
『妖獣都市』『獣兵衛忍風帖』『鉄腕バーディー』『バンパイアハンターD』などの傑作群で知られ、『マトリックス』のウォシャウスキー兄弟にも多大な影響を与えた“ジャパニメーション”の巨匠・川尻善昭。その作品の魅力に迫った書籍「PLUS MADHOUSE 2 川尻善昭」(キネマ旬報社刊)が、今日から発売になります。僕も編集スタッフ・ライターとして参加しました。ブログではあんまり本業については書いてないんですが、今回は結構がんばったつもりなので、もしよかったら手に取ってみてください。
すでに一部の大型書店やアマゾン、川尻監督の最新長編
『HIGHLANDER ハイランダー 〜ディレクターズカット版〜』の公開劇場などでは先行販売されているので、見かけた方もいるかもしれません。わりとボリュームもあって、ライター陣やゲスト陣もバラエティに富んだ濃密な本なので、関わった自分が言うのもナンですがお薦めの一冊です。ぜひこれをきっかけに、傑作揃いの川尻作品がもっともっと日本の映画ファンに見られればいいと思っています。こんなに面白いのに、日本よりも海外の方で圧倒的に評価されているというのは、ちょっと悲しい気がするので。
西部劇と時代劇を愛し、ロバート・アルドリッチとウォルター・ヒルが好きだと公言し、毎作きっちりタイトで豊潤な娯楽活劇を作り続けている職人監督の仕事を、今こそ映画ファンに観てもらいたい。と、心底願って止みません。
本の詳細は以下のとおり。ちなみに僕は、ライターとしては主に作品解説を担当しております。
「PLUS MADHOUSE 2 川尻善昭」
価格/2310円(税込)
A5判・192頁
発行/キネマ旬報社
・巻頭カラーページ(30頁)
・川尻善昭監督ロングインタビュー
・作家論(野村正昭、パトリック・マシアス[町山智浩訳]、樋口尚文、塩田時敏、津堅信之)
・作画監督座談会(浜崎博嗣+箕輪豊+阿部恒)
・関係者コメント(菊地秀行、マイケル・アリアス、篠原恵美、丸田順吾、三間雅文)
・川尻善昭監督作品解説
・川尻善昭マニアックス
・主要作品詳細データ
・川尻善昭フィルモグラフィー
7月12日には池袋・新文芸坐で「川尻善昭オールナイト」が開催されます。川尻監督のトークショーつきで、傑作4本がいちどに見られるチャンスなので、ぜひ! 特に集大成的傑作『バンパイアハンターD』の久々のフィルム上映は見逃せません。『妖獣都市』と『獣兵衛忍風帖』はプリントが現存していないためDVD上映になりますが、それでも新文芸坐の大スクリーンで見られるのは貴重。会場では「PLUS MADHOUSE 2 川尻善昭」の販売もあります。
アニメスペシャル(5) 『HIGHLANDER ハイランダー 〜ディレクターズカット版〜』公開記念
川尻善昭ナイト7月12日(土)22:30開演(翌5:20終演予定)
22:30〜 川尻善昭監督トークショー
23:25〜 『妖獣都市』(1987)※DVD+ビデオプロジェクタ上映
0:55〜 『獣兵衛忍風帖』(1993)※DVD+ビデオプロジェクタ上映
2:40〜 『バンパイアハンターD』(2000)
4:30〜 『迷宮物語』(1987)
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それと、しばらく売り切れ状態になっていたファンジン
「TRASH UP!!」が増刷されました。新宿ビデオマーケットや新宿NATレコードなどで発売中とのことです。僕はマシュー・ブライト論を書かせてもらってます。2号目の原稿もダラダラ進行中……(すいません、なるべく早く上げます)。
7月12日は
高円寺ミッションズというライブハウスで、映画秘宝の人気ページ「DEVILPRESS」と「TRASH UP!!」、伝説のサタニックメタルバンド「GENOCIDE」の共同プレゼンツによる、「大悪魔祭」という非常に楽しそうなライブイベントもあるので、お時間のある方はぜひ。「川尻善昭オールナイト」と思いっきり被ってますが……。
DEVILPRESS×TRASH-UP!!×GENOCIDE presents!!大悪魔祭〈出演〉
DARKSIDE MIRRORS
東京発サイケデリック・パンクバンド。圧倒的なライブ・パフォーマンスが話題を呼んでいる。
INCAPACITANTS
美川俊治と小堺文雄によるノイズ・ユニット。雑音と騒音の帝王。
SUICIDAL 10CC(中原昌也+ジム・オルーク)
奇才2人による、謎の音響ユニット。
SIGH
日本が誇るカルト・ブラックメタルバンド。海外における影響度も高い。
GENOCIDE nippon
80年代から活躍する伝説のサタニックメタルバンド。
7月12日(土)PM5:30開場 PM6:6:6開演
当日3,000円 前売り2,500円
会場:
高円寺ミッションズ

最近になって気付いたんですが、基本的に映画の海外盤DVDは取り扱っていない
Amazon.co.jp
で、なぜか西部劇だけは自社販売してるんですね。海外のネットショップなどで買いづらいという人にはいいかもしれません。もちろん大半のディスクは日本語字幕もなく、地域コードも異なります(北米はリージョン1)。とりあえず個人的に気になったタイトルを以下にリストアップしたので、参考までに。
『インディアン狩り』 Scalphunters(1967)
先日亡くなったシドニー・ポラック監督の初期作。当時の人種問題を絡め、白人と黒人の友情を描くコミカルウエスタン。主演はバート・ランカスターとオシー・デイヴィス。(MGM/UA)
『男の出発』 Culpepper Cattle Co.(1972)
CMディレクターから映画監督に転身したディック・リチャーズのデビュー作。念願かなってカウボーイになった青年が厳しい現実を目のあたりにする姿を、丁寧かつ瑞々しい演出で描く。(FOX)
『3:10 to Yuma』(2007)
グレン・フォード主演の西部劇『決断の3時10分』をジェームズ・マンゴールド監督がリメイクしたヒット作。主演はラッセル・クロウとクリスチャン・ベイル。(Sony Pictures)
『悪党谷の二人』 The Good Guys & The Bad Guys(1969)
ロバート・ミッチャムとジョージ・ケネディを主演に迎え、バート・ケネディ監督が西部劇への挽歌を謳った作品。文明の波が押し寄せる西部の町で、初老の保安官と腐れ縁のギャングが手を組み、悪人たちと戦う。(Warner)
『四十挺の拳銃』 Forty Guns(1957)
サミュエル・フラー監督の異色西部劇。バーバラ・スタンウィックが40人のガンマンを部下に従えた女ボスを演じる。
日本盤
は紀伊國屋書店からリリース。(FOX)
『フォート・ブロックの決斗』 These Thousand Hills(1958)
リチャード・フライシャー監督による西部を舞台にしたヒューマンドラマの秀作。一介のカウボーイから立身出世していった男が、成功の過程でひとりの女性を裏切り、後悔にさいなまれる姿を描く。(FOX)
『夕陽のギャングたち』 Duck You Sucker(1970)
セルジオ・レオーネ監督がメキシコ革命を題材に撮り上げたマカロニ叙事詩。主演はロッド・スタイガーとジェームズ・コバーン。本編と様々な映像特典を収録した2枚組。(MGM/UA)
『地平線から来た男』 Support Your Local Gunfighter(1971)
バート・ケネディ監督&ジェームズ・ガーナー主演のコミカルウエスタン。快作『夕陽に立つ保安官』の姉妹編的作品。(Warner)
『ミネソタ大強盗団』 Great Northfield Minnesota Raid(1972)
西部史に名高いヤンガー兄弟とジェシー・ジェームズの列車強盗団を題材にした、フィリップ・カウフマン監督のデビュー作。撮影はブルース・サーティーズ。
『ジェシー・ジェームズの暗殺』と併せて観てみるのも一興かも。(Universal)
『荒野に生きる』(1971)&『死の追跡』(1973) Man in the Wilderness & Deadly Trackers
英国の演技派リチャード・ハリスが主演した70年代ウエスタンのカップリング盤。リチャード・C・サラフィアン監督の『荒野に生きる』は、ハリス演じる主人公が未開の荒野に置き去りにされ、復讐心を糧にしぶとく生き延びる姿を描いた秀作。バリー・シアー監督の『死の追跡』は、妻子を殺された保安官の復讐劇をサスペンスフルに描く。原作はサミュエル・フラー。(Warner)
『ビッグ・アメリカン』 Buffalo Bill & Indians(1976)
ロバート・アルトマン監督が西部の英雄バッファロー・ビルの実像に迫った異色作。ポール・ニューマンが商売人で派手好きのバッファロー・ビルを演じる。122分のノーカット版。(MGM/UA)
「Classic Western Collection: The Outlaws」
20世紀フォックス製作の西部劇4本をパックにしたDVD-BOX。収録作は、ロバート・ライアン主演の『誇り高き男』、スペンサー・トレイシー主演の『折れた槍』、サミュエル・フラー監督の『四十挺の拳銃』、ディック・リチャーズ監督の『男の出発』。(FOX)
『夕陽の群盗』 Bad Company(1972)
ロバート・ベントンが監督デビューを果たしたニューシネマ・ウエスタン。南北戦争末期、徴兵から逃れた青年が強盗団の仲間に入り、悪に染まっていく姿をほろ苦いタッチで描いていく。(Paramount)
『群盗荒野を裂く』 Bullet for the General(1967)
ダミアーノ・ダミアーニ監督がメキシコ革命を背景に、粗暴なゲリラ団の首領と切れ者のアメリカ人青年の関係を描いたマカロニウエスタン。『ロング・グッドバイ』顔負けのラストが泣かせる。日本版DVDとは異なる全長版。(Blue Underground)
『ブルーベリー』 Renegade(2004)
フランスのBD作家ジャン“メビウス”ジローの西部劇コミックを、『ドーベルマン』のヤン・クーネン監督とヴァンサン・カッセル主演で映画化したアクション大作。日本では某配給会社のラインナップに入っていたのに、いまだオクラ入り状態。(Sony Pictures)
『South of Heaven West of Hell』(2000)
ミュージシャンであり、俳優としても『スリング・ブレイド』『バンディダス』などで嫌らしい個性を発揮しているドワイト・ヨーカムが、監督・脚本・主演を務めた力作。出演者にはヴィンス・ヴォーン、ビリー・ボブ・ソーントン、ブリジット・フォンダ&ピーター・フォンダ親娘と、豪華な顔ぶれが揃っている。内容は「ヨーカムのファン以外には耐えられない駄作」らしいけど……。(Trimark)
『ウエスタン・ロック/ザカライヤ』 Zachariah(1971)
西部劇とロックを無理やり融合させたカルト映画。砂漠や酒場でロックバンドが延々と演奏を繰り広げる怪作。(MGM/UA)
……無学なもんで正統派が1本も入りませんでしたが、ご容赦ください。
今週末に発売されるファンジン「TRASH−UP!!」で原稿を書かせてもらいました。100ページ超の内容で、執筆陣もメチャクチャ充実した濃い一冊となっておりますので、興味が湧きましたらぜひ。
中野タコシェ、
新宿ビデオマーケットなどで取り扱われる予定です。
「TRASH−UP!!」創刊号〈主な内容〉
・輸入DVDレヴュー(by ビデマボーイズ)
・レナート・ポルセリ、裸と猟奇の小宇宙 (by 山崎圭司)
・大怪奇映画俳優、ポール・ナッシーの軌跡と奇跡!(by 伊東美和)
・フィリピンの映画王 シリオ・H・サンチャゴ(by 餓鬼だらく)
・血と暴力のバッドガール・メルヘン/失われた異才、マシュー・ブライト (by 岡本敦史 )
・「MUNSTERS」の世界(by ネモト・ド・ショボーレ)
・日本のミイラを求めて (by 柳下毅一郎)
・東宝クール・アクション そのビザールな世界(by 真魚八重子)
・コミック「殺しの落胤」(by うぐいす祥子)
・怪奇マンガ家「川島のりかず」の世界 (by 木野下ヨリ太郎)
・「ダークサイド・ミラーズ」ロング・インタビュー(by funerica)
・「genocide」インタビュー
・アルゼンチン・ロックの伝説 チャーリー・ガルシア(by そらみつ)
・怪奇爆音バンド ギャストリー・ワンズ(by Wild Ox)
・世界のワンマン・バンド(by Money child)
・ストレンジMUSICレヴュー
コラム:古澤健(映画監督)、バウスシアター武川による「バウス日記」等々……
初回版付録:TRASHな映像満載のDVD
定価:1365円
取扱店:中野タコシェ、新宿ビデオマーケット、EROSTIKA(原宿)、吉祥寺バウスシアター、ヤマシロヤ5F(上野)、シアターN渋谷、吉祥寺バサラブックス、NAT records(西新宿)、White Head Eagle(大宮店・千葉店)、フリークシーン(大阪)、TIME BOMB RECORDS(大阪)etc.
ちなみに僕が書いたのは、マシュー・ブライトというアメリカの映画監督についての記事です。ブライトは監督として4本しか映画を撮っておらず、リース・ウィザースプーンの出世作になった『連鎖犯罪』(1996)で監督デビューした後、ナターシャ・リオンを主演に迎えた最高傑作『トリックベイビー』(1999)、実在の連続殺人鬼の生きざまを愉快に綴った『テッド・バンディ』(2002)、ゲイリー・オールドマンが小人を演じたハートフルコメディ『タイニー・ラブ』(2003)を作り、いろいろあってハリウッドを去りました。脚本家としてはドリュー・バリモアの再起のきっかけを作った秀作『ガン・クレイジー』(1992)などがあり、元々はカルトバンド“オインゴ・ボインゴ”の創設メンバーで、映画『フォービデンゾーン』(1980)の共同脚本・主演を務めた人でもあります。日本ではあまり知られていない鬼才のひとりで、多分この人について長く書いた文章は日本初だと思うので、参考にしていただけると幸いです。
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なお、明日(というか今日)3月21日、渋谷・青い部屋にて、「TRASH−UP!!」の恒例ライブイベント「TRASH-UP NIGHT!! vol.5 -SOUND OF ITALIAN HORROR-」が開催されます。山崎圭司さん、中原昌也さん、伊東美和さんのトークショー、バンド演奏(2MUCH CREW、Bossa Nova Express)、さらにイタリアン・ホラー映画の覆面上映と盛りだくさんの内容です。 そこでファンジン創刊号も先行発売されますので、ぜひぜひ。
TRASH-UP NIGHT!! vol.5
-SOUND OF ITALIAN HORROR-山崎圭司編 『イタリアン・ホラーの密かな愉しみ―血ぬられたハッタリの美学』(フィルム・アート社)発刊記念!!
日時:3/21(金) OPEN 22:00〜 ALL NIGHT
会場:青い部屋
料金:当日2500円
トークショー参加ゲスト(予定):中原昌也、伊東美和(ゾンビ手帖)、山崎圭司
LIVE:2MUCH CREW、Bossa Nova Express
DJ:Dr.Nishimura(DISCOSSESSION) 、Helter&Skelter
イタリアン・ホラー覆面上映
★イタロ・ホラーのサントラを中心に選曲した、MIXCDを先着でプレゼント!!