にいいと思うのだけど、町の時間が止まっていく秀逸なイメージも落としてしまったのはちょっと惜しい。メイに娘がいて殺人を目撃するという描写も、はっきり言って蛇足だと思ったが。

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 今回のディレクターズ・カット版でも、もちろん作品自体の強烈な魅力は失われていない。見事なプロダクションデザイン、ノワール調の撮影、俳優の演技もすべて素晴らしい。だが、決定的に公開版からは失われてしまった要素がある。僕が『ダークシティ』でいちばん凄いと思っていた部分が。それは、あまりにもテンポのよすぎる編集だ。これだけ入り組んだ内容であるにもかかわらず、公開版はスタッフクレジットこみで上映時間100分しかないのだ。

 とにかく展開が速い。予告編かダイジェスト映像という勢いでモンタージュが積み重ねられ、主人公を取り巻く謎や登場人物の紹介、世界観の提示が行われていく。『ダークシティ』が優れているのは、キャラクターも舞台設定もいわゆるハードボイルドやノワールの定型を巧みに踏襲し、非常に明快なイメージで作られているからこそ大胆なストーリーテリングが可能になっているという点だ(同時に、この世界がクリシェで構築された虚構であるという意味も効率的に伝えている)。

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 アレックス・プロヤスという監督は、そのあたりの「少年ジャンプ」的感覚というか、アイディアとしては目新しくないけれども斬新なデザインセンスで再構築した異世界のありようを、世界中にいる不特定多数の映画観客たちに分かりやすく伝えるという手腕にかけては、まさにメジャー級の力を持っていると思う。何よりビジュアルが単純にかっこいい。特に、ジェニファー・コネリー扮するヒロインがナイトクラブで歌い出す初登場シーンの、有無を言わさぬコンティニュイティには毎回観るたびに魂を持っていかれる。

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 僕にとって『ダークシティ』を観る愉しみは、その効率的という形容すら通り越したスピーディーな語り口に圧倒されること。さながらダイジェスト映像を観ているような感覚は、そのうちこれが登場人物たちの永刧に繰り返されている記憶のダイジェストではないか、というサスペンスまで生んでいく。それら矢継ぎ早にたたみかけられる展開を繋ぐ上で大きな役割を果たしているのが、ひっきりなしに鳴り続けるトレヴァー・ジョーンズの音楽だ。ひたすら劇的なスコアがサスペンスフルな予感を高め続け、見せ場や伏線が連続しているような錯覚を与える。それはもはや通常の映画のストーリーテリングではない。『ダークシティ』公開版は、構造的にも、ちょっと他に類を見ない映画なのだ。

 だから、今回のディレクターズ・カット版が10分長いと知った時は、自分の好きな『ダークシティ』ではなくなってるかもしれないな、という予感もした。そして実際、その通りだった。作品の魅力は損なわずにディテールアップされ、音楽は適材適所で鳴り、より「映画らしい映画」になった。それも悪くはないと思うけど、やっぱり個人的には「型破りな映画」だった公開版がベストだと思った。それが監督の意図にそぐわない編集だったとしても。

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 ちなみに、この映画はプロヤス監督の母国であるオーストラリアで撮影されており、スタッフのみならず俳優陣にも現地の人間が多い。メイ役のメリッサ・ジョージもそのひとりで、本作の後には『マルホランド・ドライブ』(2001)でマフィア一押しの女優カミーラ・ローズを演じ、さらに長年オクラ入りにされていたキーファー・サザーランド主演のTV版『L.A. Confidential』(2000)のパイロットでヒロイン役も演じた、ツイステッド・ノワール世界に縁深いブロンド美人。最近はリメイク版『悪魔の棲む家』(2005)や、ジョシュ・ハートネット主演のホラーアクション『30 Days of Night』(2007)などで立て続けにヒロイン役を演じており、長年の下積みが報われようとしている。そして、ストレンジャーのひとりミスター・ウォール役のブルース・スペンスといえば、『マッド・マックス2』(1981)のジャイロ・キャプテン。やたら細長い顔と長身のルックスは一度見たら忘れられない。ヴェルナー・ヘルツォーク監督の『緑のアリが夢見るところ』(1984)の主演でも知られている。狂気に陥る刑事ワレンスキーを演じたコリン・フリールズは、スコットランド出身だが少年時代にオーストラリアへ移住し、以降もそこで演劇活動を続けている。マイルス・デイヴィスと共演した『ディンゴ』(1991)や、『エンジェル・ベイビー』(1995)などが有名。妻はジュディ・デイヴィスである。

 関係ないが、ミスター・ハンドを演じたリチャード・オブライエンの代表作『ロッキー・ホラー・ショー』(1975)の監督ジム・シャーマンも、実はオーストラリア人だったりする。

・DVD Fantasium
DVD『Dark City:Director's Cut』(米国盤・リージョン1)

・Amazon.co.jp
DVD『ダークシティ』(公開版)

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